月齢で微妙に違う「自閉症」の赤ちゃんの特徴と、家族の対応

赤ちゃんを授かり無事出産。すくすく育つわが子を見ていて、ちょっと他の赤ちゃんと違うなと感じることがあると、不安になりますよね。赤ちゃんから幼児期の間は、成長の個人差はとても大きいので気にしないママもいます。ですが、やはり育児が初めてのママは、少しの事でも不安になり、「自閉症とかじゃないよね」という思いがよぎってしまいます。

自閉症に関しては正しい知識をもっておくことが大切です。月齢別で自閉症の赤ちゃんにはどんな特徴があるのかをご紹介いたします。また、自閉症と診断されたら、ママやパパはどんな対応をすればいいのかなども併せてご紹介します。

広告

自閉症とは?

「自閉症」と字にしてみてみると、心を閉ざしてしまう病のように思われがちですが、そうではありません。自閉症は発達障害の一つで、先天性のものです。男女比較すると、男性の方に多く見られる障害です。

対人関係における障害や、コミュニケーション能力における障害、さらに特定の物に関する興味や行動に対して異常なまでのこだわりがある、という3つの特徴があります。

自閉症はもともと脳の機能に障害をもっていることからくるものです。よく「親がテレビを見せすぎたから」「愛情不足」など、親の責任にする方がいますが、育った環境などが原因でおこるものではありません。

近年、自閉症の特徴などに関する情報はネットで簡単に収集することができるようになっています。このことから、自閉症を早期発見できるケースが増えてきました。少しでも早く子供の異変に気付き、専門的な治療や療育を受けさせてあげることが大切です。

月齢で微妙に違う「自閉症」の赤ちゃんの特徴と、家族の対応

月齢別自閉症の赤ちゃんの特徴

生後3カ月

生後間もない頃はぼんやりとしか見えていなかったママの顔もハッキリと見え、ママだけでなく、他の人や物もきちんとみえるようになります。目が合うと笑顔を見せてくれるようにもなる頃です。

この時期の自閉症の赤ちゃんは、授乳していても、抱っこしていても、目が合わないという特徴があります。目を見ると笑顔を見せてくれることも少ない傾向があります。

生後6カ月

これぐらいになると、自分の親と他人の区別がハッキリとつくようになり、人見知りも始まります。ですが、自閉症の赤ちゃんには人見知りというのがほとんどありません。誰にでも愛想がいいというわけではなく、誰に抱っこをされても、その人に対して興味を示すこともありません

また、じっとしていることができず、常に動きまわる多動という行動も見られます。ママに抱っこされていても、常に周りを見ていたり、ママを追いかけて後追いをすることもありません。

1歳

この頃は、まねっこ遊びなどでいろんなことを覚えていったり、言葉も出始める頃です。指さしをして自分の欲しい物を示したりといった行動も出始めるのですが、この指さしというのを自閉症の赤ちゃんはできない傾向にあります。自分でできないので、ママの手などをもって、物をとってもらおうとするような「クレーン現象」というものがみられます。

言葉も出てくることがなく、大人や他の子供の真似をするといった事もありません。また、異常に偏食気味な傾向にあります。ただ、この頃の赤ちゃんのほとんどは偏食気味にありますので、この点での判断はつけにくいといえます。

もう一つの特徴としては、なかなか寝てくれないというのがあります。これは自閉症による睡眠障害という症状で、月齢が進んでいるのにもかかわらず、いつまでたっても眠るという行為が苦手な傾向にあります。

2歳

言葉がなかなか出てこない子でも、この頃になると、少しずつ言葉らしきものがでてくるようになる頃です。自閉症などの発達に遅れがあると、この頃になっても言葉が出てこないこともあります。ただ、この時期の成長や発達の個人差はとても大きいので、言葉が出ないからと言って、発達障害だと決定することは難しいといえます。

この頃の自閉症の特徴としては、生活サイクルがルーティンでないことを非常に嫌がる傾向にあります。例えば、お風呂の後に夕食なのに、この順番が逆になったりするだけで、少しパニック状態になるお子様もいらっしゃいます。

また、いつも同じ遊びをずっと続けていたり、同じ年頃の子供への関心が非常に低く、キッズスペースや、サークルなどに参加をしても、他の子供とは関わることはく、一人で離れたところで遊んだりします

このように成長の段階で特徴があるのです。ただし、

・言葉が出ない
・偏食気味である
・同じ遊びを続ける

などは、赤ちゃんから幼児期にかけての発達の個人差が大きいこともあり、判断をつけるのは難しいケースが多いです。

広告

自閉症と診断されたらどう対応する?

自分の子供が自閉症と診断されたら、きっとショックを受けるママが多いのではないでしょうか。ですが、悲観的になってはいけません。ママが悪いわけでも、子供が悪いわけでもないのです。生まれ持っての脳の機能障害なので、ずっと付き合っていかなくてはいけないものですが、症状を改善することはできます。

自閉症には様々な特徴があり、その特徴に合った教育をさせてあげることが大切です。自閉症だと診断されたら、お住まいの保健センターや児童相談所などに足を運び、今後どのような方法で症状を改善させていくべきかを相談してみましょう。そういった機関に行きづらいという方もいるかもしれません。それなら、まずはいつもお世話になっている小児科に行ってみましょう。生まれた時から診てもらっている先生なら、こういった相談も比較的しやすいのではないでしょうか。

とにかく、大切なのは早期発見、早期療育です。そうすることで、他の子たちと変わらず同じように成長していくことができます。

月齢で微妙に違う「自閉症」の赤ちゃんの特徴と、家族の対応

不安を感じたらすぐに相談!

赤ちゃんの成長過程で不安を感じることはよくあると思います。多くのママは、「大丈夫そのうちできるようになる」ととらえるでしょう。自閉症の特徴は、成長と発達の個人差が大きい赤ちゃんから幼児期の間は、判断が難しいのが現実です。

自閉症は、少しでも早く気付いて療育させてあげることで、症状の改善が期待できます。ママがほんの少しでも不安や異変を感じたら、それが結果気にする必要がなかったことであったとしても、まずはすぐに小児科や専門機関に相談するようにしましょう。

わが子が自閉症だと診断されると責任を感じるママが多いのですが、それは違います。何度も言いますが、これは先天性のものなので、ママに責任はありません。誰のせいでもないのです。悲観的になったり、自分を責めたりするのはやめましょう。一人で悩まずに、周りの人に協力してもらいながら、お子様の成長をサポートしていってあげてください。