両親がアトピー体質。赤ちゃんへの遺伝を阻止する方法

かゆみで夜眠らない、食べる物が制限されるなど、アトピー体質で悩むことが多いと、妊娠して自分の子供ができた時に、子供にもそのアトピーが引き継がれてしまったらどうしよう、と考えてしまいます。子供に遺伝する、と周りから話を聞いて不安になっているということもあるのではないでしょうか。アトピー体質は遺伝するのか、またその場合対策はどうしたらいいのか、詳しくご紹介します

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アトピー体質は遺伝する?

両親がアトピーである、もしくはどちらかがアトピーであった場合、子供がアトピーになる可能性は高いとされています。そのため必ず遺伝すると思われがちですが、遺伝だけが原因ではないのです。

アトピーの素因があったとしても、一生発症しないままの人もいますし、祖父や祖母にアレルギーがあり、それが遺伝する、また家族や親族などにアレルギー体質の人がいないにも関わらず、アトピーになる子供もいます。

厚生労働省のデータによると、両親ともにアトピー体質であった場合は7割、片方がアトピー体質の場合は5割の確率で遺伝するとされています。また兄や姉がアトピーだった場合、弟や妹がアトピーになる可能性は5割となっています。しかし全くアトピーやアレルギーの体質がない夫婦の子供でも可能性は2割あります。

アトピーなどのアレルギー発症原因については、明確にはされていません。環境や食べ物、生活習慣など様々な要因が組み合わさって発症するものなので、子供がアトピーになるかもしれない、と生まれる前から心配しても仕方がないともいえます。

同時に妊娠中からアトピーになりにくい環境を作り、対策をすることでアトピーを発症しにくくすることは可能です。アトピーを阻止するためにもその方法についてしっかり把握しておきましょう。

両親がアトピー体質。赤ちゃんへの遺伝を阻止する方法

アトピー体質の遺伝を阻止する方法~妊娠中~

妊娠中には特に食生活に注意が必要です。アレルゲンとなる食品については、妊娠中は摂取しない方がいいといった説もありましたが、アレルゲンを除去した食事制限は、アトピーの発症には効果がないとされる研究結果が発表されています。

逆に食事を制限することで、お母さんや赤ちゃんにとって必要な栄養分が不足してしまい、赤ちゃんが平均体重より小さく産まれる可能性が指摘されています。そのため、妊娠中にはバランス食を意識しましょう。

妊娠中に注意したい食生活

・偏った食事は避ける
・油を多く使った食事は避ける
・肉よりも魚を中心とした食事をする
・腸内環境を整えるために乳酸菌を積極的に摂る

アトピーの人は胃腸が弱い人が多く、腸内環境が良くないこともアレルギーの原因となることが考えられます。乳酸菌を多く含むヨーグルトやサプリメントを取り入れるといいでしょう

ただし腸内環境はそれまでの食習慣なども大きく影響しますので、栄養バランスの取れた食事を心掛け、食物繊維などを摂取して長期的に改善していくことが必要です。

また食生活だけでなく、ストレスをためない生活を心掛けることも必要です。妊娠中は免疫力が低下しますので、睡眠不足や不規則な生活、また疲労などをためないことも、アトピーを予防することにつながります。

薬が必要となる場合は、神経質にならず、担当の先生と相談しながら安全なものを飲用すれば問題ありません。

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アトピー体質の遺伝を阻止する方法~出産後~

アトピー性皮膚炎の原因として、乾燥肌が原因となるという研究結果が出ています。また生まれたばかりの赤ちゃんは皮膚が薄く、乾燥すると雑菌が入りやすくなります。そのため生まれた時から保湿に気をつけることで、アトピーの発症率を下げることができます

お風呂上がりはしっかりと保湿剤を塗り、肌を乾燥させないことが大切です。また肌を清潔に保つためにも、洗浄力の弱い石けんを使い、柔らかいガーゼなどを使って優しく洗うことが必要です。

特に汗をかきやすい夏場は、しっかりと洗いたくなりますが、清潔なガーゼなどで小まめに汗を拭くようにし、お風呂で洗いすぎないことも必要です。お風呂上がりにはすぐに保湿剤をしっかり塗り、乾燥を防ぎましょう。保湿剤も刺激の少ない赤ちゃん用のものを使用することが大切です

子供が成長すると共に、肌もだんだんと丈夫になっていき、アトピー性皮膚炎の原因も成長と共に完治することがほとんどです。悪化させないためにも、肌の保湿を大人がしっかりしてあげるようにしましょう。

両親がアトピー体質。赤ちゃんへの遺伝を阻止する方法

アトピーを予防するために環境も整えておこう

アトピーを予防するためには、アトピーの原因となる環境因子を取り除くことも必要です。

部屋の掃除を毎日する

ホコリやダニがアレルゲンとなりますので、カーペットを避ける、毎日掃除機をかける、カーテンの洗濯もまめにすることが必要です。空気清浄機を使い、部屋の換気もしっかりおこないましょう。

シーツやカバーは常に清潔に

直接肌に触れるものは、まめに交換して洗濯をしっかりすることも必要です。タオルは常にきれいなものを使うようにしましょう。洗剤を刺激の少ない酸素系のものに変えるのも有効です。

入浴時にはお湯の温度にも注意する

熱いお湯は乾燥を招きますので、温めのお湯を使うようにしましょう。また刺激の少ない石けんやボディーソープを使いましょう。

大人の食事にも注意する

母乳を与える場合は、お母さんの食事も影響します。妊娠中と同じく、栄養バランスの取れた食事をするようにしましょう。

アトピーのことを心配するあまり、それがストレスとなって体の抵抗力を弱める原因になることがあります。神経質になりすぎず、大人になったら治るものなのだと大らかに受け止めて過ごすことも大切です