お腹が空いたら泣く…を繰り返していた赤ちゃんも、10ヶ月頃になると離乳食も3回になり、食事量もある程度食べられるようになります。。けれど離乳食は順調なのに急に夜泣きするようになった…お腹が空いているわけではなさそうなのになぜ、といった話もよく聞きます。
夜泣きは一時的なものですが、パパ・ママにとってストレスになってしまうことは間違いありません。生後10ヶ月頃の赤ちゃんの成長について考えながら、対処法について考えていきましょう。
生後10ヶ月頃の赤ちゃんの様子
自分の力だけでは何もできなかった状態から、自発的な運動が可能になってきて心身ともに赤ちゃんから幼児へと少しずつ移行している時期です。お座りは安定して両手を使ってものを扱うことができるようになっています。つかまり立ちや伝い歩きを始める赤ちゃんもいるでしょう。
認知機能では、人の顔の区別がつくようになってきて、人見知りやママの後追いをする子どももいます。お昼寝もまとめて済むようになったり、離乳食も朝昼晩3回にステップアップしたりと生活リズムも整ってくるようになります。
10ヶ月前後から始まる夜泣きもある
これまで夜はぐっすり寝ていてくれたのに急に夜泣きするようになった…というパターンも多いようです。10ヶ月ごろの赤ちゃんは周囲の状況が少しずつ理解できるようになるため、感覚が敏感になり脳が急速に発達している証拠と考えられます。まだおしゃべりのできない赤ちゃんは、不快や不安に対して泣いて訴えることしかできません。夜泣きをきっかけに、親子間でのコミュニケーションの取り方を考える良い機会になるかもしれませんね。
生後10ヶ月頃の赤ちゃんの夜泣きの原因
夜泣きには個人差があり、原因も一概にこれというはっきりとしたものは分かりません。それぞれの赤ちゃんによって、またその日その日の体調によっても原因は様々であると考えるべきでしょう。原因と考えられる要因を一つずつ確認し、赤ちゃんの不快症状やストレスをできるだけ取り除いてあげることが大切です。
日中の刺激が強すぎる
10ヶ月は周囲の状況が少しずつ理解できるようになる時期。日中見たことや体験したことは夜寝ている時に脳で処理していると考えられています。初めて行った場所や知らない人の顔、触った水や砂の感触、犬の鳴き声…。五感をフルに使って1日過ごしているのですから、何事も経験の少ない赤ちゃんにはどんな些細なことでも刺激になるのは当たり前ですよね。もしかしたら、日中の出来事を処理しきれず、夢の中のような状態で驚きや不安となって夜泣きに現れているのかもしれません。もちろん、様々なことをたくさん経験することで赤ちゃんは成長していくので、赤ちゃんのストレスにならない範囲で少しずつ体験させることが重要です。
体内時計の変化
お昼寝も午前午後に1回ずつとまとまってくる時期ですので、体内時計は日々変化している状態です。1歳ごろになると午前中のお昼寝はしなくなる赤ちゃんもいます。しかしまだ大人と同じ生活サイクルになるのは先のこと。睡眠のサイクルがしっかりするまでは、夜中に起きることもしばしばあります。睡眠の浅い状態だと夜泣きにつながりやすいので、午後もしっかり体を使って遊ばせ、夕方には昼寝をさせないようにして夜の睡眠に備えましょう。
添い乳のくせ
意外と多いのが添い乳の影響かもしれません。普段からおしゃぶりのように「泣いたらおっぱい」を続けていると、それが赤ちゃんにとって当たり前になってしまうことも。特に夜間の添い乳は、入眠の習慣になりやすくなかなかやめるのが難しいと言われています。夜間眠りが浅くなった時に、口におっぱいがないと不安になって泣き出してしまうことも。人見知りも始まる時期のため、余計に不安を感じるのかもしれません。
身体的な不快感
お腹が空いている、という単純なものであれば、ミルクやおっぱいをあげることですぐに落ち着くかもしれません。しかし逆に満腹すぎてお腹が張っている時にも不快と感じて訴えることがあります。他にも室内の温度が「暑い」「寒い」、布団が「重い」「窮屈」など環境によるものもあります。その他にもなかなか寝付かない、眠りが浅いということであれば、鼻づまりや体のかゆみなどの不快症状があるのかもしれません。特に赤ちゃんの鼻の穴はとても小さいのでつまりやすく、口呼吸も上手ではないのでこまめにチェックしてあげる必要があります。
生活習慣を整える
生活のリズムを決める
ミルクを飲んで寝るというサイクルから少しずつ離れて生活リズムが出来始める時期です。起床や就寝の時間だけではなく、食事やお昼寝の時間も決めておくのが良いでしょう。幼児の時期になると日中は大人と同じ生活サイクルで生活できるほうがお互いにストレスなく過ごすことができます。お昼寝の時間も寝たいだけ寝かせるのではなく、眠りが浅くなったタイミングで起こすようにして時間をコントロールしていきましょう。
断乳
離乳食が順調に進んでいれば1日3回の食事が可能になっている時期です。ミルクの赤ちゃんに比べて母乳の赤ちゃんはどうしても夜間もダラダラと長い時間添い乳してしまう傾向があります。それが習慣化してしまうと、夜間目が覚めた時に口寂しさを感じてしまう場合があります。日中しっかり食事がとれていれば、夜間はおっぱいではなく水分を摂らせるだけでも十分です。授乳は母子のコミュニケーションのひとつではありますが、それが逆に夜泣きなどを引き起こしている可能性もあることを頭に入れておきましょう。
入眠時の環境づくり
大人でも、電気の明るい部屋やうるさい部屋では眠れませんよね。赤ちゃんはさらに繊細でストレスを受けやすいので注意が必要です。部屋の電気だけではなく液晶画面や大きな音は刺激が強いので、夕方以降はテレビやスマホなどを見せないようにし、徐々に部屋の明かりを落としていくなど光のコントロールをしてあげましょう。逆に朝はしっかりカーテンを開けて日の光を感じさせることで、脳もそれを認識しホルモン分泌や生活リズムを作るようになります。同様に、温度や湿度もチェックして快適な環境で寝られるように整えてあげましょう。
夜泣きの対処法
まずは落ち着かせる
夜中急に大泣きしてしまうと、他の家族を起こさないか、近所迷惑にならないかなどが気になって早く「泣き止ませたい」と思ってしまいますよね。けれど赤ちゃんにとっては「泣くこと」が目的ではないのです。泣きはじめたらまずは落ち着かせることが大事。ママ、パパはここにいるから大丈夫だよということを赤ちゃんに伝える必要があります。具体的には、優しい声で大丈夫だよと話しかける、お腹をゆったりさするなどが考えられます。そのまままた入眠する赤ちゃんもいますが、泣き止まないようなら抱っこしてゆらゆらしながら声をかけてあげましょう。
原因を考える
日中の様子を思い出して、どんな原因がありそうか考えてみましょう。風邪をひいていて鼻水が出ていた、ミルクも飲みにくそうだった、ということであれば鼻がつまっているのかもしれません。お腹が空いているようであればミルクが足りない場合もあります。喉が渇いているだけで水分補給だけで落ち着くこともあります。
室温や湿度、布団の窮屈さなどは、大人でも快適かどうか確かめやすいのでまずはチェックしてみましょう。また、初めての場所に行ったり長い時間の移動でちょっと刺激が多い1日だったという時も夜泣きをすることがあるでしょう。たまに夜泣いて起きる程度ではなく毎晩のように夜泣きが続く場合は、生活習慣を見直してみる必要があるかもしれません。
一度起こす
抱っこをしてユラユラしたり、ミルクを飲ませたりしても泣き止まないときは困ってしまいますよね。目をぎゅっとつぶって夢の中でうなされているように泣いている時は、一度しっかり目を覚まさせてあげるのも一案です。夜泣きは成長の過程で見られる現象で、一時期だけのものです。夜間はしっかり寝てほしいのが本音ですが、どうしても泣き止まない時にはとことん付き合ってあげましょう。
いつかは終わるとわかっていても、夜泣きはママ・パパにとってもストレスですよね。日中赤ちゃんと一緒に昼寝をするなど、休める時は休んで夜泣きに備えましょう。赤ちゃんの習慣は、親の習慣に強く影響を受けます。赤ちゃんから幼児への移行となるこの時期、食事や睡眠のサイクルも日々変化しています。子どもにとってどんな生活リズムがいいのか一度しっかり見直すことをおすすめします。