理解する力と伝える力を育む、子供の「語彙」を増やす方法

子どもが話すようになったら、語彙を増やしてあげたいと思うお母さんやお父さんは多いのではないでしょうか。

語彙力が高ければ、文章の理解力や自分の気持ちを伝える力も高まり、コミュニケーションなどに役立ちます。

ところが、子どもとたくさんお話をしたり、読み聞かせを習慣づけたりしても、子どもの語彙が増えていないと感じることも少なくありません。

子どもの語彙はどのようにしたら増やせるのか、増やす方法をご紹介いたします。

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そもそも「語彙」とは?

語彙を増やすことは大切だとわかっていても、語彙とは何なのかわからないというお母さんやお父さんもいるかもしれません。

まずは語彙の意味について確認してみましょう。

「語彙」は「ボキャブラリー」とも呼ばれており、言語や人が持っている単語の総称です。

わかりやすく言うと日本語が持っている単語の数やAさんが知っている単語の数を意味しています。

つまり、「私」や「話す」などの単語は日本語の語彙の一部であり、この意味を知っている人の語彙の一部です。

理解する力と伝える力を育む、子供の「語彙」を増やす方法

語彙が少ないとどうなるの?

最近、日本では子供たちの語彙が減っていると心配されています。

語彙が少なければ、どのような影響があるのでしょうか。

語彙の少なさが及ぼす悪影響は主に次の2つです。

理解する力が下がる

語彙が少なければ当然、理解する力は下がります。

子どものころに大人の意思をくみ取れなかったり、お友達の言っていることが分からなかったりすると子供にとっても辛いでしょう。

学校の勉強についていけなくなる恐れもあります。先生の言っていることや教科書に書かれている内容がわからないと成績も上がりにくいでしょう。

国語で物語の主人公の気持ちを理解できなかったり、算数の文章問題を読み取れなかったりするのは語彙の不足も影響していると考えられています。

伝える力が育まれない

語彙が少ないと自分の意思を伝えるのも難しくなります。

自分の意思を伝えられなければ、親子のコミュニケーションがうまくいかなかったり、お友達との喧嘩が増えたりすることもあるでしょう。

伝える力の不足は大人になってからも悪影響を及ぼします。

例えば、会社のプレゼンで自分の意見を上手く提案できなかったり、商品の広告を作るときに適切な言葉を選べなかったりするとビジネスチャンスは減ってしまいます。

さらに、会話が魅力的でなければ、恋がうまく進まなかったり、友達をたくさん作れなかったりすることもあるかもしれません。

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子供の語彙を増やす方法

語彙が少ないとさまざまな面で悪影響です。

子どもが言葉を覚えるようになってきたら、少しずつ語彙を増やすトレーニングをしていきましょう。

子どもの語彙を増やす体験としては次のようなものがあります。

繰り返し言葉を教える

子どもが言葉を理解するようになってきたら、繰り返し同じ言葉を使って単語を教えてあげましょう。

例えば、子どもが何かを指さしたときや、じっと何かを見ているときは「あれはカーテンだよ」、「あれは雲って言うんだよ」と優しく教えてください。

1回で単語を覚えるのは難しいので、「今日の雲は犬に似ているね」などと会話の中で何度も繰り返して言葉を身に付けてあげることが大切です。

しりとりをする

子どもの語彙が増えてきたら、しりとり遊びを取り入れましょう。単語の意味を分かっている子どもでも、それを使えるようになるためには時間がかかるので、しりとり遊びで言葉を引き出してあげると語彙力の向上に効果的です。

また、しりとりをすることによって大人が使う言葉にも触れることができるため、理解できる単語の数も増やせます。

読み聞かせをする

絵本は子どもの語彙力や想像力を高めるために効果的です。1歳ごろから興味を持ちそうな絵本を用意し、読み聞かせを習慣化すると良いでしょう。

たくさんの本を読んであげるのも良いですが、同じ本を繰り返し読むのもおすすめです。

何度も繰り返して読むことで徐々に絵本に登場する単語を理解できるようになるでしょう。

体験を通して言葉を覚えさせる

たくさんの体験をさせてあげることも大切です。

例えば、紅葉の葉は秋になると色が変わって美しいと教えても、その状況がわからなければ、子どもには紅葉がどのようなものか理解しにくいです。

家族でお出かけをして実際に紅葉を見せると状況がわかって、語彙力の向上にもつながるでしょう。

理解する力と伝える力を育む、子供の「語彙」を増やす方法

比喩を使う

比喩を使うと状況をわかりやすく伝えられます。

例えば、「芝生」というよりも「緑の絨毯のような芝生」と言うとイメージが伝わりやすいです。

しかしながら、比喩は簡単に使いこなせません。大人でも比喩を使いこなせない人もいるので、子どもの間から比喩に触れさせてあげましょう。

親子でいる時に美しい景色を見たら「~のようにきれいだね」などと子どもに話しかけると自然に比喩を身に付けられます。

辞書を使える環境を整える

言葉の意味を正しく理解するためには辞書を使いたいです。

しかし、「辞書を使いなさい」と言っても素直に辞書を使ってくれる子どもは多くありません。

子どもが辞書を引く頻度は親が辞書を引く頻度に比例するとも言われているので、子どもが小学生になったら、親が辞書を引いている姿を見せてあげましょう。

リビングなどに国語辞典を置いておき、わからない単語が出たときにすぐに調べられる環境を整えるのもおすすめです。

日記をつける

子どもがインプットできた単語をアウトプットするためには時間がかかります。

単語を使いこなすためにはアウトプットが大切ですが、アウトプットの手助けとなるのが日記です。

毎日、日記を書く習慣をつければ体験したことや思ったことを正しい単語を使って表現するための練習になるでしょう。

子どもが小学校高学年になるまでは親子で交換日記をしても楽しいです。子どもが成長したら、プライバシーを守るためにも日記を覗かないようにしてくださいね。

理解する力と伝える力を育む、子供の「語彙」を増やす方法

親子で楽しく語彙を増やそう

理解する力や伝える力を育てるためには語彙を増やすことが大切です。

子どもが言葉を理解できるようになったら、親子で楽しんで増やしていってみてください。

日常生活でさりげなくたくさんの言葉を教えてあげることで、子どもも親も楽しみながら学習ができますよ。