急に子供が「足が痛い」と訴えてくると親としては不安になりますね。子供は男の子も女の子も激しく動きますし、視野も狭いため、いろんなところに体をぶつけることも多く、知らない間にアザになっていることも多いもの。でもどこかにぶつけたわけでもないのに、痛みを訴えてきたら、もしかしたらそれは「成長痛」かもしれません。痛い痛いという子供は見ていてかわいそうになりますが、それは成長の証。そこで今回は成長痛の原因や痛がる場合にできる対処法をご紹介したいと思います。
「成長痛」とは?
成長痛とは身長が急激に伸びてくる、いわゆる成長期に膝など足が痛くなる現象です。
成長痛は決して病気ではなく、成長期の子供に見られる症状の総称です。
日中は何ともないことが多く、夜から明け方にかけて何の前触れもなく突然足の痛みを訴えます。
基本的に痛みは短時間で、翌日への支障はありません。
病気ではありませんから、痛みに慌てて病院を受診して検査を受けても原因は見つかりません。
成長痛の原因と症状
成長痛の原因は、ズバリ子供の体が成長することによって起こります。
なぜ起こるのかという根本的な原因ははっきりとはわかっていません。
子供の身長が伸びるとき、骨の軟骨部分である骨端線が成長します。
この骨端線は急激に成長するため、その成長に伴って腱を通じて筋肉が引っ張られ、骨と筋肉がくっついている部分に炎症が起こり、成長痛といわれる痛みがあらわれてしまうといわれています。
成長痛の主な症状は、
・夕方から夜、明け方に足の痛みを感じる
・膝や股関節に痛みを感じる
・かかと、甲に痛みを感じる
多くの子供は特に膝に痛みを感じるようです。
痛みを感じる時間は個人差がありますが、30分から長くても1時間程度です。
この間ずっと痛みを感じるというよりは、5分置き位に痛みが出たり治まったりと波が繰り返すことがほとんどです。
また心因的なものが原因となって成長痛の症状があらわれることがあります。
実は成長痛のほとんどが、体が成長するからではなく心因的なものが大きな影響を与えているともいわれています。
つまり親にかまってほしいという気持ちが足の痛みとなってあらわれるのです。
痛みを訴えると親が自分にかまってくれるということがわかっているのです。
子供が足を痛がる場合、成長期であれば成長痛である可能性がありますが、疲労であったり何らかの病気である可能性もありますから、様子をしっかり見て観察することが大切です。
成長痛の対処法
足を痛がる子供を見ているのは親としてはとても辛いものがありますし、何とか楽にしてあげたいですね。
病気ではないため、病院を受診しても特に治療薬などはありません。
基本的には対処療法しかありません。
痛い部分を冷やす
成長による筋肉などの炎症によって痛みを生じるため、痛みを感じる部分を保冷剤などで冷やしましょう。
冷やすことで炎症が緩和され、痛みが和らいできます。
訴える痛みは短時間で波がありますから、痛いときだけ保冷剤などを当て、痛みの波が治まったら保冷剤などを外しましょう。
保冷剤を長時間当て続けると、その部分が凍傷を起こす恐れがあります。
スキンシップをとる
親に甘えたいという気持ちから痛みを訴えることもあります。
子供が嘘をついているということではなく、実際に痛みは感じています。
ギューッと抱きしめてあげたり、膝の上に座らせるなどの身体的なスキンシップと併せて、子供の話をじっくり聞いてあげてください。
特に下に赤ちゃんが生まれたり、お母さんが仕事を始めて一緒にいる時間が少なくなってしまったなど、子供にとって環境の変化がある場合には、こういった成長痛の症状があらわれることがあるようです。
ゆっくり休む
昼間の動き回るような遊びをいったんストップし、数日ゆっくり休みましょう。
昼間の動きすぎによる疲労を回復させることで、痛みの緩和につながります。
何もしない
あまりにも強い痛みを訴えるようなら別ですが、少し痛みがある程度なら何もせず、気にかけてあげるだけで大丈夫です。
成長とともに自然に治まりますし、気にかけてもらえているという安心感で痛みが和らぐこともあります。
成長痛以外の病気
成長痛同様に足に痛みを訴える病気にオスグッド・シュラッター病があります。
これは、成長期の子供に起こるスポーツ障害で、軟骨と腱が剥離するために痛みが出ます。
バスケ、バレーボール、陸上、サッカーなど跳躍や蹴る動作を行うことで発症することが多い病気です。
症状としては、膝の痛みや腫れが特徴です。
スポーツを休むと症状は改善しますが、再開すると再び症状があらわれます。
非常に頻度の高いスポーツ障害ですから安静にし、ストレッチやマッサージすることで治ります。
オスグッド・シュラッター病以外にも、1日中足の痛みがあったり、その痛みがひどくなってくる、歩き方がおかしいなどの異変を感じたら、関節や骨の病気である可能性もあります。
子供の足の痛みはよく観察してあげてくださいね。