産後到来するかもしれない「ガルガル期」の4つの特徴と対処法

「ガルガル期」という言葉を知っていますか。妊娠中や育児経験者であれば「○○期」と聞くと、子どもが2歳前後に何でも拒否する「イヤイヤ期」が浮かんできて、子どもの成長過程の一種かなと考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。残念ながら違います。「ガルガル期」とは子どもに対する言葉ではなく、産後、お母さんに現れるかもしれない特徴を表した言葉なのです。

今日はまだあまり知られていない「ガルガル期」についてご紹介します。

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「ガルガル期」って何?

出産後、面会に来てくれた義父母が赤ちゃんに触れることに嫌悪感を感じたという話を耳にすることはありませんか。その嫌悪感がまさに「ガルガル期」の特徴です。

「ガルガル期」とは出産を終えたお母さんの急激なホルモンバランスの変化により、普段は何ともなかったことにイライラしてしまったり、悲しくなってしまったりと情緒が不安定になる時期のことをいいます。

「ガルガル期」とは医学的な専門用語ではありませんが、赤ちゃんを守ろうとする本能が暴走した状態で、赤ちゃんを守りたいという気持ちが強くなりすぎて、赤ちゃんを誰かに取られるのではないかと攻撃的になる姿が、ライオンのお母さんが子ライオンを守ろうとする姿に似ていることから「ガルガル期」と呼ばれるようになりました。

産後到来するかもしれない「ガルガル期」の4つの特徴と対処法

 

ガルガル期に現れる特徴と原因

ガルガル期は「赤ちゃんを守らなければ」という気持ちが暴走していることが大きな特徴です。「赤ちゃんを守らなければ」という気持ちが暴走しすぎて、義父母やベビーシッターなど自分が他人とみなす人が、例え、お母さんを助けようと赤ちゃんに触れようとしても嫌悪感を感じてしまったり、自分以外が赤ちゃんに触れることを拒否したのは自分なのに、「どうして私だけこんな大変な思いをしなければならなの」と夫を責めたり、「私意外にこの子を守れる人はいないのに」と色々考え、思い詰めてしまったりと、「赤ちゃんを守らなければ」という気持ちが暴走して、情緒不安定な状態となります。

ではこのような不安定な心理状態になってしまう、ガルガル期の原因は何なのでしょうか。

ガルガル期の原因はずばり、産後のホルモンバランスが急激に変化することによります。妊娠中、お腹の中の赤ちゃんを守ったり、成長を促すためにプロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンが増加します。そして、出産後は、これらのホルモンが急激に減少してしまいます。このホルモンバランスの変化が情緒のアンバランスを生み出し、「ガルガル期」の原因となるのです。

また、出産時に陣痛を起こしたり、産後、母乳の出を良くする働きがある「オキシトシン」というホルモンは別名「愛情ホルモン」と呼ばれ、赤ちゃんを抱っこしたり、赤ちゃんと触れ合うことによって沢山分泌され、それと共に赤ちゃんに対する愛情も増加する効果があります。しかし、この赤ちゃんに対する愛情が強くなりすぎると「ガルガル期」となって周りに対する攻撃的な言動に繋がってしまうこともあるのです。

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ガルガル期の期間

ガルガル期は赤ちゃんが生まれてすぐから始まり、離乳食が始まる時期くらいまでの間に治まることが多いようです。しかし、人によってはガルガル期が起きない人もいますし、逆に一年以上続く人もいます。

ガルガル期は出産によるホルモンバランスの変化が落ち着くことと、赤ちゃんが少しずつお母さんべったりの状態から育っていくことによって軽減していきます。

産後到来するかもしれない「ガルガル期」の4つの特徴と対処法

 

ガルガル期の対処法

ガルガル期の対処法としてはお母さん本人の対処法と周りの人間の対処法があり、双方が気を付けることにより症状の重症化や長期化を防ぐことが出来ます。

お母さんの対処法

まずは「ガルガル期」というものがあることを理解することが大切です。産後自分が周りの人間、時に愛する夫にまで嫌悪感やイライラを感じてしまうのは、相手が自分に対して酷いことをしたとか、相手に対する愛情がなくなった訳ではなく、産後の急激なホルモンの変化によるものだと理解できれば、必要以上に自分や周りを責めずに済みますからね。

そして、意識して休息をとることも大事です。出産後、母乳をあげられるのはお母さんだけですから、つい自分がやらなければ、自分が傍にいなければと考えて頑張りすぎるお母さんもいらっしゃいます。しかし、産後、お母さんの体が出産前に戻るのに1年くらいかかります。無理に頑張りすぎると、ホルモンバランスが落ち着くのに時間がかかりますし、子宮の回復にも悪い影響を与えてしまいます。赤ちゃんに触れられることに嫌悪感を感じるのなら無理する必要はありませんが、自分が気が許せる範囲内で赤ちゃんの世話をお願いし意識して休息をとるようにしましょう。

どうしても赤ちゃんの世話は自分でしないと不安だというのであれば、育児以外の家事をお願いしたり、配食サービスやネットスーパーなどを上手に利用して育児以外の負担を減らすようにしましょう。

それでも「ガルガル期」で苦しい時は、一人で抱え込まず、周囲の人に相談することです。一番身近な旦那さんはもちろんのこと、行政の育児相談の電話でも構いませんし、子育てサロンのスタッフさんでも構いません。誰かに気持ちを話すことで不安やイライラが軽くなることはよくあることです。しかし、産後は視野が狭くなり、自分の殻に閉じこもってしまうことも多々あります。辛い時は是非、外へ外へと心がけましょう。

周りの人の対処法

周りの人の対処法もまずは「ガルガル期」があるということに対する理解が大切です。これを分かっていないと、「奥さんは(うちの嫁は)子どもを産んだら変わってしまった」なんて心無い言葉を言ってしまうかもしれませんからね。お母さんが産後、周りに攻撃的になるのは、子どもを産んで正体を現したのではなく、子どもを産んでホルモンバランスが急激に変化したからなのです。この不安定な状態に一番戸惑い、苦しんでいるのはお母さん本人なのですから、ホルモンバランスが落ち着くまでそっと見守ってあげましょう。

また、「ガルガル期」で子どもを守ることで頭がいっぱいのお母さんにその他のことで負担をかけないよう気を付けることも、その後の良好な関係のためには大事です。例えば、家の中の家事を積極的に行ったり、義父母との連絡は旦那さんが間に入ってやり取りしたり、お母さんが赤ちゃんと安心して向き合える時間を作ってあげることなどです。そういった事がお母さんの攻撃心を少なくすることに繋がります。