産後ママに降りかかる「恥骨痛」の2つの原因と改善する方法

出産するまでいろんな痛みに耐え、どんな苦痛をも乗り越え、やっとの思いで我が子を産み落としたママたち。そんなママたちの体は、出産にともない自分では気づきもしないほどの無理をしている状態です。

出産は誰もが経験することと思われていますが、母体は想像しえないほどのダメージを受けるということは知っておく必要があるでしょう。

そのひとつとしてあらわれる痛みに“恥骨痛”というものがあります。産後に生じる場合もあれば、妊娠後期に感じる方もいらっしゃいます。産後は今まで平気でできていたことができなくなったり、初めての育児に精神的にも負担が生じてきます。

少しでもママの体の負担を減らすためにも、恥骨痛の原因や改善方法を知っておきましょう。今日は“恥骨痛”をテーマにお話していきます。

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産後の恥骨痛とは?

恥骨はおへその真下にある硬い骨のことをいい、左右にある恥骨が結合された部分は肌の上からでも確認することが出来ます。

・痛みの感じ方
・痛みを感じる場所
・痛みの度合い
・頻度
などは、人によってさまざまです。

骨盤の中の一部であることから、産後に痛みを感じる方が多いのが特徴です。痛みの継続に関しても人によって異なり、産前から生じていた方もいれば、産後すぐにおさまった方、産後も長く続いた方もいます。

産後ママに降りかかる「恥骨痛」の2つの原因と改善する方法

恥骨痛の原因は?

この痛みが引き起こされるのにはいくつかの原因があります。

1.出産

妊娠中は、通常とは異なるホルモンが分泌されることになります。これは赤ちゃんが通りやすいよう骨盤を開く必要があるためです。この働きによって赤ちゃんを育てるための場所が確保され、赤ちゃんが通る道を作り出すことが出来ます。

ただ、恥骨は骨盤周辺の靱帯とつながりがあるため、赤子の重みがダイレクトに伝わります。その重さゆえに痛みを感じ、産後に顕著にあらわれることになるのです。

2.歪み

骨盤と密接に関わっているため、出産によって歪むことにより痛みを感じることがあります。骨盤が安定してくるまでは痛みが続き、歪みを正さずそのままにしていれば歪んだ状態が定着してしまう恐れも。

痛みの慢性化を防ぐためには、歪みの矯正はもちろんですが、ホルモンのバランスが整う時間を待つことも必要です。

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恥骨痛を改善する方法

原因から見ても分かるように、歪みとホルモンの分泌が正常に戻るように促す必要があります。

歪みの改善方法

骨盤ベルト

骨盤ベルトをつけることで、歪みを改善する効果が期待できます。

1.つける位置は、骨盤が突き出している場所と太ももの骨が突き出している場所の丁度真ん中になります。
2.骨盤のもっとも出っ張っている部分から、2センチ程度下方向にベルトを合わせます。
3.ベルトを前方に引っ張りながら閉めましょう。
4.ベルトが外側と内側に分かれている場合、外側の締め具合を調整し、心地よい程度に締め付けてあげます。

体操

1.仰向けの状態から、脚を肩幅程度に開きます。
2.右の膝を曲げ、やや外に向けて膝を地面につけていきましょう。
3.逆の足も同様に行います。
4.床につきにくい方は20秒、つきやすい方は10秒維持し、3セット行ってください。

1.仰向けに寝転がり、膝をたて足を片方の膝にかけます。
2.肩が上がらないよう意識しながら、脚を倒します。
3.逆側の腕を伸ばして行いましょう。

ヨガ

1.仰向けに寝転がり、膝を立てて手を真下に伸ばし、中指とかかとが触れ合う位置まで膝を曲げましょう。
2.脚は腰幅か、拳一つ分程度開けておきます。
3.お尻の穴をしめたまま、天井方向に持ち上げます。
4.お尻は持ち上げたまま、30回左右に骨盤を揺らしてみましょう。
5.一旦お尻を床におろし、リラックスします。
6.もう一度お尻を高く持ち上げ、両手を後ろで組みます。
7.より高くお尻を上げ、かかとを浮かせます。
8.首は真っすぐ固定したまま、30秒キープしましょう。
9.呼吸はゆったりと行うよう意識してください。
10.かかとを床におろし、手は楽にしてお尻も床におろします。
11.足裏を合わせ、自然体で呼吸を意識しながらお尻を再度持ち上げましょう。
12.吐きながら一気にお尻を床に付け、脱力を繰り返します。

整体での施術

プロの手で一度正しい場所に導いてもらうのもおすすめです。普段からの意識の仕方や、体の動かし方など丁寧に説明してもらうことで、歪みの改善に役立つでしょう。

産後すぐは安静にする

恥骨痛を起こしやすい方の特徴として、産後すぐに無理をしすぎるという傾向があります。自分では大丈夫と思っていても、体は意外と負担を感じているものです。

できるだけ骨盤への負担は避けたいので、気持ちは元気でも体を労わる意識は忘れないようにして下さいね。

ホルモンを整える方法

温活

季節に関係なく、冷えは女性の体内バランスを崩す要因となります。温かい飲み物を飲む、湯船につかって全身の体温を上げるようにしましょう。

産後ママに降りかかる「恥骨痛」の2つの原因と改善する方法

普段からの動作にも注意!

階段の上り下り
・大股歩き
・直に床に座る
前かがみの姿勢になる

これらの行為や行動は、痛みを促す原因になる恐れがあります。出産したことでいつも通りの体に戻ったと思う方が多いのですが、まだまだ出産のダメージは体に残っていると考えて下さい。

足を開く角度が広ければ広いほど、恥骨に負担を与えることになりますし、階段は骨盤の動きを大きくしてしまいます。油断していると突然激痛が走ることもあるので、注意しておきましょう。

ボトムの脱ぎ履きには気をつけよう

ついついやりがちなのが、立ったままでの着替えです。立った状態でパンツを脱いだり履いたりするだけでもダメージを与えてしまいます。産後でなければバランス力を鍛える良い行動といえるのですが、産後は控えるようにしてください。

産後ママに降りかかる「恥骨痛」の2つの原因と改善する方法

長引く時は診察を

対処法を取り入れても中々痛みが改善しない場合は、子宮に異変が生じている可能性もあります。おりものや痛みの感じ方によっては油断できないこともあるため、一度診察を受けて状態を確認してもらうようにしましょう。

産後、卵巣や子宮に異変が起きることは十分に考えられます。それだけ弱っているという証拠なのです。ママの体はママ本人にしか守ることが出来ないため、周りの協力を仰ぎ、なるべく負担にならないような生活を心がけて下さいね。