赤ちゃんが小さな体でしゃっくりを続けている…最初は可愛らしく思えても、長く続いたり頻繁に起こると心配になってしまいますね。
今回は赤ちゃんのしゃっくりについて、おすすめの止め方と避けたほうがいい止め方、気をつけたいしゃっくりについてご紹介していきます。
赤ちゃんのしゃっくりが止まらない原因
そもそもしゃっくりとは、横隔膜が痙攣している状態です。横隔膜が急激に収縮することで声帯が閉じ、空気が遮断されしゃっくりが起きます。
赤ちゃんも基本の原理は同じですが、まだ脳と体のつながりが未熟なため、大人にくらべてしゃっくりが起きやすい傾向にあります。生後6ヶ月まで、特に生後1ヶ月までは体の発達が未熟なためよくしゃっくりが起きるのです。その理由は大きく分けてこの二つです。
ミルクや母乳による胃や食道の動き
赤ちゃんがミルクや母乳を飲むと、食道や胃が刺激されて動きます。未発達な体においては、これらの少しの刺激でも横隔膜が痙攣してしゃっくりが起こります。
また赤ちゃんは、ミルクやおっぱいを飲む際に空気もあわせて飲み込みやすいのです。大人のように飲み込んだ空気をげっぷとして外に出すことがうまくできずに体の中に残った空気が横隔膜を刺激する、それもしゃっくりが起きやすい大きな理由です。
体温や気温の変化
また、体温の低下や気温の変化によってもしゃっくりが起きると言われています。
エアコンの風が直接当たっている、部屋が寒い、急に冷たい空気を浴びた、オムツが濡れたままになっている、などが原因となって体が冷え、赤ちゃんの体はびっくりしてしまいます。そのびっくりが横隔膜への刺激となってしゃっくりが起きます。
しゃっくりを止める方法
しゃっくりはそのままにしておいても体に害はありませんが、あまり長く続くようなら止める方法を試してみましょう。
おっぱいやミルクなどを飲ませる
大人でも、しゃっくりを止める方法として水を飲んだりしますが、赤ちゃんの場合も飲み物を飲ませることでしゃっくりを止められることがあります。
ミルクやおっぱいなどを摂りいれてもう一度横隔膜に刺激を与え直すことでしゃっくりを止めるという仕組みです。
月齢次第では白湯や麦茶でも構いませんから、ゆっくり飲ませてあげましょう。
あたためる
体が冷えていることからしゃっくりが出ているのであれば、体を温めましょう。まずオムツが濡れていないかチェックします。新しいオムツに替えてもしゃっくりが続くのであれば、エアコンの温度を調節したり風向きをチェックしたり、一枚多めにかけたりしてみましょう。
温めた手でさすってあげたり靴下を履かせてあげたりするのも効果的です。
げっぷをさせる
母乳やミルクと一緒に空気を飲み込んでしまった場合、げっぷをさせてあげるとしゃっくりが止まることがあります。縦抱っこにして背中を下から上にさすってげっぷを手伝ってあげてみてください。
そしてミルクやおっぱいの後には必ずげっぷをさせることで体内の空気が減り、しゃっくりの回数を抑えることができます。
ミルクの場合、空気を飲み込みにくい作りの哺乳瓶を使うことも、しゃっくり予防につながるでしょう。
優しくさする、トントンする
げっぷをさせる、体を温める意味もありますが、縦抱っこにして背中を優しくマッサージしてあげるとその安心感からもしゃっくりが止まることがあります。
授乳直後などに寝かせてマッサージすると吐いてしまうことがあるので、縦抱っこの状態で行いましょう。
こんな止め方はダメ
大人には有効でも、赤ちゃんにはちょっと注意が必要な止め方もあります。赤ちゃんを危険なめにあわせないためにも、知っておきましょう。
驚かせる
大人の場合、しゃっくりを止める方法としてポピューラーですが、赤ちゃんに対してはあまり効果が得られないばかりかびっくりして泣き出してしまうので、避けましょう。
うつぶせにする
うつぶせに寝ることは赤ちゃんへの負担がとても大きく、また窒息の危険性もあります。特にまだ寝返りも頭を動かすこともできない月齢の赤ちゃんであれば尚更です。
鼻と口が塞がれてとても苦しい思いをしてしまいますし、お腹を圧迫することもあります。危険を伴うのでやめましょう。
くしゃみをさせる
くしゃみをさせるためにティッシュペーパーでこよりを作って鼻の中にいれることも、大人ならあるでしょう。しかしこれは鼻の粘膜を傷つけることにもなりかねません。体の未発達な赤ちゃんには不向きです。
こんなしゃっくりは要注意
たいていのしゃっくりは心配のいらないものですが、中には以下のように注意の必要なしゃっくりもあります。赤ちゃんをよく観察して、心配なようであれば医師の診察を受けましょう。
48時間以上続くしゃっくり
何時間も続くしゃっくり、中でも発熱を伴い2日以上続く場合は、胃炎や十二指腸園、中枢神経や脳梗塞・脳腫瘍などの病気が原因の難治性しゃっくりとも考えられます。
よだれを流したり吐き気のあるしゃっくり
よだれをだらだらと流しながらしゃっくりをしているのであれば、逆流性食道炎の疑いがあります。
繰り返すようなら医師に相談してください。
呼吸の異常を伴うしゃっくり
新生児は口呼吸はできず鼻呼吸をしています。なので鼻が詰まりしゃっくりを繰り返している様子が苦しそうであれば、呼吸困難になっている可能性があります。
注意深く見守りなるべく早くしゃっくりを止めてあげましょう。
稀にアレルギーの可能性もある
発疹や発熱、目の充血などを伴うしゃっくりであれば、稀にアレルギー症状であることもあります。
アレルゲンを知るためにも、必要に応じて検査を受けましょう。
実は苦しくない赤ちゃんのしゃっくり
いかがでしたか?個人差はありますが、1歳くらいまでは頻繁にしゃっくりがあっても次第にその回数は減っていきます。
心配になってしまう赤ちゃんのしゃっくりですが、慣れていることと心拍リズムが早いため、実は大人が思っているほどは苦しくないんだそうです。
ただあまり頻繁だと赤ちゃんも疲れてしまいます。体温やげっぷのチェックなどをして、なるべくしゃっくりが起きにくくなるよう心がけてあげましょう。