増えているからこそ知っておきたい高齢出産とそのリスク

日本では、1970年代の出産平均年齢は、第一子は26歳でした。

2010年代の現代では、第一子の出産年齢は30歳を超えます。

40年の時間の経過で、
女性が子供を赤ちゃんを産む年齢が4歳あがりました。

高齢出産とは、どのような意味でしょうか。
また、そのリスクについても紹介します。

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高齢出産とは?

WHO(世界保健機構)の定義は以下です。
「35歳以上の初産婦を高齢出産とする」

初めての妊娠かそうでないかに関わらず、
40歳以上での妊娠、出産も高齢出産となります。

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日本の出産年齢の変化

日本での平均の出産年齢は、現在は30歳を超えています。

30歳までに出産する人の割合は、37%ほどです。
30歳から34歳で36%です。
それ以上の年齢は27%となります。

そうすると4人に1人は高齢出産。
なかなか大きな割合です。

戦前には、35歳以上の出産は全体の20%ほどあり、
戦後に5%台まで低下します。

2000年代に再び20%台になりました。

ライフスタイル、婚期の変化が、出産の年齢を遅らせています。

増えているからこそ知っておきたい高齢出産とそのリスク

 

高齢出産はリスクが多い

現在の妊婦さんの4人に1人が高齢出産となるので、
そのリスクをよく知り、事前に対処するのは大切です。

とくに以下のようなリスクについては十分な計画と用心をしましょう。

1.妊娠率の低下

卵子は女性の年齢と共に歳をとります。
卵子の機能が衰え、妊娠の確立をぐっと下げてしまいます。

20代での不妊率は5%前後ですが、30代になると20%が
なんらかの不妊に悩みます。

40代になると60%の不妊率となり、赤ちゃんを欲しいと思っても、
なかなか授からないようになります。

妊娠しやすい時期は、やはり20代、30代前半までです。

このような女性の機能の特性を知り、妊娠を後回しにするリスクがあることを、
よく理解しておく必要もあります。

2.妊娠中毒症

医学的に正式な病名は、「妊娠高血圧症候群」です。

つまり血圧が異常に高まるリスクが、高齢出産では心配されます。

妊娠中期以降に、高血圧、たんぱく尿、
またはむくみの症状が起こります。

問題はお腹の赤ちゃんへの影響です。

赤ちゃんが大きくなる時期に重なるので、赤ちゃんの発達異常や、
何らかの障害が起こりやすくなってしまいます。

この症状になりやすい人の傾向は、
高年齢、肥満、糖尿病、腎疾患などの他にも、
前の妊娠から5年以上あいだが空いているなどの場合にも、
妊娠中毒症が心配されます。

3.先天性異常の発症率

「出生前診断」の言葉が広く知られ、
先天性異常の赤ちゃんが生まれる確率がずっと大きくなってしまうのも、
高齢出産では特に心配されます。

20代では100人に1人の、40代では100人に2.4人の、
先天性異常の赤ちゃんが生まれています。

高齢出産の心配は、50人の妊婦さんがいたら、
生まれてくる赤ちゃんの1人以上が、
先天性異常の赤ちゃんという事になります。

出生前診断は妊娠9~22週頃に行うことが可能です。

超音波検診、羊水検査があります。

羊水検査はおヘソの下に針を刺し羊水を採取します。

この検査で流産する可能性が0.3%、
300人に1人の割合で懸念されています。

超音波検診の必要は、5万円ほど。
絨毛検査は15万円です。
羊水検査も15万円ほどです。

増えているからこそ知っておきたい高齢出産とそのリスク

 

高齢出産で気を付けたいこと

高齢出産で日常の注意は大切です。
流産のリスクには、十分気を使います。

1.流産に注意

30代の流産は、5人に1人です。
40代になると3人に1人となり、その危険性は急激に高まります。

切迫流産、切迫早産も見られます。

まず、日頃の生活を見直します。
滑って転ぶのは大変きけんです。

体を維持するための軽いウォーキングや、ヨガなどで体の柔軟性を保ちます。

喫煙、飲酒の習慣があったら、絶対にこれらを中断します。

偏食があったら改善しましょう。

寝不足、ストレスも可能な限り遠ざけます。

健康には十分な配慮をして、母体の安全に気をかけてください。

2.妊娠糖尿病に注意

妊娠したのをきっけにして糖尿病にかかる率が高まります。

お腹の赤ちゃんにも、奇形、流産、呼吸障害を起こしてしまいます。

対処法は、日頃の食事バランスです。
塩分、糖分の摂りすぎは避け、バランスのよい食事にしてください。

家系に糖尿病の人がいるなら、遺伝的な病気の場合もあります。

血糖値にはよく気をかけて、妊娠前からチェックするなど、
対策を立てるようにしましょう。

3.体重増加に注意

妊娠中の体重増加についても、若い人よりも注意してください。

赤ちゃんの重さがだいたい3キロ。
胎盤と羊水で1キロです。
子宮や増えた血液などで4キロ。

妊娠による体重増加の目安は、だいたい8キロです。

理想的な体重の増加は一週間に200から300グラムです。

500グラム以上増えるのは、赤ちゃんにも母体にも良くありません。

1カ月1キロのペースを上手に守り、母体の健康を守りましょう。

4.緑茶を控える

緑茶に含まれるカテキンですが、妊娠4カ月までは摂取せずに、
ちょっと我慢をしてください。

カテキンの成分が妊娠初期の胎児に良くない影響があり
摂取を控えるよう呼びかけられています。

またカテキンは、妊娠に必要な葉酸の効果を薄め、
胎児の発育を妨げる場合があります。

ちょっとしたことでも、「しない方がいいこと」は、
積極的に避けましょう。

今では、4人に1人は高齢出産です。
たくさんの頑張る妊婦さんがいます。
よく気を付けて、妊娠を上手に乗り切りましょう。