育児や家事をいつの間にか自分一人で切り盛りして、自分の時間がない…そんな状況に陥るママが増えてきています。家庭の事情でそうせざるを得ない人から、協力してもらえる人が周囲にいない人など、すべてを抱え込んでしまうワンオペ育児は、精神的にも体力的にも限界のなかで切り盛りしているのが実情です。
そこでワンオペ育児を乗り越えるための方法や、トラブル発生時の対処法について、詳しくご紹介します。
「ワンオペ育児」って何?
ワンオペとはワンオペレーションの略で、飲食店などで一人で店を切り盛りしている状態をいいます。相談する相手もなく、すべての決断を一人で行わなければならず、その精神的、身体的な苦痛、やりがいのなさなどが問題となりました。
それと同じように、一人で育児をする状態を「ワンオペ育児」と呼び、SNSで話題になりました。
ワンオペ育児になる状況
・ひとり親の家庭
・両親が遠方にいて助けを求めることができない
・夫が単身赴任で不在
・夫の仕事が忙しい
・別の地域から引っ越してきたばかりで知り合いがいない
・共働きをしている
事情は様々ですが、「私しか育児や家事をする人間がいない」という状況や考えからワンオペ育児を続けているものの、相談相手がなく、育児の辛さや楽しみを分かち合うこともできない状態は、やりがいを得ることができません。
ワンオペ育児で辛いと感じる瞬間
ワンオペ育児をなんとか乗り越えようとギリギリの体力や精神状態で頑張っているものの、やはり一人では限界を感じてしまいます。どんな状況のときにそれを感じるのか、詳しくご紹介します。
自分の時間がない
生活は育児や家事が中心で、自分の時間はありません。自分の買い物をしたり美容院に行くということもできず、友達と遊ぶこともできません。
病気のときに病院に行けない
子供を家に残して出かけることはできないため、自分が病気になっても病院には行けません。市販薬を飲んだり、湿布などで痛みを我慢するしかありません。
子供が病気になったとき
子供が急に病気になったとき、兄弟がいると一緒に病院に行かなければならなくなります。保育園や幼稚園の連絡、食事の支度など、予定していたことがすべてやり直しになった瞬間は辛いものです。
子供に「パパ(ママ)と出かけたい」と言われる
毎日育児や家事を頑張っているのに、その一言で気持ちが萎えてしまいます。
ワンオペ育児の場合はすべて一人で抱え込んでしまうため、その状態が異常であっても本人はそう気がつかないまま続けてしまう傾向にあります。また真面目で責任感が強い人もワンオペ育児に陥りやすい傾向にあります。
ワンオペ育児を乗り越える方法
ワンオペ育児は何かが起きたら崩壊してしまうほど、ギリギリの状態でしているということに気がつく必要があります。そしてワンオペ育児を乗り越えるためには、自分一人で抱え込まないことも必要です。
1.夫婦で育児について話し合う時間を作る
子育ては夫婦の共通の話題です。話をすることで考えを整理したり何に悩んでいるか気がつくこともできます。積極的に話し合う時間を持つようにしましょう。
2.子供と離れる
四六時中子供と一緒にいる生活になると、子供を中心に生活が回るため、自分のことは後回しになりがちです。月に1日でも半日でも子供から離れて自分の時間を作りましょう。
3.育児友達を作る
自分一人での育児は、何かあったときに対処することができません。同じようにワンオペをしている人とつながりを作っておくことで、協力し合えます。見つけることができない場合は、子育て支援センターなどで紹介してくれるサークルの行事に参加してみるのもいいでしょう。
4.便利な道具を導入する
ロボット掃除機や食器洗い洗浄機など、今やっている家事を肩代わりしてくれる便利な道具を導入しましょう。費用はかかりますが、倒れて入院したりするよりはましです。
5.家事代行サービスを利用する
掃除などはお金を出してやってもらった方が効率が良い場合があります。家事の負担が減るだけでも大きな意味があります。
6.育児や家事を視覚化する
夫に協力してもらいたいけど、どうでもいいことを手伝ってくれてイライラしてしまうために自分でやった方が早い、とワンオペ育児になってしまうことも。何ができるか、何を手伝って欲しいか、具体的に紙に書いてから振り分けると分担もスムーズです。
ワンオペ育児は、自分一人で何でもやろうとしてしまうことが大きな原因です。完璧にできないのが当たり前という気持ちを持ち、利用できることは利用するようにしましょう。
ワンオペ育児でトラブルが起きたときの対処法
ワンオペ育児は、ちょっとしたトラブルで段取りややりくりが狂ってしまいます。しかし子供はすぐ体調を崩したりしますので、あらかじめトラブルに対処できるよう準備しておくことも必要です。
託児サービスを契約する
ベビーシッターなど、時間や日で利用できる託児サービスに申し込み、普段から利用しましょう。急に子供が病気で入院することになっても、兄弟の面倒を見てもらうことができます。
人に頼る
ワンオペ育児をしていると、人に頼むことに罪悪感を抱きがちです。しかし一人でできることには限界があります。親に頼むのが申し訳ない、友達に頼むのが申し訳ない、そう思う前にまず声をかけてみましょう。断られたときはそのとき。頼る相手が多ければ多い方が、誰かは助けてくれる可能性も高くなります。
子供は今は世話がかかっても、成長していくにつれ、今度は親を助けてくれる存在になります。いつまでも続くものではない、と前向きにとらえ、一人で背負わないようにしていきましょう。