子供の心を育てる情操教育。情操教育とは子供の心を豊かにするための教育です。最近では心が痛くなるようなニュースが多いので、余計に「情操教育をしっかりしないと」と考える親御さんも増えてきているようです。情操教育はいつごろから始めるのがベストなのか、どんな方法があるのか難しいことが多いですね。今回は情操教育の効果ややり方、ポイントなどをご紹介していきたいと思います。
「情操教育」とは?
情操教育とは、子供の心を豊かにするための教育です。
単に知識を詰め込むような教育ではなく、いろいろなものに触れ、興味を持ち、自発的に考えるように導くことが大切なのです。
情操教育は、「科学的情操教育」「道徳的情操教育」「美的情操教育」「宗教的情操教育」の4つに分類されます。
科学的情操教育
物事を観察し、「なんで?」「どうして?」と疑問を持って考え、物事の真理を追求しようとするもの。
自分で考えようとする気持ちを育てる教育です。
道徳的情操教育
例えば「困っている人を助けたい」「泣いているお友達を慰めたい」といったような善悪の「善」を追求しようとするもの。
社会生活において必要不可欠な、道徳心を養う教育です。
美的情操教育
美しいもの、例えば花や景色などを見て、きれいだと思える心のこと。
芸術を通して、豊かな感情を育てる教育です。
宗教的情操教育
神様や仏様などを通して、命を大切にする心を育てるための教育です。
情操教育とは、これら4つのものを伸ばしていくための教育です。
情操教育を取り入れているスクールに通わなくても、家庭でも十分に行うことができます。
情操教育の効果
現代社会では、必要なものはすべて揃っている非常に便利な世の中です。
子供も自分が要求しなくても様々なものが与えられるので、自分の欲求を簡単に満たすことができます。
これは子供が自分で考えて行動する機会を奪うことになります。
そのため、社会性や協調性、想像力、思考力などが、育ちにくい環境といえます。
情操教育を行うと様々な効果が期待できます。
いろいろなものに触れて感動したり、思いやりの心をもって他人に接するといったことで、心身ともにバランスが取れた人間へと成長していきます。
情操教育の方法とポイント
「三つ子の魂百まで」ということわざもあるように、情操教育は3歳までの幼児期がベストです。
3歳くらいまでの時期は、人間が急成長する時期で、長い人生の土台を作る時期です。
具体的なやり方をご紹介しましょう。
絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせは、子供を夜寝かせるときや、子供に「読んで」とせがまれたときなど、取り入れている方も多いのではないでしょうか。
絵本の読み聞かせは、お話を聞いてそのシーンを想像したり、登場人物に感情移入をしたりするなど、情感を豊かにしてくれます。
できるだけたくさんの絵本を読んであげましょう。
音楽を聴く
音楽は歌詞のあるもの、メロディだけのものなどさまざまありますが、歌詞のあるものは言語能力を発達させ、想像力を豊かにしてくれます。
また、美的感性も育てられるので、ぜひ取り入れたいものです。
絵を描く
子供はお絵かきが大好きですが、お絵かきも情操教育の方法のひとつです。
絵を描くことで自分を表現し、相手を知ることにもなります。
知的好奇心を育てることができます。
体を動かす
体の健康があってこそ、心も健康でいられます。
つまり健全な心を育てるためには、体を動かして健康な体を作ることが大切なのです。
宗教行事に参加する
「無宗教だ」という方でも、お盆に先祖のお墓参りをしたり、初詣に出かけたり、親類の法事などに参加することはあると思います。
小さい子供は邪魔になるからといって、大人だけで参加せず、ぜひ子供も一緒に参加させましょう。
こういった行事に参加すると、自分の命だけではなく他人の命の大切さを学ぶきっかけになります。
ペットの世話をさせる
ペットにエサをやったり、一緒に遊んだり、小屋を掃除したりというペットのお世話の経験は、命の大切さを学べるためおすすめです。
責任感も生まれますし、「アニマルセラピー効果」もあります。
住宅事情やアレルギーなどで動物が飼えない場合は、ガーデニングで花のお世話をさせるのもおすすめです。
自然に触れる
山や川、海などの自然に触れることは、小さな虫や生き物に触れるということです。
自然や生き物に対する愛情を育てることができます。
これら7つ以外にも、子供がワクワクして興味を持つものすべてが、情操教育の材料となります。
ご紹介したものだけにこだわらず、子供が興味を持つものを取り入れてあげましょう。
情操教育を行うときの大切なポイントは、親が先走らずに子供主体にすることです。
子供の意思を尊重することがもっとも大切です。
3歳からでも間に合う!
3歳までに始めたい情操教育。
「3歳を過ぎてしまったらもう手遅れ?」と思う親御さんもいるかもしれませんが、脳がなんでも吸収してくれる「臨界期」は5歳までといわれています。
そのため、3歳を過ぎてしまっていても、小学校入学までにいろいろな経験を通して、五感を育むことが大切です。
情操教育はどんな大人に成長するかを左右するといっても過言ではないほど大切なものです。
スポンジのようにぐんぐんどんなことでも吸収する時期を逃さないようにしてあげましょう。