妊娠初期のつわりがなくなり、
流産のリスクも減ってくると
多くの妊婦さんがホッとするのではないでしょうか。
ですが、体調が良くなって流産のリスクが減ったとしても
まだまだ安心することはできません。
なぜなら早産という心配があるからです。
早産は誰もがそのリスクを持っています。
でも赤ちゃんのためには、1日でも長くおなかの中で
成長させてあげたいものです。
そんな誰しもが持っているリスク、早産についてまとめました。
早産とは
早産とは妊娠22週~37週未満に出産することです。
早産した場合、赤ちゃんが小さいながらも元気な場合と、
残念ながら死亡している場合もあります。
残念ながら死亡している場合は、早産ではなく死産となります。
早産で生まれた赤ちゃんは、基本的に新生児集中治療室での
治療が必要となります。
早産は妊婦さん側に原因があることが多いとされています。
早産で生まれる赤ちゃんは全出産の約5%~10%ほどですが、
年々増えてきています。
なぜ早産が起こるのか
早産が起こってしまう原因はいろいろと考えられます。
・妊娠高血圧症候群
・多胎妊娠
・喫煙
・ストレス
・過労
・感染症
・子宮筋腫
・子宮頚管無力症
・高齢出産
などが代表的な早産の原因ですが、
他にもいろいろと早産の原因となることがあります。
最近注目されているのが、歯周病が原因で起こる早産です。
歯周病と早産とは一見何の関係性もなく感じれますが、
妊娠中にお母さんが歯周病になると、
早産のリスクがなんと5倍にもなってしまいます。
妊娠中は歯周病になりやすいというリスクがあります。
妊娠すると女性ホルモンが増加します。
このとき増えるのが、「エストロゲン」という女性ホルモンです。
歯周病の原因菌の中に、エストロゲンを非常に好む菌がいるので
歯周病にかかりやすくなります。
食後の歯磨きや歯科検診で
歯周病を予防して早産リスクを抑えましょう。
早産の症状や兆候
早産の兆候や症状として、
おなかの張り、痛み、出血、破水などがみられます。
おなかの張りは早産以外にもみられる症状ですが、
10分~15分の間隔で起こる規則的な張りは注意が必要です。
また出血もおりものに血が混じっている場合もありますが、
早産の兆候である場合が多いので注意が必要です。
早産の場合は妊婦検診で発見される場合も多いです。
そういった場合はすぐに病院へ連絡して受診しましょう。
早産を予防するためには
早産を予防するには規則正しい生活をすることが大切です。
早産予防のためにこれをしたら絶対大丈夫ということは
残念ながらありませんが、早産のリスクを抑えることは可能です。
・適度な運動をする
・体を冷やさない
・バランスの良い食生活
・睡眠をしっかりとる
・重いものを持たない
・喫煙や飲酒は控える
・立ちっぱなし
・湯船に浸かる
特に冷え性の方は、靴下を履く、ひざ掛けを利用するなど、
冷えから体を守りましょう。
早産リスクを抑えるため、
これらをしっかり意識した生活を送りましょう。
早産のリスク
早産してしまった場合に
気になるのが赤ちゃんへの障害リスクではないでしょうか。
早産で起こる病気は、主に目・脳・肺に症状が出ます。
目に与える影響
網膜の血管が異常反応する「未熟児網膜症」です。
脳への影響
酸素不足などが原因で頭蓋内出血や
脳室の周辺組織が壊死を起こしてしまいます。
そうなると脳性麻痺や知能障害などの
障害が残る可能性があります。
また発達障害の可能性も高くなります。
多動性障害などの発達障害を発症すると、
小学校などへの進学にも影響する場合があります。
肺への影響
肺炎、無呼吸発作、新生児慢性肺疾患などが
起こりやすくなってしまいます。
早産の赤ちゃんは肺の発達が未熟なので、
呼吸器系の病気にかかるリスクが生じてしまうんです。
他にも黄疸やくる病、貧血、口唇裂、口蓋裂などがあります。
特に妊娠34週目までに出産すると、
重篤化や重い障害が残ることが多いです。
障害が残るかどうかは、出生体重が大きく影響しています。
出生体重が1,500g以上あれば、
障害が残るリスクは5%以下ですが、
出生体重が1,000g以下の場合は、
10%~20%の確率で障害が残ってしまうとされています。
早産の治療法
早産と診断されたら治療が必要です。
早産治療の基本は、とにかく安静にすることです。
子宮収縮抑制薬を飲みながら
自宅安静で様子を見ることになります。
家事や買い物などは家族に協力してもらいましょう。
自宅安静と言われた場合はトイレ以外動かない必要があり、
入浴も医師の許可がいります。
また症状によっては、入院での安静が必要となる場合もあります。
早期発見でリスクを抑えよう
早産で生まれてしまった赤ちゃんは、
いろいろな病気のリスクや障害が残るというリスクもあります。
また最悪の場合は死亡してしまいます。
日頃から早産の予防を意識した食生活や行動をとることで、
早産のリスクを抑えましょう。
また妊婦検診で発見されることも多いため、
定期的にきちんと妊婦検診を
受けるようにすることも重要です。