赤ちゃんのいらっしゃるご家庭で初夏から秋にかけて心配になることの一つといえば、赤ちゃんの虫刺されですよね。
体温が高く汗や呼吸数も多い赤ちゃんは大人より虫に刺されやすく、まだ自分で「痒い」と言えなくても顔や手足などあちこちに虫刺されができている姿は痛々しいものです。
ニュースなどでも報道されているデング熱や、最近はほとんど感染例がないとはいえ日本脳炎など、蚊が媒介する病気も心配ですよね。
そこで、可愛い赤ちゃんを虫刺されから守る方法や、虫刺されができてしまったときの正しい対処法など、赤ちゃんと虫刺されについて詳しくご紹介します。
虫刺されの症状と特徴
赤ちゃんが虫に刺されると、大人より赤く腫れることが多いだけでなく、固いしこりや水ぶくれが生じることもあり、大人をビックリさせてしまうかもしれません。
抗体のできていない赤ちゃんは虫に刺されても痒いと感じることはありませんが、痒みを感じるようになってくると、言葉や動作で痒みを伝えられないため不機嫌になってしまう赤ちゃんもいます。
また、患部をかき壊してしまって感染力の非常に強い「とびひ」を引き起こしてしまう恐れもあるため、できるだけ掻きむしることがないようにするとともに、一日も早く完治させることが大切になってきます。
虫刺されから守る方法
赤ちゃんを虫刺されから守るためには、蚊が近寄れない環境を作ることが大切です。
そのためにできる5つの方法をご紹介します。
1.肌の露出をなるべく少なくする
赤ちゃんは体温も高く、汗もたくさんかくので、暑い夏の季節などは薄着にしてあげたくなりますよね。
でも、肌が露出しているとそれだけ虫刺されのリスクが高まってしまいますので、外出時には肌の露出をできるだけ避けるのが望ましいです。
とはいえ、真夏の炎天下で長袖長ズボンは現実的ではありませんし、熱中症などの心配もあります。
虫の多い日陰や草むらの近くでは、薄くて通気性の良い生地や速乾性のある生地でできた上着や長ズボンを着せてあげるようにすると良いでしょう。
なお、例えば蚊の場合、35度を超えると活動が低下します。
そのため、猛暑の日に無理をして長袖長ズボンを着せる必要はないと言えるでしょう。
2.ベビーカーに虫除けネットを取り付ける
ベビーカーでの移動が主なのであれば、ベビーカー専用の虫除けネットの使用がおすすめです。
「虫除けネット」や「虫除けカバー」「ベビーカー蚊帳」などの名称で、ベビーカーに取り付ける虫除けのネットが市販されており、日よけを兼ねているものが多いので、虫対策と紫外線対策の両方を一度に行うことができます。
レインカバーなどとは違い、クルクルと丸めてもかさ張りません。
ベビーカーメーカー純正のものなら隙間なくピッタリ取り付けることができて、より安心です。
3.虫の多い場所には近づかない
これは基本中の基本ですよね。
草むらや、植木鉢の受け皿や水たまりなど動きのない水のある場所、日陰のジメジメした場所などは虫が発生しやすい場所ですので、極力近寄らないようにしましょう。
4.窓を開けるときは必ず網戸を閉める
まだエアコンをつけるほどでもない時期は、窓を開けて家の中に風を通して涼をとりますが、このとき窓が全開になっていると虫は入り放題です。
窓を開けるときはきちんと網戸をするようにしましょう。
網戸と窓枠に隙間ができていないかも要チェックです。
5.蚊帳を使う
蚊帳といえば古き良き日本の風物詩……かと思えば、実はそうでもないんです。
最近では赤ちゃんがお昼寝しているところだけをテントのように囲う赤ちゃん用の蚊帳なども販売されています。もちろん、ベビーベッド用もありますよ。
広げるのも畳むのもワンタッチでできるものも多く、ママ一人でも簡単に設置できるので、赤ちゃんがお昼寝している間は、ぜひ蚊帳を使ってあげてください。
虫除けの選び方
歩いてのお散歩や公園など屋外で遊ぶときには、虫除けの薬をつけてあげるようにしましょう。
虫除けにはスプレータイプやクリームタイプ、ジェルタイプ、シールタイプなど色々なものがありますが、スプレータイプは吹きかける際に赤ちゃんが吸い込んでしまう恐れがありますので避けてください。
成分によっては、重い神経障害や皮膚炎を引き起こす恐れのあるものもあるからです。
ケミカルな虫除けに抵抗がある場合は、虫が嫌うハーブを配合したナチュラルな虫除けを使用するよと良いでしょう。
ただし、虫除けの薬によっては月齢の低い赤ちゃんには使えないものもありますので、パッケージや注意書きを必ず確認してくださいね。
虫に刺された時の対処法
万全の対策を行っていても、刺されてしまうときは刺されてしまうものです。
虫刺されは自然に治るものですが、少しでも早く治るよう赤ちゃんが虫に刺されてしまった時の対処法も覚えておきましょう。
虫刺されに気付いたら、まず最初にやるべきことは患部を水で洗って清潔にすることです。
しっかり洗うことで、痒み成分を多少取り除くことができます。
次に、患部を保冷剤をタオルなどで包んで短時間冷やすと皮膚感覚を麻痺させて痒みを感じなくなるとともに、炎症を抑えることもできます。
長く冷やし過ぎると逆効果になる事もあるので、3~5分を目安に冷やしてあげてください。
赤ちゃんの場合、虫に刺されてから赤みが出るまでにタイムラグがあるため、刺されてすぐに気付くのは難しいかもしれません。
でも、もし「今蚊がとまってた!」など、刺された直後に気付くことができたときは、40~60℃ほどに温めたタオルやスプーンを患部に当てると、蚊の唾液に含まれる痒み成分が変質して毒性が失われ、痒みをなくすことができます。
火傷に注意して温めてあげてくださいね。
薬は使っても大丈夫?病院に行く必要は?
先ほども少し触れましたように、赤ちゃんは虫に刺されてから症状が出るまでにタイムラグがあり、1~2日経ってから赤みや痒みが現れることも珍しくありません。
気がついたときには大きく腫れ上がっていたなんていうこともあり得ます。
赤ちゃんにも安全で効果のある薬を処方してもらえます。
もし以下のような症状が見られたら、すぐに病院を受診してください。
・患部が大きく腫れ上がっている
・赤ちゃんが痛がっている
・発熱
・全身に蕁麻疹出た
・患部がジュクジュクしていたり芯がある
小児科より、皮膚トラブルの専門家である皮膚科の受診がおすすめです。
病院で処方される薬を使うのが一番効果的ですが、もし市販の薬を使う場合は、大人用のものではなく赤ちゃん用の虫刺され薬を使うようにしましょう。
虫の多い季節は外遊びも楽しい季節です。
可愛い赤ちゃんの肌を守りたいからと家に閉じこもっていては、赤ちゃんにとってもママさんにとってもストレスですよね。
長袖の上下を着る、虫除けやベビーカー用の蚊帳を利用する、虫の多い場所は避けるなどして虫刺され対策をし、赤ちゃんとのお出掛けを楽しみましょう。