すぐかんしゃくを起こす、怒りっぽい、物を投げたりして手がつけられない…そんな怒りっぽい子供に振り回され、悩んでいるお母さんはたくさんいます。自分の感情が操れないことから、発達障害や自閉症かもしれない、と色々考えてしまうことも少なくありません。なぜ子供が怒りっぽくなるのか、その原因と共に対処方法について詳しくご紹介します。
子供が怒りっぽい状態になる理由
1.年齢的なタイミングによるもの
子供には怒りやすくなる時期があります。その最初が2歳ぐらいから始まるもの、そしてもう一つのタイミングが6歳頃です。
2歳頃から始まるかんしゃく
2歳ぐらいから子供の行動範囲、接する人が増え、世界が広がっていきます。ただし言葉はまだ十分ではなく、自分の気持ちを上手く伝えることができません。色々感情がこみ上げても、言葉にできない、分かってもらえないというもどかしさが、怒りとなって表に出るのです。
2歳から4歳ぐらいまで続くこの時期のかんしゃくは、5歳頃には治まることがほとんどです。
6歳頃から始まるかんしゃく
小学校に入学する時期に当たるこの頃には、環境が変わり、友達が増えるのと同時に、勉強や運動で評価され、他人と比べられるという経験をすることになります。そのため自信を失い、劣等感から怒りという方法でストレスを発散するようになります。
2.疲労や寝不足によるもの
眠たいときや疲れているときなど、子供は怒りっぽくなります。毎日の生活リズムを整え、夜更かしをしないようにする、また昼寝の時間をしっかり取る、昼寝の時間には外出をしないといったことも必要です。
3.空腹によるもの
お腹が空くと怒りっぽくなるのは子供も同じです。量が足りていないこともありますので、食事の時間を変えたり、量を増やすなど対応してみましょう。また外出するときに間食できるバナナなどをあらかじめ用意しておくのもいいでしょう。
4.性格によるもの
繊細で感受性が高い子供は、周りの色々なことに気がつきやすく、そのため自分の容量以上のことを受け止めてパニックになってしまい、怒りっぽくなってしまいます。すぐに手が出る、感情をぶつけることが多く、トラブルに発展しやすい性格ともいえますが、同時にそれだけ相手の気持ちが理解できる、思いやることができる性格でもあるといえます。
5.子供からのSOSのサイン
子供が怒りをぶつけてしまうのは、様々な感情が積み重なり、言葉ではなく怒りでしか表現できないためです。助けて欲しい、分かって欲しい、という自分の気持ちを受け止められないため怒りでしかそれを表現することができずにいる状態なのです。父親や母親に話を聞いてもらい、自分を受け止めてもらえると理解できれば、怒りの状態は落ち着きます。
6.発達障害や自閉症によるもの
発達障害や自閉症の子供は、こだわりが強く、思い込みが激しいといった特徴があります。いつもすぐ怒るから発達障害や自閉症なのでは?と最初から思い込むのは危険ですが、子供の怒りが激しい場合や、どう対応しても対処できないという場合には、専門家に診てもらい判断してもらう必要があります。
子供が怒りっぽい状態になった時の対処法
何をやっても「イヤ」といわれたり、怒って物を投げたり蹴ったり、といったことが何度も続くと一緒になって怒ってしまいたくなるもの。ただしそこで怒っても何も解決しません。まずは子供が怒り出したときに、どう対処すればいいのかをご紹介します。
怒りが治まるまでそばにいる
子供は自分が伝えたいことを上手く言葉にできず、かんしゃくを起こしています。そこで子供を叱りつけても、子供はさらにパニックになってしまうだけです。怒りが治まるまで、側についていましょう。そして落ち着いてきたら、改めてなぜ怒ったのかを子供の口から説明してもらうようにします。
話を聞くのは子供が落ち着いてから
怒り出しているときに話を聞こうとしても、子供もどう話せばいいのか分からない状態なので。落ち着いてからゆっくり怒った理由を聞くようにしましょう。
子供に接するときには対等に話す
子供に対して、「しなさい」「だめでしょ」といった威圧的な言い方をしないようにしましょう。「そうしてくれたらお母さん助かる」「お母さんに話してくれる?」と子供の方から歩みよってくれるよう、言い方を変えてみましょう。
子供のときに怒りっぽいと大人になっても変わらない?
子供の頃に、常に親に叱られていたり注意をされることで、抑圧を受け続けたことが原因となり、大人になって自分の感情がコントロールできなくなることがあります。
また逆に子供の頃から何をしても許され、叱られる経験がないまま育つと、周りが自分のいうことを聞いてくれないだけで怒り出す大人になってしまうこともあります。
どちらの場合も、大人の都合で振り回され、自分という個を認めてもらえなかったことが大きな原因です。子供の時期に起きるかんしゃくは、成長の過程でもありますが、この時期に親と子がきちんと向き合わないと、子供のまま大人になってしまう可能性があるということを覚えておきましょう。
怒りっぽい子供への普段からしたい対処方法
かんしゃくが始まった子供に対して、普段から子供への接し方にも注意しましょう。
親も怒らないようにする
子供が怒り出すタイミングは、忙しい朝だったり、親も疲れているときだったりして、一緒になって感情を爆発させてしまいがちです。子供が怒り出しても、大人は怒らないようにしましょう。
スキンシップを増やす
小学生ぐらいになると、恥ずかしがって嫌がるかもしれませんが、抱っこをしたりしっかり抱きしめるなどしてスキンシップをしていきましょう。
いつでも話を聞く
子供がストレスをため込まないよう、いつでも話を聞いてあげられるような体勢でいましょう。
自信をつけさせる
自分に自信を失っていると、何をやっても「できない」自分にイライラしたり、劣等感から怒りをぶつけてしまいます。そんな子供を見守りながら、些細なことでもできたことに対しては、しっかり褒めるようにしましょう。
時間をかけて付き合う
子供が自分に自信を持ち、自発的に行動するまでには、時間がかかります。その間にも思うように行かず、怒りをぶつけられることもあり得ます。子供が成長するためには、時間がかかるものだとおおらかにとらえて、見守っていくようにしましょう。
怒りでしか表現できなかった気持ちが、きちんと言葉に出していえるようになるまでは、時間がかかります。そんな成長を楽しみながら子育てしていきましょう。