妊婦さんだけでなく、すべての健康な人に向けて、「バランスの良いお食事を摂りましょう」と勧められますよね。もしサプリメントのような栄養補助食品を使うということであっても、あくまでも基本は日々のバランスのとれた食事であることや、できればサプリメントに頼らない食生活を送りたいものだと、国の健康施策や栄養士さんからのアドバイスが送られます。
そのような中にあって、唯一、国でもサプリメントを推奨していることがあります。それが、妊娠を希望している女性あるいは妊娠初期の女性における、葉酸の摂取です。
なぜ葉酸が大切なのか、葉酸の摂取不足はどのような事態を招くのか、そしてどのように葉酸を摂取していったら良いのか、ご説明したいと思います。
葉酸ってどんな栄養素？
葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンＢ群の一つです。
ビタミンという栄養素は、身体の中で合成できないか、合成できても十分量ではないため、食事からきちんと摂取するべきと考えられているものです。脂溶性ビタミン4種類と水溶性ビタミン9種類のあわせて13種類がありますが、いずれも微量ながら、身体には必ず必要なものです。
ビタミンは、エネルギーにもなりませんし、身体を構成する成分ともなりません。それなのにビタミンが必ず必要とされるのは、身体の中でエネルギーを発生したり、さまざまな物質を合成したりする際に、ビタミンがその手助けをするためです。
ですから、ビタミンが不足するとせっかくエネルギー源となる栄養素や身体の成分となりうる栄養素を摂取していてもその反応がうまくいかず、身体に不具合を生じます。
13種類あるビタミンの中でも8種類あるビタミンＢ群は特に助け合って働くため、まんべんなく摂取していることが大切です。そのためには日々の食事で特定の食品に偏ることなくさまざまな食品を摂取するように心がけ、調理法もいろいろと組み合わせることで調理による損失リスクも分散できると考えられます。
葉酸はビタミンＢ群の一つですから、やはり食品のバリエーションを持ったり、さまざまな調理法でアレンジしたりすることが有効な栄養素だと言えますね。
葉酸の効果や働き
ビタミンＢ群は助け合って働きますが、もちろんそれぞれが担っている大切な役割があります。
葉酸の果たしている役割は、ビタミンＢ12とともに造血し、貧血を予防して健全な発育を促す働きです。また、たんぱく質と核酸の合成に働きかけ、身体の細胞分裂や発育を促します。
葉酸のたんぱく質や核酸の合成を促す働きは、特に妊娠中や授乳中の女性に重要な役割となります。核酸とはＤＮＡやＲＮＡのことですから、細胞で遺伝情報を保存して身体を作っていく指令を出す、いわば生命の根幹ともいえるものなのです。
これが妊娠中や授乳中に不足すると、胎児や赤ちゃんの発育に障害を及ぼす恐れがあるのです。特に知られているのが、妊娠初期における葉酸不足によって、神経管閉鎖障害の発生リスクが高まることです。
神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄といった中枢神経系のもととなる神経管に閉鎖障害を起こし、脊髄の神経組織が覆われず、運動障害や腸機能障害を起こしたり、脳形成不全などを起こしたりする疾患です。
これらが形成されるのは、妊娠初期でまだ妊娠に気づいていないことも多いため、国は妊娠を希望している女性に向けて、葉酸の欠乏が起こらないよう、サプリメントも使用してしっかり摂取していくことを推奨しているのです。
葉酸を多く含む食品
葉酸はその名からもわかる通り、葉に多く含まれています。ですから、春菊やホウレンソウといった葉物野菜からの摂取が期待できます。日頃はあまり召し上がらないかもしれませんが、菜の花やモロヘイヤなどにも多く含まれていますから、意識して摂取してみても良いでしょう。
野菜類ではこのほか、アスパラガスや枝豆などにも多く含まれています。かぶの葉のように、日頃は捨ててしまいがちな部位も、葉酸をはじめとするビタミン類やミネラル類の補給に役立ちますから、大切に食べたいところです。
野菜以外では柑橘類やいちごなどの果物からも摂取できます。
これらの食品を調理するときに気をつけたいことは、葉酸は水溶性ビタミンの一種であるということです。水に溶けやすいので、洗浄は手早く行い、切った野菜類を水にさらしっぱなしにするようなことのないようにしましょう。また光に当たると破壊されやすいので、遮光して保存するなどの配慮も有効です。
煮る、ゆでるなどの調理をすると水溶性成分はどうしても流出してしまいますよね。汁物にするなど、流出した汁ごと食べられるような工夫をすると損失が抑えられます。
サプリメントで葉酸を補給
日頃からのお食事では野菜類が足りていない人も多いのが現状。国がサプリメントの摂取を推奨しているくらいなので、妊娠を希望している女性はサプリメントもチェックしておきましょう。
「ベルタ葉酸サプリ」は、葉酸をはじめ鉄分やアミノ酸、カルシウムなどきちんと摂っておきたい栄養素を含んでおり、人気のサプリメントです。特徴は葉酸を酵母に含有させていること。これにより葉酸が体内に長くとどまってくれる作用が期待できます。
サプリメントを使用するうえで気をつけたいことは、良いと聞いたからといって必要以上に飲まないこと。国は通常の食事に加えて1日あたり400マイクログラムの葉酸をサプリメントなどの栄養補助測品から摂取すると、妊娠初期には有効となっています。ただし上限も、もちろんあります。1日あたり1000マイクログラムを超えて葉酸を摂取しないようにという基準が設定されているのです。
通常お食事からの栄養素摂取では、なかなか栄養素の上限量を超えることはありませんが、高濃度に効率的に摂取できるサプリメントだからこそ、きちんと量を意識した摂取を心がけましょう。
