赤ちゃんの呼吸が「異常」か「正常」かを見分ける5つのポイント

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ呼吸が上手にできません。そのため呼吸をしていない無呼吸の状態があり、心配になってしまいます。ただしこれは成長途中にある現象で、心配することはほぼありません。ただし無呼吸発作が起きているときには、乳幼児突然死症候群の可能性があり、すぐに病院での診察や処置が必要です。そこで今回は、赤ちゃんの呼吸の判断の仕方について、詳しくご紹介します。

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赤ちゃんの正常な呼吸とは?

お母さんのお腹にいたときには、赤ちゃんはまだ肺で呼吸をしておらず、生まれてから自分の肺で呼吸を始めます。新生児のときには、代謝に多くの酸素が必要なので、1分間に50回から60回程度の呼吸をしています。

ただし肺や胸の筋肉がまだ成長途中であり、十分な酸素を吸い込むことができません。そのため回数を増やして酸素を吸い込んでいるのです。成長するにつれて、呼吸の仕方が分かってくるので、1分間あたりの呼吸の回数も落ち着いてきます。

呼吸する回数が多い赤ちゃんですが、時折呼吸が止まる無呼吸の状態になることがあります。これは周期性呼吸といい、呼吸中枢の未発達な赤ちゃんに良く見られます。

5秒から10秒程度呼吸が止まり、体内に酸素が不足するとまた呼吸することを繰り返す周期性呼吸は、特に心配することはありません。ただし無呼吸の状態が20秒以上続く場合や、顔色が悪いときには病院での診察が必要です。

赤ちゃんの呼吸が「異常」か「正常」かを見分ける5つのポイント

不規則な呼吸はなぜ起きる?

呼吸中枢が未熟な赤ちゃんは、通常の呼吸以外でも様々な原因で呼吸が乱れます。赤ちゃんの呼吸が乱れる原因には、以下のことが考えられます。

風邪を引いている

新生児のときには、母乳によって免疫をもらっているため、風邪を引きづらい状態にあります。それでもウイルスに感染することは十分にあり得ます。鼻水や痰がのどに詰まりやすいため、呼吸が早くなります。

多呼吸になっている

息を吸い込むときに、胸がくぼむ場合は、新生児一過性多呼吸になっている可能性があります。呼吸の回数が多いにもかかわらず、きちんと息が吸えていない状態です。

鼻翼呼吸になっている

呼吸をする際に、鼻が膨らむのは、鼻翼呼吸といい呼吸が困難な状態になっているサインです。気道が塞がっている、また喘息が起きていることもあるので、病気を治療する必要があります。

赤ちゃんは鼻が小さく、肺での呼吸も上手くできないため、見ていて心配になるかもしれませんが、機嫌良く過ごしているならほとんどの場合はそれほど心配はいりません。ただし呼吸をしているときに苦しそうな顔をしている場合や、授乳が上手くできないときには、呼吸がきちんとできていない可能性がありますので、注意が必要です。

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赤ちゃんの異常な呼吸を見分けるポイント

赤ちゃんの呼吸が乱れても、それほど心配することはありません。ちょっとしたことで病院に連れて行くのも、大変ですが、重大な病気を見逃してしまうのも心配です。そこで赤ちゃんの異常な呼吸を見分けるポイントを詳しくご紹介します。

1.息が苦しそうにしている、のどが鳴っている

いつもの呼吸とは違い、呼吸をするのが辛そうな様子が見られる場合や、ゼイゼイと音がする呼吸をしている場合には、風邪や喘息を起こしている可能性があります。

2.咳き込む

不意に咳き込む場合は、気道に異物が入っていることがあります。ミルクが入り込んでいることでも咳き込むことがありますので、何度も咳き込むようなら異物を取り除く必要があります。

3.顔色が悪い

顔や唇が青ざめている場合は、チアノーゼが出ている可能性があります。血液中の酸素が不足していることから出る症状で、鼻づまりや泣きすぎて呼吸が上手くできないときにも起こります。

4.呼吸の回数が少ない

いつもより呼吸の回数が少ない、また呼吸をしていない時間が長いときにも注意が必要です。無呼吸の時間が短くても、顔色が悪くなっているときには体内で酸素が不足しています。

5.呼吸をすると肋骨の下やお腹がへこむ

呼吸が上手くできていないと、呼吸をするときに肺やお腹がへこんでしまいます。寝ているときにも呼吸の回数が多い場合などは、呼吸器に何らかの問題が生じている可能性があります。

これらの症状と共に、熱が下がらない状態が続くなど、いつもと違う様子が見られたときには、病院での診察が必要です。

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赤ちゃんの呼吸に異常が見られたら…?

赤ちゃんの呼吸がいつもと違う、息をするのが苦しそう…そんな異常に動転してしまいがちですが、落ち着いて対処をすれば、それほど重大な事態に発展しないこともあります。まずは自分でできることをしてみましょう。

落ち着かせる

激しく動いたときなどにも、呼吸が激しくなることがあります。一時的なものなので、背中を撫でたり軽く叩くなどして落ち着かせましょう。

痰などが詰まっていれば取り除く

痰以外のミルクなどが詰まっていることもあるので、まずは鼻水の吸引をし、背中をタッピングしてみましょう。自分で吐き出せることもあります。

小児救急電話相談で相談してみる

症状を伝えることで、あらかじめ小児科の先生や看護師に相談ができるサービスです。すぐに病院に行くべきか、様子を見るべきか、相談してみましょう。

赤ちゃんの呼吸は乱れがちなものですが、風邪や喘息の場合は症状が悪化すると大変です。そのため病院の診察を受けることも必要ですが、寝ている間に症状が落ち着くこともあります。お父さんやお母さんが落ち着いて、様子を見てあげると共に、冷静に判断することが必要です。