幼児教育の現場で導入が増えている、「モンテッソーリ教育」とは?

子育てをしていると様々な場面で選択を迫られます。「子供にどのような教育を受けさせるか」もその選択の一つといえますね。しかし、いざ幼児教育について調べてみると、様々な方法や様々な考え方があることに衝撃を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
我が子にはどの教育法が合っているのか、親の責任は重大ですね。

今日は、数ある幼児教育の中の一つである「モンテッソーリ教育」についてご紹介します。

広告

 

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育とは、子供が自ら成長する力、発達する力を尊重し、先生は「子供に教える存在」ではなく、「子供を観察し、必要な環境に導いてあげる存在」として認識されます。

モンテッソーリ教育では、子供の発達段階に応じて、ある特定のことに対して敏感になる時期があることに着目し、子供の成長発達にはその敏感期を思う存分体験させてあげることが大切であると考えます。「敏感期」には運動に関するもの、感覚に関するもの、秩序に関するものなど様々なものがありますが、それぞれの敏感期が訪れる時期に差があるため、子供一人一人と向き合いながら、その子に最適の環境を与えてあげることが大事です。

幼児教育の現場で導入が増えている、「モンテッソーリ教育」とは?

 

モンテッソーリ教育の内容

モンテッソーリの教育内容は大きく5つに分けることが出来ます。

生活教育

子供が大人の真似をしたがる時期に大切にしたい教育です。水差しからコップに水を移したり、包丁で野菜を切ってみたり、それまで出来なかったことが出来るようになることで、子供の自主性や主体性を伸ばしてあげることが出来ます。

モンテッソーリ教育では、本物を使用することにこだわります。水差しであればプラスチック製ではなくガラス製を使います。本物を使用することによって、子供は丁寧に扱わないと割れてしまうということを体験から学ぶことが出来るのです。ただし、本物といっても全く大人が使用する物と同じものを使う訳ではありません。本物の素材を使用しながらも子供でも扱いやすいよう工夫された形や大きさのものを教材として準備してあげることがポイントです。

感覚教育

子供は日々、五感を使って沢山のことを学び取っています。小さい子供が音に敏感に反応したり、目にするものを次々に触って確かめてみたり、小さい子供が日常でしている行動は、大人から見ればイタズラにみえたり、無意味なものに見える行動でも、全て学びの行動といえます。

モンテッソーリ教育では、この五感を研ぎ澄ますには幼少期が重要と考えます。そのため、子供の五感に働きかける教具を使用し、子供の興味関心が沸きやすい手助けをするのです。

言語教育

自分の気持ちを表現する、自分の気持ちを相手に伝える言葉は、人間にとって大切なツールです。

モンテッソーリ教育では、子供が言葉について学ぶとき、名詞→形容詞→動詞の順で学んでいくと考え、その発達段階に応じたカードなどを使用し、言葉が読める、書けるだけでなく、そこにたどり着くまでの過程も大切と考えます。

算数教育

様々な敏感期を十分に体験した子供は、次に学びたい、知りたいという欲求が強くなります。

モンテッソーリ教育では、ビーズや算数棒などを使用し、まず体験するところから始め、徐々に足し算や引き算などに進んでいきます。実際に使って、感じて、学ぶことが大切だと考えるからです。

文化教育

様々な敏感期を経て、自分の力を自由に使いこなせるようになった子供は、更に広い世界へと探求心が広がっていきます。世界について、歴史について、文化について、生命について、子供の可能性は無限に広がっていくのです。

広告

 

子供にはどんな影響がある?

モンテッソーリ教育は、賢い子供を育てたり、英才教育を施すというよりは、生きるための力を養う教育という方がしっくりくるかもしれません。自分が興味関心をもった一つのことに関してじっくり取り組むことができるため、物事を順序立てて考える力や、集中して取り組む力や、最期までやり遂げる粘り強さを養うことが出来ます。

また、モンテッソーリ教育ではクラスを学年別に分けず、あらゆる学年の子供たちが一緒に過ごすスタイルですので、年上の子が年下の子に教えてあげたり、色んな学年の子と一緒に行動する経験から、豊かな人間関係の築き方を学んだり、助け合いの気持ちを養う効果もあります。

一方で、モンテッソーリ教育を受けた子供は、室内での教育がメインとなるため、運動能力があまり鍛えられないこと、自分で考えて行動する教育方針のため、マイペースで集団行動が苦手になることもあるのがデメリットといえるでしょう。しかし、これらのデメリットは家庭での努力で補えることが多く、それを差し引いても子供にとって魅力的な教育法の一つであることに間違いありません。

幼児教育の現場で導入が増えている、「モンテッソーリ教育」とは?

 

日本でモンテッソーリ教育を受けさせるには?

日本ではモンテッソーリ教育を受けられる教育機関は幼稚園や保育園に集中しており、小学生以降になるとモンテッソーリ教育を受けられる機関が激減します。自宅でもモンテッソーリ教育を実践することは可能なのですが、子供に最適な教具を揃えることを考えると、やはり専門の機関を利用した方が現実的です。子供にモンテッソーリ教育をと考えるのであれば、是非、保育園、幼稚園の入園時に検討することをお勧めします。