生理がなかなか来ないときは、もしかして妊娠?と心配になってしまいます。妊娠しているのなら薬の服用や飲酒を控えるなど、体調を整えなければなりませんが、妊娠初期の症状は、生理前の症状や風邪の症状にも似ているため、判断が付きにくいことがあります。
また生理が来ないからと言って、妊娠しているとも言い切れないこともあります。そこで今回は、妊娠しているかどうかを確認する方法や、妊娠初期に現れる症状について詳しくご紹介します。
妊娠初期症状が現れるのはなぜ?
妊娠すると、母体は赤ちゃんを子宮の中で育てるための準備を始めます。受精卵が子宮内膜に着床することで、ホルモンの分泌が変化するため、体に様々な変化が起きます。その変化を受け入れるために起きるのが、妊娠初期症状と呼ばれるものです。
妊娠は最終生理の開始日から数えるので、妊娠したかも?と感じた時点で、そのときにはもう終わっている生理の初日から数えることになります。
これを妊娠0週とし、排卵日が2週目、着床する3週目は、通常の生理開始日とほぼ重なるため、生理が来ないのは妊娠の可能性が大きいと考えられます。
妊娠初期症状はこの妊娠3週目から起きることが多く、着床による刺激で、ホルモン分泌の変化が起きるためですが、誰しもに同じ症状が起きるわけではなく、妊娠5週、6週に入ってから起きるという人もいます。
さらに生理は体調や精神的な影響で変化するため、生理が来ていないから妊娠しているとは言い切れません。いくつかの初期症状から当てはまるかどうかを判断する必要があります。
妊娠かもと思った時にチェックしたい症状
妊娠している可能性がある場合、妊娠、出産に向けた体調管理や気持ちの整理なども必要になるため、妊娠しているかどうか体に起きている症状をチェックする必要があります。
1.頭痛がする
妊娠し、ホルモンバランスが妊娠に向けたバランスに変化することから起き、多くの妊婦さんが経験する症状です。
2.腹痛がある
ちくちくと刺すような痛み、また収縮するような痛みがお腹に起きます。子宮周辺に起きる痛みの場合は、受精卵が着床の際に起きる着床痛のことも。ただし月経前に起きる腹痛とよく似ているため、これだけでは判断が難しい症状です。
3.おりものがいつもと違う
排卵後、おりものは量が減り、粘り気の多いものになりますが、妊娠しているとおりものの量が増え、水っぽくさらさらした状態になることがあります。
4.胸が張る、傷みがある
生理前にも同じような症状が現れますが、妊娠している場合には、生理予定日を過ぎても同じ症状が継続します。これは乳腺が発達することによる痛みによるものです。
5.出血がある
生理前に起きる不正出血と似ていますが、妊娠している場合に起きる出血は、着床出血によるものです。受精卵が子宮の壁に着床する際、絨毛と呼ばれる根を伸ばし、これが子宮内膜を溶かすために起きます。出血量は少なく、2,3日で止まることがほとんどです。
6.つわりによる吐き気
気持ち悪さと吐き気が伴うつわりは、妊娠の初期症状でも起きることがあります。吐き気だけでなく、食べないと気持ちが悪くなる、また食べ物や特定のものの臭いをかぐと気持ち悪くなるつわりもあります。
7.微熱が続く
高温期が続くことで起きる微熱を感じることがあります。風邪の症状にも似ているほか、生理前でも同じように微熱が続くこともありますので、判断が難しい症状です。
8.腰が痛む
腰がだるい、また腰痛になるといったことも妊娠の初期症状の一つです。妊娠すると出産に向けて骨盤の関節や靱帯が少しずつ緩められていきます。そのため腰痛が起こります。こちらも生理前に同じような症状が起きることがあります。
9.胃の痛み
ホルモンのバランスの変化で、黄体ホルモンが増えると、胃や腸の働きが低下するため、胃が重い、また痛みを感じることがあります。
10.貧血の症状
妊娠すると、胎児の成長のために必要となる血液量が増えるため、貧血の症状が起きることもあります。
11.肌荒れ
吹き出物が出る、また肌が乾燥するなど、いつもとは違う肌の変化が現れることもあり、ホルモンのバランス変化が影響しています。
12.体がむくむ
妊娠すると増える黄体ホルモンには、体内に水をため込む働きがあるため、むくみが起きやすくなります。
13.精神的に不安定になる
ちょっとしたことでイライラする、涙もろくなる、不安に苛まれるなど情緒不安定になるのも妊娠の初期症状に見られます。これも生理前に起きる症状とよく似ています。
14.眠気がひどくなる
妊娠すると増える黄体ホルモンには、睡眠をもたらす働きもあり、猛烈な眠気に日中襲われることもあります。
15.頻尿や便秘、下痢
胃腸に影響を与える黄体ホルモンは、胃や腸の働きの低下と共に、便秘や下痢になりやすくなります。排便に必要な水分が体にため込まれることや、子宮が大きくなり膀胱が圧迫されることが原因です。
さらに基礎体温を付けている場合、高温期がずっと続くようなら、妊娠しているといえます。
生理前の症状との違いは?
妊娠初期症状は、生理前の症状とよく似たものが多く、判断が難しいことがほとんどです。しかし妊娠初期と生理前の症状で、確実に違うものもあります。
下腹部痛の違い
生理の場合、子宮内膜は受精しなかったことではがれ落ちますが、このとき子宮は収縮することで子宮内膜をはがそうとするため、痛みが起きます。逆に妊娠した場合は、子宮を広げようとする働きが強くなるので、子宮を伸ばすような痛みが起きます。
食べ物の変化
生理前には甘いものを食べたくなりますが、これはストレスの原因となるホルモン、コルチゾールが糖を必要として指示を出すことにより起きます。しかし妊娠していると甘いものが食べたくなるといったことだけでなく、今まで好きなものが嫌いになる、また嫌いなものが好きになるなど、明らかな食の変化が起きます。
おりものの変化
生理前と妊娠初期には、いつもとは明らかに色、量、感触に違いが生じます。
生理前の初期症状では今まで感じたことのない症状が出ているのであれば、妊娠している可能性も高いと言えます。
妊娠検査薬はいつから使える?
妊娠初期の兆候があり、いつもと違う症状もあるという場合、できれば早く妊娠しているかどうか確認したいもの。そんなときに役立つのが妊娠検査薬です。
妊娠したときに分泌される、尿中のホルモンの濃度で判断する検査薬ですが、着床してすぐの場合は尿にホルモンが出てきていないため、検査をしても分からないことがほとんどです。
通常は生理予定日から1週間経過した後使用しますが、予定日に検査が出来るフライング検査薬もあります。ただし妊娠初期はホルモンバランスも不安定な状態であり、見間違える可能性も大きいので、必ず生理開始予定日の1週間後以降に使用するようにしましょう。
妊娠と共に変化する体は、様々な変化をもたらしますが、生理前のものとよく似ているため、うっかり薬を飲んでしまったということもあり得ます。ただし初期の場合でしたらそれほど大きな影響はありませんので、必要以上に心配し、ストレスをかけないようにしましょう。