妊娠8ヶ月は赤ちゃんが外で生きていくための練習を始めたり、お母さんの体が妊娠に向けて準備を整えたりする時期。
予定日まではもう少し時間がありますが、大きくなった子宮が他の臓器を圧迫したり、おなかのハリが強かったりとお母さんにとって不安も少なくありません。
妊娠8ヶ月の赤ちゃんの様子と注意すべきおなかの張りや健康状態について見ていきます。
妊娠8ヶ月の赤ちゃんはどんな感じ?
妊娠8ヶ月になると赤ちゃんの見た目は新生児と同じようになります。外で生きていくための機能も徐々に備わってくるので、赤ちゃんの成長を感じられることも多いです。
この頃の赤ちゃんの様子を具体的に確認してみましょう。
赤ちゃんの大きさと見た目
妊娠8ヶ月の赤ちゃんはおよそ1,000~1,900gです。まだまだ小さいですが、皮下脂肪が発達して皮膚にしわができたり、産毛が生えたりして新生児と同じような見た目になります。
五感の発達
五感も発達します。光を感じ取って昼と夜を判断したり、音を聞き取って反応したりすることもあります。
主要な器官も徐々に発達
妊娠8ヶ月の赤ちゃんの臓器はほとんどが新生児と同じように発達しています。
主要な臓器も徐々に発達してきて脳の中枢神経が体の隅々までに指令を出して体を動かしたり、骨髄が血液を作り出したりするようになります。
また、呼吸の練習だと考えられてる「呼吸様運動」という横隔膜を上下させて羊水を飲んだり吐いたりする運動も行われてきます。
居場所を決める
妊娠8ヶ月になると赤ちゃんは大きくなっているので、子宮で動き回るのが難しくなってきます。また、脳も発達してくるため、それまで逆子だった赤ちゃんも自然と頭が下に向いて産まれやすい体勢となることが多いです。
しかし、妊娠8ヶ月になっても逆子の赤ちゃんもいます。この時期に逆子と判断されたら、担当医に相談してお灸をしたり、赤ちゃんに「頭を下にしてね」などと話しかけたりしても良いでしょう。
胎動に個性が現れる
胎動の回数は妊娠7ヶ月ごろがピークだと言われていますが、妊娠8ヶ月に入っても胎動は感じられます。
この時期になると赤ちゃんの感情をコントロールする大脳皮質が発達するので、胎動で個性を感じることもあるでしょう。
ドンドンとおなかを蹴ってお母さんを起こす元気な赤ちゃんがいる一方で、静かに小さくおなかを蹴る赤ちゃんもいるので、赤ちゃんの個性を受け入れてくださいね。
外の音を感じられるようになってきているので、胎動を感じたときに赤ちゃんに話しかけてあげるのも良いでしょう。
注意すべきお腹の張りとは?
妊娠8ヶ月は赤ちゃんが大きくなり、出産の準備が始まるので、お母さんがおなかの張りを感じることが多いです。
子宮が収縮することによって起こる自然な張りであれば問題はありませんが、妊娠8ヶ月になると切迫早産などの可能性もあるため、張りを感じたら様子を見てみましょう。
妊娠8ヶ月のおなかの張りについて詳しくご説明します。
妊娠8ヶ月のおなかの張り
妊娠8ヶ月になると出産の準備のために子宮が収縮を繰り返します。これが張りの原因であり、1時間に1~2回程度であれば心配しすぎることはありません。
また、妊娠8ヶ月の妊婦さんは便秘になりやすいです。子宮が大きくなって腸を圧迫し、便を上手く出せなければ、便が溜まって張りを感じることもあります。
さらに、冷え性やストレスもおなかの張りの原因です。体を温めて血行を改善したり、悩みを相談してリラックスしたりしておなかの張りを予防しましょう。
張りが出たときの対処法
おなかに張りを感じたら、しばらくは安静にしましょう。立っているのが辛いときは座ったり、寝転んだりして張りが治まるのを待ってください。
子宮の収縮や便意、血行不良、ストレスなどが原因で起こるおなかの張りはしばらく休んでいると治るので、無理をしないようにすることが大切です。
注意すべきおなかの張り
おなかの張りは子宮の収縮が原因であることが多いですが、場合によっては深刻な状況となっていることもあります。以下の項目を確認して、当てはまるものがあれば赤ちゃんとお母さんの命を守るためにも早めに受診してください。
・一時間に3回以上、一定間隔でおなかが張る
・短時間で何度もおなかが張る
・30分以上休憩しても張りが続く
・痛みを伴う
・おなかがカチカチに固くなっている
・出血がある
特に痛みを伴う張りが10分に1回以上ある場合は切迫早産の危険性があります。
妊娠8ヶ月の赤ちゃんは少しずつ臓器の機能が整ってきていますが、まだまだお母さんのおなかで成長させてあげなければなりません。
おなかの張りや痛みで切迫早産かどうかを正確に判断するのは難しいので、気になる症状があれば、早めに医師の診察を受けてください。
その他注意すべき健康状態
おなかの張り以外にも妊娠8ヶ月の妊婦さんは次のような健康状態に注意をしておきましょう。
後期つわり
妊娠8ヶ月頃は子宮が胃を圧迫し始めます。これによって胃酸の逆流や気分が悪くなったり、吐き気などつわりのような症状が現れます。
後期つわりは出産後まで症状が改善しないことが多いですが、症状がひどく食べられないときなどは健診の時に相談しましょう。
便秘や痔
妊娠8ヶ月になると子宮が腸を圧迫するようになります。腸が上手く働かず、便秘になったり、便が硬くなって痔になったりすることもあります。
便秘が気になるときは食物繊維が豊富に含まれた食材を食べるなどの対策をすると良いでしょう。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は妊婦さんの血管が痙攣する症状です。重症化するとお母さんの命も赤ちゃんの命も危なくなるので、定期的に血圧をチェックしたり、決められた日に受診したりして健康管理をしてください。
楽しく出産を待とう
妊娠8ヶ月は赤ちゃんの成長を感じられる時期です。もう少ししたら、赤ちゃんに会えるので、赤ちゃんに話しかけたり、赤ちゃんグッズを購入したりしながら、楽しく出産を待ちましょう。
時間があるときは赤ちゃんに話しかけてあげたり、おなかをさすってあげたりするのも良いですね。