ママ

かわいい我が子への初対面はすばらしいものです。ただ、出産後の産後疲れで倦怠感や痛みがなかなか取れません。

先生

子育てで大変な中、長引く産後疲れはさらに疲れを助長してしまいますね。産後疲れの原因や対処法について、具体的にご紹介していこうと思います。

出産を終えたママにやってくるのは次なる試練である“産後疲れ”です。ただでさえ慣れない育児をしながらの家事や仕事、いつもより疲れやすくなっても普通ではありません。

しかし、想像もしないほどの強い疲労感が襲ってきたら産後疲れを疑いましょう。産後疲れとはどういったものを指すのか、原因や症状、対処法まで詳しく説明していきます。

誰にも相談できなくて悩んでいるママや、産後辛そうなママのために何とかしてあげたいと思っているパパにも参考になる情報となっていますので、しっかりチェックしてくださいね。

産後疲れとは?

産後疲れとは、出産後のママの体にやってくる不調です。我が子を産み落とした後の母体は、ダメージを負っている状態です。子宮やホルモンを産前の状態に戻すには時間がかかり、体の変化にともない心身的な不調が訪れてしまうのです。

産後は、子宮内に作られた胎盤は、剥がれ落ちていきます。排出される血液、分泌物のことを悪露(おろ)といいますが、1か月程度は続くため億劫になるママも多いでしょう。

また、子宮の収縮による後陣痛に悩まされることも。ただでさえ膣に痛みを感じていたり、悪露が出ているにもかかわらず、妊娠前の体へ戻そうとする変化についていけなくなってしまうのです。

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産後疲れの症状

では、具体的に産後疲れで生じる症状にはどんなものがあるのかみていきます。

  • なぜか疲れがとれない
  • 疲れやすい
  • 体力がなくなる
  • イライラしがち
  • 頭痛がする
  • 目まいや立ち眩みがある
  • 耳鳴りがする
  • 動悸

育児をしながらこれだけの症状と戦わなくてはならないなんて、本当に母は偉大なものですね。以前なら楽しく出かけていたドライブも、長時間車に乗っているだけで疲れてしまったり、強い眠気に襲われるなど、体調の変化が激しくなります。

産後疲れの原因

原因はおもにホルモンのバランスが崩れてしまっていることや、出産時の出血が多く貧血を起こしてしまっていることが考えられます。

貧血を起こすとただでさえ疲れやすい、立ち眩みや動悸といった症状が起きやすくなるため、鉄分の摂取を心がけなくてはなりません。

貧血に対して鉄分以外にも、鉄分を吸収しやすくしてくれるビタミンCを摂取することで貧血予防には効果があります。産後は家族の料理を作る事も大変なので、ミカン1個など手軽に食べられるのもがあるといいかもしれません。

産後は便秘になることがあります。便秘は産後の子宮回復を遅らせてしまう原因につながります。これは授乳をしていると母乳で体の中の水分が取られ、便が固くなってしまうためです。また、ママが育児をしながら自分の食事の用意をしている方は食事内容にも偏りが出やすく、便秘の原因となります。

先生

水分、鉄分、ビタミンCなどを積極的に摂るようにしてください。

いつになったら治まるの?

産後疲れから解消されるのは、体が回復する時です。もちろん、体力には個人差がありますので、回復するのが早い方もいれば遅い方もいます。基本的には8週間程度で回復するとされていますが、例外もあります。

産後はホルモンの分泌が減少し続けるといった現象が起きてしまうことがあるのです。母乳育児のお母さんに特に起きやすく、3ヵ月もの間症状が続いてしまう方もいます。

また、自然分娩でない場合や高齢での出産をしたケースでは、回復に時間を要して当然といえます。

出産した後は最低でも1か月は安静に過ごすことを心がけて下さい。

特に帝王切開では、術後の傷の痛みが続く場合があります。痛みは徐々に軽減していくのですが、人によって痛みの程度や感じ方はそれぞれです。痛みが長引くと生活の質が低下して、精神的にも落ち込むことが多くなるため、1か月健診まではしっかり休息をとりましょう。

産後疲れの対処法

産後疲れが1年も続き、心身ともにまいってしまうお母さんもいます。このような状況が続くとストレスによって精神面への負担も心配になりますので、対処法をしっかり学んでおくことが大切です。

1.10分だけでも湯船につかる

赤ちゃんをお風呂に入れなくてはならないとなると、中々以前のように入浴タイムを楽しむことができなくなってしまいます。理想は20分程度リラックスして浸かることですが、10分浸かるだけでも効果があります

湯船に10分間つかると、疲労回復効果は数時間睡眠したと同程度得られると言われています。パパの帰宅が早い家庭なら、パパに交代してもらうこともできると思いますが、そうでないケースは毎日ママが入れなくてはならなくなります。

パパにお願いしたいのは、お仕事が休みの日だけでもママにゆっくり入浴できる時間を作ってあげて欲しいということです。これだけでも体力回復効果を高めることが出来ますし、精神的にも落ち着きます。

しかし、パパの仕事が忙しくなかなか協力が得られないご家庭もあります。ご実家も遠方で、引っ越ししたばかりで近所の付き合いもないという環境の方もいらっしゃる事でしょう。そのような場合は、市町村で「ファミリーサポート制度」というボランティアのお手伝いを受けられるサービスがあるか問い合わせてみましょう。上の子の幼稚園や習い事の送迎や、家事の手伝い、買い物などをしてくれるなどのサービスが受けられます。

2.やりたいことをやる

元の体型に早く戻さないと!と頑張り過ぎる方も多いですが、食べたいものを食べる日も作ってください。食べ過ぎはよくありませんが、休日の日はご褒美デーとし、甘いケーキやミルクたっぷりのココアなど、ダイエット中は避けたいものでもよしとしましょう。

たまには自分を甘やかしてあげることが必要です。とにかく眠りたい!という方は、実家へ帰って母親に育児を任せてみるもよし、旦那様にお願いしてみるのも良いですね。

母親失格かな?と不安になってしまうこともあるかもしれませんが、母体の回復に努めることで赤ちゃんも元気なママと過ごすことが出来るのです。

3.サプリを取り入れる

本当ならバランスのとれた食事を作って食べるのが一番なのですが、自分の食事バランスにまで気を配れない、それこそストレスになると感じているママが多いですね。

そんな時は無理せず、サプリメントで栄養を補ってしまいましょう。不足しがちなビタミン、鉄分、亜鉛などが配合されたものが良いです。ただ、あくまでも補うレベルなので、食事もとるようにして下さい。

ママ

精神的ストレスをリフレッシュして、必要な栄養素を効率良く摂っていきましょう。

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病院での診察が必要になるケースも

たかが産後疲れと侮っていると、子宮が回復しなくなったり、うつ病を発症する恐れもあります。

子宮復古不全
出産してから1か月を過ぎても悪露がとまらず、量が増えているような状態なら子宮復古不全を疑いましょう。

子宮が回復しきれていないため、適切な処置を行う必要があります。かかりつけの産院で症状を相談してみてください。授乳で回復していく場合もありますが、直接子宮に残ってしまった残留物を取るなどの処置が施されることもあります。

通常、産後1週間を過ぎると悪露の量も減少します。3週〜4週目ぐらいになると、悪露は茶褐色〜黄色へ変化し、1か月以上後には白色となり悪露も消退します。退院後は、活動量が増えるため一時的に悪露の量も増えますが、1週間たっても暗赤色のものが出たり、悪臭がしたり、粘り気があり、腹痛を伴う場合は診察を受けましょう。

産じょく期精神障害
ホルモンが整わないまま長期間バランスが崩れていると、うつ病や精神障害を発症する可能性も。眠れない、不安感がつきまとう、集中できないなどさまざまな症状が出ますが、周りが気づいてあげることも大切です。

急に泣き出したり、様子がおかしいと感じたらパパが病院へ連れて行ってあげて下さい。ママ自身が自分で気づけずに悪化してしまうケースもあるのです。

夫婦が協力しあわなければ、このような深刻な病を併発してしまうことがあるということはしっかり理解しておきましょう。

待ち望んでいた赤ちゃんなのに、泣き声を聞くとイライラする、突然不安になる、気分が滅入る・・・こんな気持ちになる場合があります。これをマタニティーブルーといい、産後のホルモンの分泌が急激に変化することで、気分が落ち込んでしまうことがよくあります。

また、これらはパパの育児不参加が原因の一つである場合があります。パパは仕事で忙しい事もあると思いますが、命がけでお産をしたママの体調にも目を向けて、二人で育てるという気持ちを大切にしましょう。

ママ

長引いてしまっている場合は、医師や助産師に早め早めに相談をしていってくださいね。

1か月健診を必ず受けましょう

ママの体が産後順調に回復しているかを診てもらうために、産後の1か月健診は必ず受診をしましょう。子宮の状態のみならず、産後の疲れや精神面、おっぱいの事などを助産師へ相談するいい機会でもあります。また、今後の生活方針を立てる上でも重要となります。