授乳中にインフルエンザ感染!治るまで母乳育児はできないの?

育児や家事に追われて忙しくしていると、お母さん自身の体調は後回しになりがち。急に高熱が出て寒気がし始めたらインフルエンザを疑ってみてください。インフルエンザにかかってしまったら母乳は続けられるのか…まずはしっかり対策を考えておくことが大切です。赤ちゃんや家族に感染を広げないようにするために、インフルエンザの予防法についても復習していきましょう。

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まずはお母さんが受診を!

インフルエンザの流行は、毎年11月ごろから感染者が増え始め、1〜3月にピークを迎えるとされていますが、ここ最近では新型インフルエンザウイルスが出現したため、その時期以外でも感染者がみられるようになってきています。

インフルエンザの主な症状としては、寒気を伴った高熱(38℃以上)、関節痛や筋肉痛、頭痛、全身の倦怠感などです。インフルエンザウイルスの検査は、高熱などの症状が出始めてから12時間後くらいから陽性判定ができるようになるとのことなので、しっかり対策を考えながら受診の準備をしていきましょう。

受診の際には、必ずマスクを装着し、インフルエンザの可能性があること、授乳中であることを確実に伝えましょう。不安であれば、事前に病院に電話をして受診の仕方を確認しておくと安心です。

また、インフルエンザの季節に小さなお子さんを一緒に病院に連れて行くのはなるべく避けた方が良いでしょう。病院にはいろいろなウイルスが飛んでいますので、可能であれば家族や知人に見ていてもらうのがベストです。

授乳中にインフルエンザ感染!治るまで母乳育児はできないの?

ウイルスや薬が乳汁移行する可能性は?

インフルエンザウイルスは気道などの粘膜で増殖するウイルスのため、血中には影響せず母乳にウイルスが移行することはないと考えられています。

また、リレンザやイナビルといった吸入タイプの治療薬は、気道などの患部に留まり効果を発揮するものなので体内に吸収される薬の量はわずかだとされています。

タミフルのような内服薬の場合、微量ながら母乳に移行することが確認されていますが、その濃度はごくわずかなため赤ちゃんには影響がないと言われています。しかしタミフルの使用に関しては医師によって見解が違っていることがあるので、主治医としっかり相談してから選択するのがよいでしょう。

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インフルエンザ感染時の授乳の注意点

インフルエンザは高熱が出て体力を消耗します。特に吐き気や食欲低下がある場合は、まずはお母さん自身の体力を温存・回復しなければなりません。赤ちゃんメインの生活リズムでは授乳にも体力・気力が必要ですし、体も辛くて睡眠も十分に取れないでしょう。まずは、家族や周囲の人に頼めることはないか考えましょう。家事でも買い物でも、お母さんの負担をまず減らすことが先決です。

厚生労働省では、新型インフルエンザ感染中の授乳について、抗インフルエンザの薬を2日以上服用していること、平熱に戻っていること、咳や鼻水がほとんどないことの3条件が、感染のリスクが減っている目安だとしています。つまりその条件になるまでは直接授乳する際に感染してしまうリスクが高いということになります。

感染時に赤ちゃんに直接母乳をあげる際は、必ず手洗い・うがいをする、使っているタオルを共有しない、マスクを正しくつける、長時間接触しないことに注意して慎重に行いましょう。

インフルエンザウイルスの感染は空気感染・飛沫感染・接触感染で起こるため、赤ちゃんを抱っこして授乳するという行為自体が感染のリスクになります。周囲に手伝ってくれる家族や知人がいるのであれば、母乳を搾乳したり、一時的にミルクに切り替えて与えてもらうという選択肢も検討しましょう。

授乳中にインフルエンザ感染!治るまで母乳育児はできないの?

インフルエンザの予防方法をおさらい

大切な家族にインフルエンザをうつさないためにも、基本的な感染予防の方法をきちんとおさらいしておきましょう。特に小さい赤ちゃんのいる家庭では、どんな病気も脅威になりますので1年中ウイルス対策をしておくのが賢明です。

手洗い・うがい

手洗いやうがいはこまめに行い、ウイルスを洗い流しましょう。手についたウイルスが口や鼻などの粘膜に付着すると感染するリスクが高まります。忘れがちな爪の間や指の間なども念入りに洗いましょう。外出時はハンディタイプの手指消毒薬などを持ち歩くと安心です。すぐに口に入れてしまう赤ちゃんの手も、水で濡らしたガーゼなどでこまめに拭いてあげてください。うがいができない場合は水分をとらせて喉の乾燥を防ぐようにしてください。

マスク

外出時やインフルエンザ罹患時は、マスクをして感染を防ぎましょう。ガーゼ素材ではなく不織布のマスクを使用し、鼻や口周りに隙間のできないようにしっかり顔にフィットさせることが重要です。咳やくしゃみは2m先まで届きます。インフルエンザになってしまったらエチケットとして室内でもきちんとマスクを着用しましょう。可能であれば、感染者は他の家族とは別の部屋にいるようにし、食事や入浴なども別々にしたほうが良いでしょう。

インフルエンザワクチン

インフルエンザが流行する前にワクチンを接種しておくことをおすすめします。摂取すれば絶対感染しないというわけではありませんが、症状が軽く済むと言われていますので子育て中でなかなか休めないお母さん達には有益だと思います。赤ちゃんも生後6ヶ月以降から接種できますが、1歳未満ではあまり効果がないという報告もありますので、まわりの家族が予防接種をして赤ちゃんへの感染経路を作らないことが先決のようです。もちろん授乳中のお母さんでも接種できますので、時期をみてかかりつけ医に相談してみてください。

換気・加湿

インフルエンザウイルスは「低温・低湿」の環境を好むウイルスで、乾燥した粘膜を好んで増殖していきます。冬でも部屋の空気はこまめに入れ替え、加湿器や濡れタオルなどでしっかり加湿しましょう。厚生労働省によると、湿度は50%〜60%にするのが適しているとされていますので、加湿計などを確認しながら適切な環境に整えましょう。

お母さん自身がインフルエンザに感染してしまったら、赤ちゃんや家族の世話なども思うようにいかず苦労してしまうかもしれません。まずはお母さん自身の体力をしっかり回復させて、他の人にお願いできることは任せるようにしましょう。そのためにも普段から、旦那さんや家族に身の回りのことは自分自身でできるようにしてもらったり、手伝いをしてもらうなどして家の中のことをお願いできる状況にしておくことも大切ですね。