怪我をした手で触ってしまった、鼻血が出たなど、衣類に血液がついてしまうことがあります。多くの場合は予想外のハプニングですから、焦ってしまうかもしれません。血液の汚れは迅速かつ正しい洗い方をすれば、大半が取り除けます。すぐに対処できるよう、血液の汚れを落とす方法を身につけておきましょう。
今回は衣類についた血液汚れを落とす方法を解説します。
血液汚れの放置は危険!
血液汚れは、他のシミと同様にすぐに対処することが大切です。血液は主にタンパク質でできています。タンパク質の汚れなのでアルカリ性の洗剤で落とすことができます。
血液汚れは時間が経つとタンパク質が変質して落ちにくいです。赤黒くなり布地に染み込んで中々取れません。そのため血液汚れの洗濯は血液が濡れているうち、鮮やかな色をしている時に素早く洗うとキレイに落ちます。
用意するものと漂白剤選びの注意点
シミ抜きに用意するもの
血液汚れのシミ抜きには「水」「漂白剤」「綿棒」を使います。漂白剤の代わりにシミ抜き用の専用洗剤を使っても構いません。範囲が狭い場合には、シミ抜き洗剤の方が使いやすいかもしれません。
使用する水は常温の水道水か、人肌より温度の低いぬるま湯が適しています。熱いお湯は向きません。
漂白剤の選び方
血液汚れには「酸素系漂白剤」を使用します。
漂白剤には塩素系と酸素系の2種類があり、塩素系の方が汚れの分解や殺菌効果が高く、その分衣類への負担も大きくなります。酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムを主成分とした汚れを分解する漂白剤です。酸素系漂白剤は塩素系よりも衣類を傷めにくく、色柄のある衣類にも使用できます。
酸素系漂白剤には粉末と液体があります。血液汚れに使いやすいのは液体タイプ。血液に直接塗布できるため、漂白したいところをピンポイントで狙えます。洗濯前にさっとシミ抜きしたいときに便利です。
液体の酸素系漂白剤は過酸化水素が主な成分です。過酸化水素は液体の状態だとアルカリ性の性質を持っています。そのため、シミ抜きをした後で普通の洗濯用洗剤を使って洗濯をすることができるのです。
酸素系漂白剤が手元にない時には、消毒液や消毒用オキシドールでも代用可能です。シミ抜きの効果は漂白剤より劣りますが、体や環境に優しくシミ抜きができます。
シミ抜きの前に
血液汚れを落とす前に、衣類の洗濯マークを確認しましょう。水の張ったタンブラーに×マークが書いてありませんか?このマークがあれば、水洗いそのものができません。
色落ちチェック
色柄のある衣類は、漂白剤を使用すると色落ちする恐れがあります。漂白作業に移る前に、色落ちがないか確認しましょう。
1.白い布巾やタオルを濡らします。
2.洗う衣類の外から見えづらい部分をポンポンと叩きます。
3.布巾やタオルに衣類の色が移っていないか確認します。
布巾やタオルが白いままなら、血液汚れを漂白しても大丈夫です。
血液汚れを落とす手順
1.水洗いする
血液汚れは、血液が乾かないうちに水洗いします。水かぬるま湯でしっかりとすすぎ、血液の部分をできるだけ薄くします。ゴシゴシ擦るというよりは、多くの水で洗い流すイメージです。
2.液体漂白剤を塗る
液体の酸素系漂白剤を塗布していきましょう。
ゴム手袋をして漂白剤を用意します。血液汚れの範囲が広い場合は漂白剤の蓋からそのまま、狭い場合は綿棒に染み込ませて汚れているところにチョンチョンと塗ります。
塗ってすぐに色が薄くなるようなら、漂白剤を何度か重ねてつけます。この時点で落ちれば水ですすいでシミ抜き完了です。
3.つけおき
漂白剤を塗ってすぐに落ちない、または血液の周囲だけ残ってしまった場合は、普段の衣料用洗剤を組み合わせて使います。バケツやたらいに水を張り、中性洗剤を溶かします。漂白剤を塗った衣類を入れて、2時間程度までつけおきます。つけおきが終わったら水ですすぎます。
なお、色落ちしやすい素材の衣類はつけおきするのを控えましょう。
4.いつも通り洗濯する
つけおき洗いまでで、大部分の血液汚れは落ちます。しかし、血液汚れの範囲が広い場合や汗をかいた衣類であれば綺麗に洗いたいですよね。酸素系漂白剤は他の洗剤と組み合わせて使用することができるため、シミ抜きをした後に洗濯が可能です。
血液汚れのシミ抜きをした後で、他の衣類と洗濯機で洗いましょう。デリケートな素材なら手洗いか、専用の洗剤を使います。洗剤は普段使っている中性洗剤で良いです。
漂白剤以外で血液汚れに使える洗剤
血液汚れがついてしまい、家に漂白剤がない場合もあります。
そんな時に代用できるのが
・シャンプー
・石鹸
・重曹
・セスキ炭酸ソーダ
です。
シャンプーや石鹸は皮脂を洗浄する作用があり、中性洗剤よりも血液の汚れ落ちが良いです。重曹やセスキ炭酸ソーダは人体への影響がほとんどないので、子供用の衣類でも安心して洗えます。