眠っている子供って可愛いですね。そんな小さな子供の口からいびきを聞いたことはありませんか?いびきは大人がかくものというイメージが強いですが、小さな子供でも大人同様にいびきをかくこともあります。
小さな子供のいびきの原因は何なのでしょうか?何か病気が潜んでいるのでは?と心配になってしまうこともありますね。そこで今回は、小さな子供がいびきをかく理由をご紹介いたします。
そもそも「いびき」とは?
そもそもいびきとは何なのでしょうか?
いびきとは眠っている間の呼吸の雑音をいいます。大きさ・連続性は人によって差が出るものの、同じ人でも体調や寝ているときの寝姿勢、枕の高さで違いがでてきます。同じ人だからといって毎日同じいびきをかくわけではありません。
いびきの原因は上気道が狭くなるからです。上気道とは空気が通る道のことで、狭くなってしまったところを通る時、空気抵抗が大きくなって粘膜を振動させます。この粘膜の振動によって出る音がいびきです。
いびきには病気が潜んでいるケースもあるので、甘く考えるのはNGですが、上気道が細くなる原因のほとんどが寝ているときの姿勢に問題があります。仰向けで寝ると舌の付け根が重力で下がって上気道が狭くなるとされています。
座った状態でうとうとしているときは、このような現象が起きないため、いびきをかきやすい方でもかかないことがほとんどです。
子供がいびきをかく原因と症状
いびきをかく原因は、睡眠中に上気道が狭くなるからです。子供の場合も原因は同じなのでしょうか?
「寝る子は育つ」ともいわれるように、子供にとって睡眠はとても大切です。良質な睡眠をとることで成長ホルモンが分泌され、体だけではなく心も成長していきます。
子供のいびきは大人のいびきよりもさらに注意が必要です。
アデノイド肥大
子供のいびきの原因のひとつがアデノイド肥大です。アデノイドとは鼻の奥から喉の奥にある器官で、咽頭扁桃ともいいます。この器官が大きくなってしまう病気です。
これは大人には見られない子供特有のもので、なぜ肥大化するのかははっきりわかっていません。
アデノイドが肥大化することによって、上気道を狭くしいびきをかくのです。
扁桃肥大
もうひとつの原因が扁桃肥大です。扁桃とは口蓋扁桃ともいわれる器官で、喉の両側にあります。この部分は大人でも腫れて高熱を出すことがありますね。ここが肥大化することで、上気道が狭くなりいびきをかきます。
鼻づまり
小さな子供は鼻をつまらせることが多く、耳鼻科通いがやめられないという悩みを抱えた親御さんも多いのではないでしょうか?
鼻づまりの原因は風邪や、アレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症などが考えられますが、鼻がつまるとどうしても口で呼吸することになり、いびきをかいてしまうのです。
鼻中隔彎曲症は鼻腔を左右に分ける部分が曲がり、ニオイが認識できなくなったり、口呼吸やいびきを引き起こします。
子供と別室で眠っていたり、親御さんも寝ている間にいびきをかかれてしまうと、大切な病気のサインに気づかないこともあります。日中に出る症状を見逃さないようにしましょう。
夜寝ているときにいびきをかいていると、
・日中にボーっとする
・口呼吸をしている
・落ち着きがなくなる
などの症状が出ます。
一緒に寝ていていびきが気になるときには、いびきや寝姿勢などをチェックしましょう。
・寝相が悪い
・大人顔負けの激しいいびきをかく
・息を吸うときに胸が陥没する
子供のいびきに気づいたら?
子供のいびきに気づいたら、耳鼻科や小児科を受診しましょう。
子供のいびきは、発育や脳、運動能力、精神面にも大きな影響があることがわかっています。良質な睡眠がとれないと、いびきをかかない子供に比べて2倍もの学力低下リスクがあることがドイツとオーストラリアの共同調査で分かっています。
これは成長してからの学業にも大きな影響があるといわれています。
また精神面の影響ではちょっとしたことでイライラしやすくなったりなど、精神的に不安定になりやすいのです。そのためお友達との関係性にも影響が出ることもあります。
いびきを放置することは良くありません。しっかりとした治療を受けさせてあげてください。
子供のいびきの治療法は?
子供のいびきは子供の発育に大きな影響を与えます。そのためしっかり治療をすることが大切です。
治療法には手術と保存治療の2つがあります。
アデノイド肥大や扁桃肥大など、物理的に上気道をふさいでしまう場合は、手術によって原因そのものを切除します。手術は全身麻酔で、約1週間ほど入院します。
保存治療は薬の服用による治療です。アレルギー性鼻炎やアデノイド肥大に対して効果のある薬を服用することによって治療していきます。保存治療による改善は個人差があり、薬の服用をしてもあまり大きな効果が得られないこともあります。また長期的な治療が必要となります。
「たかかいびき」と放置していると、子供の成長に悪影響を与えることがあります。子供のいびきや日中の「あれ?」というような症状に気づいたら、できるだけ早く耳鼻科や小児科を受診しましょう。