赤ちゃんの口呼吸を治す方法

赤ちゃんは生まれた時には口呼吸ができないので、鼻呼吸をしています。成長すると口呼吸ができるようになるのですが、この時に口呼吸をするくせがついてしまうと、なかなか鼻呼吸ができなくなり、様々な弊害が起きるだけでなく、成長してからも影響を与えてしまいます。デメリットしかないといわれる赤ちゃんの口呼吸を治す方法をご紹介します。

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なぜ赤ちゃんは口呼吸になる?

元々人間は鼻呼吸が基本で、赤ちゃんも生まれた時からそうしています。これはまだ呼吸をするために必要な肺を守る胸郭が十分に発達していないため、呼吸は腹式呼吸しかできません。そのため鼻呼吸しか行えないのです。

さらに吸う時に口を使いますので、鼻で呼吸をするしか方法がありません。つまり口呼吸は赤ちゃんが成長し、口を使うようになるとできるようになっていきます。

ただ赤ちゃんの時には、新陳代謝が活発におこなわれるため、呼吸の数が大人よりもずっと多くなります。さらに離乳食などで口を使うようになると、口でも息が吸えるようになるため鼻呼吸と同時に口呼吸をする機会も増えていくのです。

そういった成長の過程に加え、風邪で鼻が詰まるといったことが続くと、口で呼吸することが楽になってしまい、口呼吸のくせがついてしまいます。そうなると鼻呼吸ができるようになっても口呼吸をするようになり、成長してもそのまま口呼吸をすることが習慣として身についてしまうのです。

その他の原因として、上の前歯が前に出ているために口を閉じることができず、口呼吸になっていることもあります。

赤ちゃんの口呼吸を治す方法

赤ちゃんが口呼吸することのデメリット

赤ちゃんの口呼吸には、デメリットしかないといわれます。

1.免疫力が低下する

空気中には様々なウイルスや菌が浮遊していて、私たちの体に侵入しようとします。その主な侵入経路は鼻や口です。ただし鼻には粘膜があり、ウイルスや菌をブロックし、くしゃみなどで吹き飛ばす防衛機能が働きます。一方口はそういった防衛機能がないため、吸い込んだ外気はそのまま体に入り込み、病気を引き起こしてしまうのです。口呼吸だと風邪を引きやすいだけでなく、繰り返すために体の抵抗力が低下してしまいます。

2.虫歯ができやすくなる

口呼吸をしていると、口の中が乾燥しやすくなるため、唾液の量が少なくなってしまいます。唾液は口の中の汚れを洗い流し、歯の修復にも関わるため、唾液が少ないと虫歯菌が優勢になり、虫歯になりやすくなります。また着色汚れも進行してしまいます。

3.口の中が乾燥する

口呼吸をすると外気が冷えたまま体に入り込むので、のどを乾燥させてしまいます。加湿が不十分なことから病原菌や雑菌が増えやすくなり、口内炎ができたり扁桃腺が腫れたりといった口やのどのトラブルが起きやすくなります。また口臭の原因にもなります。

4.歯並びが悪くなる

常に口が開いている状態なので、あごの成長が悪くなるため歯の生えるスペースが狭められてしまい、歯並びが悪くなるだけでなく、出っ歯になったり受け口になりやすくなります。受け口は顔の作りにも影響を与えてしまいます。

5.顔の筋肉がたるむ

口を閉じるためには口周りの筋肉が必要ですが、口呼吸をしていると筋肉を使わなくなってしまいます。そのため顔全体の肉がたるんでしまいます。また二重あごやしゃくれあごなどにもなりやすくなります。

6.上手くしゃべれなくなる

鼻呼吸をしている時には、舌が上あごについているのですが、口呼吸をしていると舌に力を入れることがなくなるので、舌が上手く動かず滑舌が悪くなってしまいます。

7.味覚障害が起きる

口呼吸をしていると、舌や口が乾いてドライマウスの状態になります。そうなると舌の表面にある味を感じる細胞である味蕾の働きが低下し、味覚障害になる可能性があります。

8.睡眠時無呼吸症候群の原因になる

口呼吸が習慣になると、舌がいつも口の舌にあるため、寝ている時に気道を塞ぎ、呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群になる可能性があります。

口呼吸の習慣が身についてしまうと、大人になってもぽかんと口を開けることが多くなり、見た目にもだらしなく見えるだけでなく、顔がぼんやりした輪郭になってしまうなど口呼吸にはデメリットが多いのです。そのため、赤ちゃんの時から鼻呼吸をする訓練が必要です。

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赤ちゃんの口呼吸を治す方法

赤ちゃんの時には、まだ自分で鼻呼吸と口呼吸を使い分けることができません。離乳食も上手に食べられませんので、食べながら口で息をすることに慣れてしまう可能性もあります。赤ちゃんの口呼吸を治すために、できることから少しずつやっていきましょう。

おしゃぶりを使う

おしゃぶりは歯並びが悪くなるという話もありますが、口を使わせないようにするためには有効な方法です。歯並びのために赤ちゃんの月齢にあったものを選びましょう。

グッズを使う

口を開けないようにするテープや、鼻孔を広げるテープを使って改善する方法があります。ただし赤ちゃんの場合テープを使うよりも、寝ている時に口を閉じてあげるだけでも効果があります。

赤ちゃんの口呼吸を治す方法

赤ちゃんが風邪を引いた時の対処法で口呼吸を予防する

赤ちゃんは口呼吸をするようになると、鼻づまりになりやすく、それが口呼吸を招くという悪循環になりがちです。赤ちゃんの鼻が詰まるのは、体の中の免疫の力なので無理に薬で治す必要はありませんが、長引くと呼吸をすることが辛くなるため、口呼吸になりがちです。

赤ちゃんが風邪を引いた時には、こまめに鼻水を吸引し、部屋の湿度を保つなどして、鼻づまりを早く治すために手助けをしてあげましょう。鼻づまりがなかなか改善しない場合は、耳鼻科で点鼻薬を処方してもらい、鼻の通りをよくする方法もあります。

普段の生活に加え、病気の時にもなるべく口呼吸をせず鼻呼吸ができるように習慣づけて改善していくようにしましょう。