子供を育てたことがある人なら、赤ちゃんが誤飲した、またはしそうになったというヒヤリハットを経験したことが必ずあると言ってよいほど、赤ちゃんの誤飲は多く発生しています。
特に、何かを握れるようになったり、自分で移動できるようになると誤飲に注意が必要になります。赤ちゃんの誤飲に気を付けてはいても、大人の目線では気づかないような物を目ざとく見つけてしまうのが赤ちゃんです。そんな事態にも慌てないよう、今日は赤ちゃんの誤飲についてお話していきましょう。
赤ちゃんが誤飲しやすいものと時間帯
誤飲事例として報告されているものには、以下のような物があります。
・たばこやたばこの吸い殻
・医薬品や医薬部外品
・硬貨
・おもちゃ(ビー玉、つみき、ミニカー、ボール、ままごとなど)
・ペットボトルの蓋
・ボタン電池
・洗剤
・乾燥剤
・消臭剤
・紙類(テッシュペーパーやシールなど)
他にも色々あるのですが、主な物を紹介しました。小さな物から予想以上に大きなものまで様々ですね。人差し指と親指で輪を作った時の大きさくらいの物は、赤ちゃんが飲み込む危険があるのです。意外と大きくて驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。小さい物だけに気を付けていると思わぬ事故に繋がりますので、人差し指と親指で丸を作り、確認する方法を覚えておくと便利ですよ。
次に赤ちゃんが誤飲しやすい時間帯ですが、誤飲が多い時間帯は17時から22時といわれています。ちょうど、大人が夕飯やお風呂でバタバタしている時間帯ですね。忙しくて大人の目が行き届かなくなる時間帯ほど、赤ちゃんの周囲に気を配る必要があるのです。
赤ちゃんが誤飲してしまったら?
赤ちゃんが誤飲してしまった時は、落ち着いて「何を」「どのくらい」飲んだのか確かめることが大切です。赤ちゃんの口の中をチェックして、何を飲み込んだのか確認しましょう。その際、口の中に誤飲した物が残っていた場合には、かきだしてあげてください。
何を飲み込んだのか分からない場合には、残された袋やかけら、何かの液体を誤飲したようであれば、液体が染み込んだ服などを観察し、誤飲した物を特定するようにしましょう。
自宅で様子を見ても良いのはどんな時?
おもちゃを誤飲したけれど、すぐに吐き出させることが出来た場合や、誤飲した物が少量の紙類などの場合、誤飲した物を取り除いた後は自宅で様子を見ましょう。ただし、顔色が悪くなったり、ぐったりしてくるようなことがあればすぐに病院を受診するようにしましょう。
受診すべき場合と、受診前の準備
誤飲後、けいれんを起こしたり、意識がないような場合は迷わず救急車を呼んでください。
また、薬品やたばこを誤飲した場合には、以下の電話相談を活用することをオススメします。
・日本中毒情報センター(中毒110番)
大阪中毒110番 (24時間対応) 072-727-2499
つくば中毒110番(9時~21時対応) 029-852-9999
・日本中毒情報センター「たばこ専用相談電話」
072-726-9922 (24時間 テープによる一般向け情報提供)
誤飲した内容によっては吐き出させて良い物や悪い物、また、水を飲ませた方が良い場合など様々ですので、安易に自己判断することなく、専門家の指示を仰いだ方が安心です。
病院を受診することになった場合には、以下のものを準備するようにしましょう。
・健康保険証
・母子健康手帳
・お薬手帳
・医療補助券
・着替えやおむつなど
・お金
・誤飲した物がわかればその実物、わからない場合は吐しゃ物など
赤ちゃんの誤飲を防ぐ為には
赤ちゃんの誤飲を防ぐ為には、日頃から以下のようなことに気を付けるようにしましょう。
たばこや灰皿は赤ちゃんの手の届かないところに
赤ちゃんの誤飲報告件数が多い物はたばこです。赤ちゃんがいなかった頃と同じように、テーブルの上に何気なくたばこを置いてはいませんか。たばこには気を付けていても灰皿は忘れていたということもあります。灰皿に残っていたたばこの灰を赤ちゃんが舐めてしまうことも大いにあり得ますからね。赤ちゃんが生まれたら、たばこの取り扱いには特に注意するようにしましょう。
引き出しや扉には安全ロックをかける
ハイハイが出来るようになったり、一人で移動できるようになると、手の届く範囲の物は何でも危険な場所になります。赤ちゃんの成長はあっという間ですので、昨日まで引き出しを開けられなくても、今日はすんなり開けてしまったということもあるのです。
赤ちゃんが自分で移動できるようになったら、赤ちゃんグッツを取り扱うお店などで安全ロックを購入し対策しましょう。特に、洗剤や薬が入っている扉や引き出しなどは簡単に開けられないようにすることが大切です。
おもちゃの取り扱いに気を付ける
赤ちゃんが誤飲しやすい物でお伝えしましたが、人差し指と親指で作った丸より小さなものは誤飲する危険性が高いですので、小さすぎるおもちゃはNGです。やむを得ず与える際には、赤ちゃんを一人にしないようにすべきです。
また、赤ちゃんのおもちゃには気を遣っていても、上に兄弟姉妹がいる場合には、上の子のおもちゃが誤飲の原因となることがありますので、併せて注意するようにしましょう。