昔ながらの育児スタイルに見られがちな、おんぶひもを使ったおんぶ。抱っこが主流の中、今おんぶ育児が注目を集めています。おんぶをすることは、育児をするママだけでなく、それを手伝うパパや、赤ちゃんにとっても様々なメリットがあります。初めておんぶ育児をする時に注意したいことやおんぶひもの選び方などについて、詳しくご紹介します。
おんぶひもの基礎知識
おんぶひもは赤ちゃんを背負う時に使うひものことですが、昔ながらのおんぶひもは「へこ帯」と呼ばれる着物用の帯が使われていました。実際のへこ帯は絹などを使っていて、4,5mほどあります。高価な布地なので育児用に加工されたものが一般的に使われています。
おんぶひもは手作りもできます。さらしをカットしておんぶひもとして使う方法もありますが、滑りにくくおんぶをした時に赤ちゃんが痛がることもあります。昔使っていたおんぶひもを譲りうけることもあるかもしれませんが、布が古くなっていると切れる可能性もありますので、注意が必要です。
育児用におんぶがしやすいよう、ベルトを結ぶタイプや、成長に合わせて調節しやすいひもを結ぶおんぶひもの他、抱っことおんぶどちらでも使うことができるおんぶひもなど、様々な種類のおんぶひもが育児メーカーから販売されていますので、自分の使いやすさや赤ちゃんの体型に合わせて選びましょう。
おんぶ育児のメリット
おんぶ育児のメリットは、育児をするママとパパ、そして赤ちゃんそれぞれにあります。
ママとパパのメリット
1.育児にかかる負担が減る
抱っこの場合、肩で赤ちゃんを支えることになりますが、おんぶの場合、背中でも赤ちゃんを支えることができるので、長時間赤ちゃんを支えることができます。
2.両手があく
おんぶの場合、両手があくので家事をしながら赤ちゃんと一緒に過ごすことができます。買い物や料理もできますので、パパもおんぶをしながらママを助けることができます。
赤ちゃんのメリット
3.ママやパパと一体感を感じられる
おんぶだと赤ちゃんの顔が見られませんが、赤ちゃんはママやパパの視点と同じ位置で見ることができ、ママやパパのすることを疑似体験したり、またごっこ遊びにもつながります。
4.好奇心旺盛になる
おんぶをされることで、赤ちゃんの視界が広がるので、赤ちゃんは色々なものを見ることができ、好奇心を刺激されます。これは赤ちゃんの脳の刺激にもなります。
5.バランス感覚や体幹が鍛えられる
抱っこと違い、おんぶの場合は赤ちゃんが自分で体を支える必要があるのでバランス感覚が鍛えられます。
抱っこよりもおんぶの方が密着できるので、赤ちゃんとの一体感を感じられるメリットもあります。
おんぶ育児のデメリット
メリットも多いおんぶ育児ですが、デメリットもあることを覚えておきましょう。
おんぶは抱っこより難しい
慣れないうちはすぐにおぶうことができなかったり、落としてしまわないか心配になることも多く、抱っこの方が楽に感じられます。またおんぶひもで胸が強調されるので、恥ずかしく感じることもあります。おんぶひもも色々な種類のものがありますので、胸の前で紐を結ばないタイプのものを選ぶといいでしょう。
赤ちゃんの様子が見えない
背中にいる赤ちゃんが何をしているか、表情が見えないので寝ていても気がつかないこともがあります。そのため頭が後ろに傾いたままになったりすると、ぶつけるといった事故につながりかねません。
頭が傾いてしまわないよう、背もたれや頭を支えるホルダー付きのものを選ぶといいでしょう。またおんぶをする時には、背中に赤ちゃんがいることを常に意識して行動することを心掛けましょう。
おんぶ育児で注意したいこと
おんぶ育児は育児の負担を軽くしますが、しっかりおんぶひもで支えないと頭が大きく揺さぶられることが続き、「揺さぶられっ子症候群」になってしまうことがあります。これは、乳児の体を大きく揺することで網膜出血などを起こすことをいいます。
頭と腰が支えられていれば問題はないのですが、おんぶひもでしっかり支えられていない、またゆるんでいることに気がつかないと病気だけでなく事故にもつながります。
さらにママやパパが楽だからという理由で長時間おんぶすることは、かえって赤ちゃんの行動範囲を狭めることもありますので、おんぶしすぎないことも必要です。おんぶは赤ちゃんの首と腰にも負担がかかりますので、ママやパパ、赤ちゃんそれぞれに負担にならないようおんぶを取り入れていきましょう。
おんぶひもの選び方
おんぶひもには様々な種類のものがありますが、選ぶ時のポイントをご紹介します。
おんぶひもを選ぶポイント
安全に使えるもの
赤ちゃんの体や頭を支えてくれるサポート付きのものや、落下防止機能が付いたものを選びましょう。
着脱しやすいもの
昔ながらのおんぶひもは、慣れないと付けるのに時間がかかります。すぐにおぶえるように使いやすいものを選ぶといいでしょう。また持ち運びしやすい折りたたみ式のものもおすすめです。
体に負担がかからないもの
長時間おぶっても肩や腰が痛くならないものを選びましょう。ただし商品によっては、おんぶした時に赤ちゃんの位置が低くなり、おんぶ育児の効果が得られないものもありますので、注意が必要です。
また赤ちゃんは汗をかきやすいので、通気性のよいものや肌に刺激にならない素材のものを選ぶようにしてあげてください。ママやパパの体型によっても、選ぶおんぶひもは違ってきますので、実際に付けてみて選ぶようにするといいでしょう。