母乳やミルクを飲んだ後、ママが赤ちゃんにしなければいけないことといえば「げっぷ」。縦に抱っこして、背中をとんとんし、げっぷをさせて寝かせるというのが通常ですね。ですが、なかなか上手にげっぷが出ず、困っているママも多いのではないでしょうか。そこでここでは、げっぷがどうして必要なのか、どうしてげっぷが出ないのかなどを解説します。
赤ちゃんにげっぷをさせる必要があるのはなぜ?
母親学級や産婦人科では、母乳やミルクを飲ませた後は必ずげっぷをさせるように指導がされます。どうして赤ちゃんにげっぷが必要なのかということを理解しているママは意外と少ないと思います。
ママのお悩みでも多いげっぷ。
げっぷというのは飲んだり食べたりしたときに空気が一緒に胃の中に入り、それが口から排出される現象です。赤ちゃんにげっぷが必要なのは、主には「吐き戻しを防ぐため」、「気管に詰まることを防ぐため」、「消化吸収のため」、「空気によるおなかの圧迫を防ぐため」の4つがあげられます。
授乳後にげっぷをしないと、胃から母乳やミルクが逆流し吐いたり、気管に入り込んで窒息の危険性がでてきます。口から吐くとせっかく飲んだ母乳やミルクを胃で吸収できなくなります。
またげっぷが出ずにおなかに空気がたまると苦しくて機嫌も悪くなってしまいます。
このようなことから、授乳後は特にですが、げっぷをさせるのがいかに大切かわかりますね。
げっぷが出ない時に考えられる理由
どれだけ背中をトントンしても出てくれない、そんなときにはこのような理由が考えられます。
・母乳やミルクを飲む量が少ないので飲み込む空気の量も少ない
・うまく縦抱きできていない
月齢が小さいうちは、飲む母乳やミルクの量が少ないのです。ということは一緒に飲み込む空気の量も少ないということになるのでげっぷとして吐き出す空気がないということが考えられます。
もう一つが、げっぷを出しやすい体勢である縦抱きがうまくできていないことが考えられます。
特に首が座る前の月齢では、首が安定していないので気道がまっすぐになっていなかったり、ママの肩で気管が圧迫されてうまく出せないことがあります。
げっぷが出ない時の対処法
げっぷが出ない時の対処法をご紹介しましょう。
げっぷが出なくても赤ちゃんの背中を強くたたいたり、出るまでたたき続けることはNGです。
抱っこの姿勢を変える
通常通り縦抱きにし、背中をトントンしてもげっぷが出なかったら、一度横抱きにして再度縦抱きにしてみましょう。体勢を変化させることで出ることもあります。
背中を下から上にさする
トントンしてもげっぷが出ないなら、縦抱きにしたまま下から上に向かって優しくさすってあげましょう。数回さすっても出ないのであれば、いつまでもさすり続けるのは赤ちゃんの負担になりますから10回ほどを目安にするとよいでしょう。
丸く抱っこする
縦抱きにした時の足は伸びていますが、腕に赤ちゃんを座らせるイメージで、背中を丸くさせるように抱っこしましょう。赤ちゃんの足がおなかを圧迫するのでげっぷが出やすくなります。
右側を下にして寝かせる
右側が下になるように赤ちゃんを布団に寝かせましょう。転がらないように背中に丸めたバスタオルを当てておきます。
右側を下にすると消化もしやすくなりますし、万が一吐き戻ししたとしても気管に入るのをふせぐことができますよ。
諦めも肝心
授乳後にげっぷが出なくて、躍起になってげっぷをさせようとするママもいますが、必死さが赤ちゃんに伝わって、ストレスを感じてしまうこともあります。
げっぷは出ないこともあるんだ、という諦めも時には必要です。
ママが気づかなかっただけですでに出ていた、空気をほとんど飲み込まないで上手に飲めたということも考えられますね。いくつかの対処法でもげっぷが出なかったのであれば、ママと赤ちゃんのストレス軽減のためにも諦めましょう。
げっぷが出ているのに吐き戻してしまう
げっぷをきちんとさせたにもかかわらず、吐き戻してしまうこともよくあります。
これは決して珍しいことではなく、自然な反応といえます。
げっぷをしたのに吐き戻すのは、ほとんどが飲む量が多かったため、余った分を吐き出している状態か、げっぷをした勢いで一緒に出ている状態です。
赤ちゃんの胃は大人の胃と違い、丸型です。
胃の入り口が緩いので、たくさんの量を飲むと胃からあふれ出てしまうことになります。
吐き戻しをしても赤ちゃんの機嫌が良く、しっかり母乳やミルクを飲んでいるのならまず心配はいりませんが、「噴門弛緩症」という病気である可能性もありますから、気になるようなら1度医師に相談してみましょう。
げっぷはいつまで必要?
授乳後にしなければならないげっぷ、苦手な方はいつまで必要なのか気になりますね。
平均的に赤ちゃんにげっぷが必要とされるのは、生後5~6ヶ月くらいまでになります。離乳食を食べ始めるころまでということですね。個人差はもちろんあるものの、早ければ首が座る3ヶ月ごろに必要がなくなる赤ちゃんもいます。
げっぷが必要なくなる目安としては、「げっぷをしなくても吐かなくなったら」です。