どんなに可愛い我が子でも、かんしゃくをおこして怒り出した時には、小さいながらモンスターに豹変してしまいますね。怒りながら物を投げつけたり、泣き出したり、手に負えない状況になることも多々あるでしょう。子供だからこそ喜怒哀楽の変化が激しいとわかりつつも、あまりに怒ってばかりいる自分の子供を見ると、今後が不安になってしまうものです。怒りやすい性格はこのままずっと続くのだろうか?ちょっと指摘しただけで、不機嫌になって怒り出してしまうのは、育て方をまちがえてしまったせい?
今回はそんなお悩みを抱える方のために、子供が怒り出す原因をご紹介します。原因が分かればそれに伴い、しっかりとした接し方、すなわち対処法が見つかるものです。育児に頑張るあなたの、その不安が少しでも和ぎますように。
年齢が関わる子供が怒りっぽくなる理由
子供の年齢により、怒りやすくなる理由が異なってきます。今回は子供が成長する中で、怒りやすくなるとされる2つのタイミングをご紹介します。あなたの子供は、もしかしたら今この「怒りやすい」時期の真っ只中なのかもしれませんね。ぜひ参考にしてみて下さい。
行動範囲が広がる2歳ごろ
2歳頃になると、子供の行動範囲がぐんと広がると言っても過言ではありません。好奇心旺盛で、色々な事に興味を持ち、冒険心溢れるようになりますね。身体的にも一年前とは比べ物にならないくらい成長したため、色々な事に挑戦出来るようになります。
しかし、その一方で言葉面ではまだまだ発達途中なので、自己表現が思ったように出来ないのです。たくさん伝えたいことがあるのにも関わらず、上手に伝えることが出来ない。そのために、両親に理解してもらえない。このようなもどかしさが溜まった結果、かんしゃくを起こして泣き出したり、怒り出したりするのです。子供が2歳頃になると、口を開けるたびに「いや!」と言い出すことでも有名ですが、これも少ない言葉のレパートリーから、一生懸命自己表現している為に起こると言えるでしょう。
このような2歳頃の状態は、どんな子供でも通る道です。怒りっぽくなったからと言って、必要以上に心配せずに温かい目で見守ってあげて下さいね。
新しい環境が始まる6歳ごろ
小学校に進学するこの時期は、今まで生活の全てであった家族から離れ、新しい環境で社会性を学んでいく時期になります。新しい友達ができ、刺激に溢れた毎日を過ごすと同時に、勉強や運動などで他人と比べられる経験を積む事になります。このような環境の変化から、子供によっては精神的に不安になり、少しのことで怒りっぽくなってしまうのです。
環境が変わるということは、少なからず子供に負担がかかり、ストレスになるでしょう。しかし、社会性を身につける為にも学校は必要で、この時期は成長していく上で避けては通れないでしょう。
その他の怒りっぽくなる理由
先に説明した以外でも、子供が怒りっぽくなる理由が大きく分けて2つあります。こちらもしっかりと確認してみましょう。
子供が繊細で感受性が強い場合
感受性が高い子供は、周りの色々な事に気が付けるのが良いところなのですが、そのぶん繊細で敏感に物事に反応してしまいます。自分がコントロールできる感情の量以上に、外部からの情報が入ってきてしまうと上手に処理がしきれずに、結果として怒り出してしまうのです。
しかし、その一方で繊細で感受性が強い子供は、他人の気持ちを察してあげられる優しい子だということも忘れてはいけません。
子供が発達障害や自閉症の場合
発達障害や自閉症の子供は、こだわりが強く、思い込みが激しいという特徴があります。そして、感情のコントロールが得意ではない為に、よく怒り出してしまうのです。子供が必要以上に怒りやすい場合には、発達外来や小児精神科医などで相談してみると良いでしょう。
怒りっぽい子供への接し方
怒りっぽい子供には、正しい接し方をマスターした上で対応しましょう。ただし、どんなに正しい態度で接したとしても、子供は何回も同じことで怒り出したりすることでしょう。どんなことでもそうですが、子供と向き合うことは時間を要するということを忘れてはいけません。ゆっくりと時間をかけながら、子供との関係を構築していってくださいね。
しっかりとそばに寄り添う
子供は感じていることを大人に理解して欲しいものです。しかし上手に伝えることが出来ずに、モヤモヤしてしまうこともあるでしょう。
子供がなにかイライラしているな、と感じたらそっと寄り添い、「どうしたの?」と話を聞いてあげることからスタートしてみて下さい。ここで一番大切なのは、子供が話してくれた事に対して共感して受け入れてあげる事です。子供には、話を通してしっかりと「自分は大切にされているんだ」という安心感を与えてあげることが重要です。
普段の生活で自信をつけさせてあげる
自分に自信のない子供は、自分の「出来ない」という気持ちにイライラして怒りやすくなっているとも言われています。普段の生活の中で、積極的に褒めてあげるようにしましょう。「よく出来たね」、「1人でも大丈夫だったね」など、小さな会話1つでも、塵も積もれば山となるように、子供の自己肯定感の構築に非常に役に立つでしょう。
怒っている理由を聞く
子供がかんしゃくを起こしている際中に、怒っている理由を聞き出そうとしても上手くいくはずがありません。そんな時は、一旦子供が落ち着くのを待ってから、「どうして怒っていたの?」と話しかけてみて下さい。
しっかりと子供が感じていた怒りの原因が分かることで、その問題を解決する為のサポートができますね。子供が怒るたびに、毎回しっかりと向き合うことが必要となりますが、毎回一緒に解決方法を見つけることができることで、子供に自信をつけさせることができるようになります。
話しかける時の主語に気をつける
子供に話しかける時には注意が必要です。主語を「私(自分)」にすることを心がけるようにしてみましょう。
「ママに話してくれたら嬉しいな」、「お片付けしてくれたら、ママは助かるな」など、主語を自分に置き換えることで、会話の中の強制感がなくなります。言葉1つ選ぶだけで、かなり響きや感じ方が変わるので是非とも実践してみてくださいね。
温かく見守ってあげる
子供が怒りっぽくなってしまうのは、先に説明した通り表現力が乏しい為です。子供はまだまだ社会の中で、自分が怒る事によって周りの人がどのように影響を受けるのかを理解出来ていないのです。時間が経てば子供も自分自身を客観的に見れる日が必ずやってきます。あくまで今は1つずつ経験を積んでいる最中であると、大人も理解する必要がありますね。
子供に安心感を与えてあげることがポイント
子供が怒っている時、もしくは怒りっぽくなっている時は、成長の証だと理解して、一緒にその経験を通して成長するくらいの気持ちで接してみましょう。時間をゆっくりかけながら、丁寧に子供の自己肯定感を育てあげてくださいね。