妊婦を悩ませる「動悸」の症状が起こる理由と6つの予防法

妊娠中はいろんな身体の変化が起こります。そのためいろんな症状に不安になったり悩まされることも多くなります。その中の一つが「動悸」です。座っている時、食事をしている時、仕事をしている時、突然それは襲ってきます。

妊娠中にどうして動悸が起こるのか、その理由をご紹介いたします。また、動悸が起こったときはどうするのがいいのか、さらに予防する方法もありますので詳しくご紹介いたします。

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妊娠中の動悸が起こる理由

貧血

妊娠するということは、お腹の中にもう一つの命が宿るということです。自分と同じように、生きるために必要な栄養分はママの身体から受け取ることになります。胎児にとって鉄分は必要不可欠な成分です。また、分娩や授乳でもママの鉄分はどんどん失われていきます。

その為、ママの鉄分は不足しがちになってしまいます。妊婦の貧血のほとんどが「鉄欠乏性貧血」です。では、貧血がどうして動悸につながるのでしょうか?

貧血というのは、血液中のヘモグロビンが不足している状態です。ヘモグロビンが不足することで、身体の中の酸素がたらなくなってしまうので、それを心臓が補おうとします。そのため心臓には大きな負担がかかり、動悸といった症状が現れてしまうのです。

体重増加

妊娠すると、つわりでいったん減ってしまった体重も、つわりが終われば食欲が出て増えていきます。さらに赤ちゃんの成長に伴いいっそうママの体重は増えていきます。その分心臓への負担も大きくなって、動悸が起こります。

ホルモンバランスの乱れ

妊娠すると、ホルモンバランスが乱れ、ストレスもたまりやすくなります。それでなくてもいろいろ不安に感じることもでてきます。そういったことも動悸を引き起こす要因となるのです。

薬の副作用

大きくなってきたお腹の張りを抑えるために、「張り止め薬」が処方されることがあります。このお薬の副作用で、動悸が起こることがあります。ただ、お薬の副作用ですので、出る人もいれば、そういった副作用は全く出ない人もいます。

子宮による圧迫

赤ちゃんが成長すると、当然子宮も大きくなっていきます。子宮が大きくなることで、その周りにある臓器を圧迫してしまいます。それによって、動悸が起こるという妊婦さんもいらっしゃいます。

妊婦を悩ませる「動悸」の症状が起こる理由と6つの予防法

動悸が起きたらどうすれば良い?

妊婦さんで、もしも動悸が起こったらどうすればいいのか?

まずは安静にすることです。立っている時に動悸が起こったらまずは座る。座るところがなければ、しゃがみこんで体勢を低くしましょう。立っていた時に動悸が起こったら、横になって安静にしてください。とにかく一番ラクな体勢をとります。

そして大きく深呼吸をします。ゆっくりと数回繰り返しているうちに、呼吸も整い身体もリラックス状態にさせることができます。

お腹が大きくなってきて寝る時の姿勢で「シスム体位」というのがあります。

身体の左側を下にして寝ころび、右ひじとひざを少し前に出して、身体の半分がうつ伏せになった感じにします。抱き枕などがあれば、それを使うことで、上手な姿勢をとることができます。

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動悸の予防法

血行をよくする

お風呂でゆっくりと湯船につかったり、足湯をして体をしっかりと温めてあげましょう。また、薄着はNGです。暑い夏場でも、冷房が身体をどんどん冷やしてしまいます。いつもさっと羽織れるようなものを一枚持っておきましょう。

身体を冷えから守り、温めることで血行がよくなります。そうすることで心臓への負担を軽減し、動悸を防ぐことができます。

寝るときは足を高くする

足元を少し高くして寝るだけで、血流をよくして動悸を予防することにつながります。浮腫みも予防できるので、クッションなどを上手に使って、足元の高さを少し調整するようにしてください。

休む

安定期に入ると出産前にあれもこれもと、やっておきたいことがたくさん出てきて、妊娠前よりも動いてしまう方がいます。疲れは動悸などにもつながりますので、適度な休息を入れて、のんびりゆったりと過ごすよう心がけましょう。

食生活も見直す

貧血が動悸の原因になるので、その貧血を予防するために食生活の見直しをおすすめします。鉄分不足を解消する為に、サプリメントを利用するのもいいのですが、日頃の食事からも鉄分を意識したものに変えていきましょう。

身近な食材なら、ホウレンソウや小松菜があります。納豆なども鉄分が豊富な食品です。鉄分といえばレバーですが、レバーには、胎児にとってあまりよくない影響を与えるビタミンAも豊富に含まれています。過剰摂取にはくれぐれも注意するようにしてください。

また、鉄分の吸収をサポートしてくれるビタミンCも一緒に取るようにしましょう。

深呼吸

少し息苦しいと感じたり、何か身体がおかしいと思ったら、まずはゆっくりと深呼吸をしてみましょう。日頃から意識して呼吸を整えておくことで、動悸は防げます。

ウォーキング

ウォーキングといっても、散歩のようなものです。妊婦さんは運動不足になりがちです。最近はマタニティヨガなども人気がありますが、あまり無理をして頑張りすぎると、おなかが張ったり動悸につながってしまいます。

気分転換も兼ねたお散歩のようなウォーキングで、適度な運動を心がけましょう。これだけでも血流がよくなるので、動悸を予防する効果が期待できます。

妊婦を悩ませる「動悸」の症状が起こる理由と6つの予防法

妊婦生活はゆっくりのんびりが基本!

経産婦さんは子育てしながらの妊婦生活ですので、なかなかゆっくりのんびりとはできないかもしれません。ですが、初めての妊婦生活ならそれは可能ではないでしょうか。

出産間近まで仕事をされる女性も増えています。仕事をしていても、ゆっくりのんびりと身体を休めリラックスする時間もしっかりと作ることが大切です。妊婦に疲労の蓄積は厳禁です。

無理をすると息切れをしたり、動悸につながってしまいます。自分だけの身体ではないこと、妊娠前とは違うということを忘れないようにしましょう。

動悸はちょっとしたことで予防することができます。今回ご紹介したことをしっかりと実践して、妊婦生活を楽しいものにしてくださいね。