赤ちゃんの寝相が悪い理由と注意点

赤ちゃんはびっくりするほど寝相が悪く、朝起きて驚いたという経験をしたお母さんも多いのではないでしょうか。赤ちゃんは大人の私たち以上に寝相が悪く、寝ている間にも体を激しく動かしています。

もちろんそれには理由があり、けっして悪いことではありません。ただし布団を蹴飛ばして寝ていては、寝冷えなどが心配です。そこで赤ちゃんの寝相の理由と、それに合わせた対策について、詳しくご紹介します。

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赤ちゃんの寝相が悪くなる理由

基本的に寝ている時には体がリラックスしており、基本的な仰向けやうつ伏せの他に、胎児のように丸まって寝るなど、本人が一番楽な姿勢で寝ていることがほとんどです。

しかし赤ちゃんの時には、一般的に悪い寝相とされる形で寝ていることが多く、布団をはいでしまう、ベッドから落ちる、違う場所で寝ているといったことが多く見られます。びっくりするような姿勢で寝ていることも多いのですが、それにはちゃんと理由があります。

赤ちゃんの時は浅い眠りが多い

睡眠時には、眠りが浅い状態のレム睡眠と逆に深い眠りについているノンレム睡眠を繰り返しています。大人になる寝とている間の20%ほどレム睡眠をしていますが、赤ちゃんは50%ほどといわれています。レム睡眠の時に、昼間の行動や記憶を脳に定着させているため、色々なことを吸収する時期である赤ちゃんは、寝ている状態でも体が活発に動いてしまいます。

1日に寝ている時間が長い

赤ちゃんは1日寝ています。生後3ヶ月ぐらいまでは、体内時計がまだきちんと機能していないので、細切れの睡眠を繰り返していますが、生後4ヶ月を過ぎると、体内時計が発達してくるため、まとまった時間寝るようになります。1日14時間ほど寝るため、寝返りをうつことが多く、寝相も悪くなります。

寝ている環境

赤ちゃんは体温が高く、さらに寝ている時に分泌される成長ホルモンによって皮膚の温度が上がってしまうため、体が熱くなってしまいます。そのため布団や毛布をはねのけて寝てしまうのです。

昼間の練習をしている

寝ている間に、体が覚えたことを脳に書き込んでいくため、寝ながら体を動かしています。そのためそれが寝相の悪さとなって現れます。

つまり赤ちゃんの寝相の悪さは、成長していく過程で必要なものだといえるのですが、布団をはいで寝てしまうと寝冷えが心配ですし、ベッドなどから落ちると怪我なども心配です。やはり寝相は治した方がいいのか考えてしまうのではないでしょうか。ただし赤ちゃんの寝相は悪いことばかりではありません。

赤ちゃんの寝相が悪い理由と注意点

赤ちゃんの寝相が悪いのは悪いことではない

赤ちゃんの寝相が悪いのは、赤ちゃんが成長するにあたって必要な行動です。赤ちゃんは毎日色々なことを経験し、体に覚え込ませていくことで成長していきます。

赤ちゃんの寝相が及ぼす影響

・昼間の行動の復習をして体に覚えさせる
・寝返りをうつ練習
・寝返りをうつことで体のゆがみを直す

特に長い時間寝ていることが多い赤ちゃんは、体の温度調節をしながら、日中動かしてゆがんだ体を元に戻すために動き回っているのです。びっくりするような寝相の時には、大丈夫なのかと心配になってしまいますが、赤ちゃんの間にはごく当たり前のものとして考えていいでしょう。

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赤ちゃんの悪い寝相への注意点

ただし寝相が悪いと分かっていても、まだ上手く体が動かせない低月齢の場合などは、毛布に顔が埋まって呼吸ができなくなるといった事態になることもありえます。寝相が悪いということを前提に、対応することが必要となります。

1.寝冷えさせない

布団をはねのけてしまうのは、体温が高くなるためですが寝冷えが心配です。体温が高くなることを見越して、布団は少なくする、お腹や背中が冷えないようにロンパースやスリーパーを着せるといいでしょう。

2.怪我をさせない

ベビーベッドの柵にぶつからないように周囲をベッドガードで覆う、また布団で寝る場合にはクッションや座布団で寝返りしそうなところをカバーするといいでしょう。

3.事故を防ぐ

ベビーベッドは必ずベッドガードをして柵を閉める、大人用のベッドやソファーで寝かせないなど転がり落ちないように事故防止を心がけることも大切です。また赤ちゃんが寝る場所には、ぶつかって怪我をするようなものは置かない、大人用の布団や毛布で赤ちゃんの呼吸を妨げないように寝る場所を広く取るといった工夫も必要です。

寝返りができるようになると、寝相が悪くなっていき、成長と共に寝相もだんだんダイナミックになっていきます。小学生や中学生まで寝相の悪さは続きますが、成長の過程ですから無理に矯正をしたり、寝返りがうちにくい環境にすることはやめましょう。

赤ちゃんの寝相が悪い理由と注意点

赤ちゃんの寝相だけでなく様子にも注意

赤ちゃんは成長途中であるため、体の器官がまだ未発達です。そのため、寝相が悪い時には不調が隠されている場合もあります。

体調が悪い時

体の痛みがある時など、寝返りをうつことで痛みを紛らわそうとします。赤ちゃんは言葉で伝えることができないので、寝返りを何度もうちながら泣いたりぐずったりということをしているようなら、病院で見てもらうようにしましょう。

睡眠障害を起こしている

のどが腫れて呼吸が上手くできないことで、睡眠時無呼吸症候群などを起こし、寝相が悪くなることがあります。赤ちゃんの体はまだ未熟なため、扁桃腺が腫れて呼吸が上手くできなくなることが原因です。

寝相が悪いだけでなく、普段と違う様子が見られる、機嫌が良くない、ぐずっているといったことに加え、食欲がないなど普段と様子が違う場合には、注意が必要です。