赤ちゃんの成長はそれぞれ個人差があり、誰もが同じ時期に同じように動き始めるわけではありません。成長の目安としてハイハイやずりばいなどがその節目の行動となりますが、他の赤ちゃんができてうちの子はまだ、と不安になる必要はないのです。ただハイハイをすることで赤ちゃんの体や筋肉が鍛えられていきますので、何らかの原因でしない場合は、改善しかなければなりません。
そこで今回は、ハイハイについての詳しい知識と、ハイハイをさせるために周りができることについて詳しくご紹介します。
ハイハイを始めるのは何か月くらいから?
ハイハイは赤ちゃんが歩き始める前の段階で、生後8ヶ月前後から始める赤ちゃんが多いとされていますが、赤ちゃんの成長は段階を踏んで進んでいくので、必ずこの時期にハイハイを始めるというわけではありません。
ハイハイを始めるまでの赤ちゃんの動きの変化
寝返り
首がすわることで、横への移動ができるようになり、寝返りを始めます。下半身に力が入れられるようになりますが、寝返りをしない赤ちゃんもいます。
ずりばい
うつぶせの状態に慣れ、腕や足の力で好きな方向に動こうとするのがずりばいです。筋肉が発達していなかったり、足や手を同時に動かすことができないと、同じ場所をぐるぐる回ったりします。ハイハイをする前の段階ともいえます。このずりばいをせず、そのままハイハイを始める赤ちゃんもいます。
お座り
腰がすわり、支えなしでも上半身を支えることができるようになった状態です。手で上半身を支え、腰でバランスが取れるようになってくるので、ハイハイができるようになるまでもう少しです。
ハイハイは四つん這いになった状態から、手や足を動かして移動する動きです。体のバランスを取り、かつ体を支える筋肉が必要となるので、成長の段階がそこまで進んでいないとハイハイはできませんが、動こうとする様子が見られれば、時間はかかってもハイハイができるようになるので、見守るようにしましょう。
生後10ヶ月頃の発達チェックの一つとして、ハイハイができるかどうかを確認されますが生後11ヶ月や12ヶ月からハイハイを始める赤ちゃんもいますので、他の赤ちゃんと違っていても心配はありません。
ハイハイは赤ちゃんにどんな影響を与えるの?
ハイハイを始めることで、赤ちゃんにはどのような変化や影響があるのか、詳しくご紹介します。
一人歩きをするための体ができる段階
全身の筋肉を使うため、手足の筋肉が鍛えられます。手と足を同時に動かす動作がハイハイでできるようになることで、一人歩きができる準備が始まります。また手や足に刺激を受けることで、物を掴む力、足を踏ん張る力がつきます。
活動量が増えることで心肺機能が発達する
全身を使ってハイハイをすることで、血行が良くなり、さらに新しい環境や刺激を得ることができるので、脳が刺激されます。さらに体を支えることで筋肉だけでなく骨の成長にもつながります。
得られる情報が増える
両親などの助けがなければ移動ができなかった時とは違い、自分で動くことで様々な新しい情報を得ることができます。自分の意志が育まれ、自分の興味のある物に近づいて欲求を満たすといった体験を得られます。
生活のリズムができる
運動量が増えるため、食事や睡眠のサイクルが整っていきます。また視覚的な情報が増えるため、両親以外の人とふれあうことで社会性を伸ばす経験ができるようになります。
段階を踏んで運動能力が発達することで、体のあらゆる筋肉が鍛えられるというメリットがあります。体を支える骨が成長しなければ、立つことができても骨に負担がかかってしまうので、立ち上がる前のハイハイは必要なステップなのです。
子供がハイハイをしない原因
ハイハイは必ずしなければならないというわけではありませんが、自然な発達と赤ちゃんの好奇心を満たす経験として、できればできるようになってほしい動作です。つかまり立ちはできるのにハイハイはしない場合、何らかの原因でできる環境が整っていないとも考えられます。
お座りができていない
腰で体を支えることができない場合は、ハイハイができない状態です。支えなくてもお座りができる状態であれば、ハイハイができるのはもうすぐです。筋肉の発達には個人差があるので、お座りの姿勢を無理矢理にさせないようにしましょう。
筋肉が十分に発達していない
ハイハイは体を支える腰、腹筋や背筋、手足の筋肉やお尻の筋肉など、全身の筋肉をフル稼働する必要があります。赤ちゃんの成長も個人差があり、左手は強いのに右手は弱い、といったアンバランスな状態であることも考えられます。
興味や意欲が薄い
離れたおもちゃを取りたい、別の部屋にいるママの顔を見たい、そういった好奇心や興味、意欲があまり強くない場合、なかなかハイハイができないことがあります。
ハイハイができる環境がない
ある程度の広さがないと、動きたいという意欲がわかないことがあります。また動きにくい服を着ている時にも、ハイハイを妨げている可能性がありますので、上下が分かれた服を着せるといった工夫も必要です。
ハイハイをしなくても移動手段がある
抱っこをされたり歩行器などがあり、ハイハイをしなくても移動ができる場合、ハイハイをしないことがあります。
これ以外の原因として、股関節に何らかの問題が発生していることも考えられます。左右の足の長さが違う、また股を開くと音がするなど、異常を感じた場合は病院で診察を受けましょう。
ハイハイの促し方と環境の整え方
ハイハイは成長段階で経験させておきたい運動の一つです。赤ちゃんの方から興味をもって動いてくれるように、環境を整えましょう。
十分なスペースを確保する
ベッドや家具が密集していて、つかまり立ちができる環境だと、ハイハイをしないままになってしまいます。空間を広く取り、赤ちゃんが自分の思うように動けるようにしましょう。
床に物を置かない
ハイハイを始めても、床に物があったり、布団などがしきっぱなしだと怪我をしたり布団に頭から突っ込んでしまい、窒息などの危険があります。家具の角を保護し、赤ちゃんがぶつかっても怪我をしないようにしましょう。
一緒にハイハイの練習をする
横に並んでハイハイの前段階であるずりばいを一緒にやってみましょう。すぐにはできなくても、まねをしようとすることから体の色々な動きができるようになります。
離れた場所から呼んでみる、おもちゃを置く
赤ちゃんの興味を引く物をもって、離れた場所から呼んでみましょう。興味や好奇心をかき立てられることで、ハイハイへつながるきっかけとなります。
成長段階の一つであるハイハイは、赤ちゃんの個性や様々な要因からそのペースは様々です。なかなかハイハイをしないと不安になってしまうかもしれませんが、赤ちゃんのペースを見守り、してもしなくても焦らないようにしましょう。