産後の肥立ちが悪い時の原因。体調を良くするにはこうしよう

産後の肥立ちってあまり聞きなれない言葉ですよね。産後の床上げという言葉は聞き覚えがあるという方がいらっしゃるかもしれません。同じようなものかと思われがちなのですが、肥立ちと床上げは違いがあり同じものではないのです。

ただ産後の肥立ちを軽視すると将来的に何らかの影響がでるので実は注意が必要です。それゆえ、今回は産後の肥立ち、また肥立ちが悪い時の原因として考えられるものについてご説明させていただきます。

これから出産される方は是非最後までご覧いただき、参考になさってくださいね。

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「産後の肥立ち」とは?

まず産後の肥立ちとは出産をした後に女性の体が出産前の状態にまで回復することを意味します。また、昔からよくいわれる床上げは産後の疲れから徐々に回復し、通常の生活リズムに戻ることです。

ちなみに肥立ちには一般的に約2ヶ月を要するとされていて妊娠前の状態に戻すということなので、床上げと比べて日数を必要とします。肥立ちと床上げは似ているようで意味合いは全く違うのです。

肥立ちの症状としては産後の女性の体は骨盤が開いてしまっているのですが、その開いた骨盤が元に戻ろうとします。ただ骨盤はすぐに元に戻るわけではなく、元に戻るまでに3~4ヶ月を要します。

言い換えると、この骨盤が自然と元に戻ろうとする時期に動きすぎてしまうと骨盤が出産前の状態ではなく、ズレて固まってしまうということもあるのです。骨盤がズレてしまうと血液の流れなども悪くなり、体に悪影響をもたらしてしまうので侮れないのです。

また一般的には肥立ちになることで子宮が収縮し、後陣痛も起こります。その結果、子宮内から出血したり、悪露が出たりといった症状もあり女性の体は出産することによって様々な影響を受けるのです。

産後の肥立ちが悪い時の原因。体調を良くするにはこうしよう

 

産後の肥立ちが悪い原因と症状

ちなみに産後の肥立ちが悪いと体に様々な影響が生じてきます。産後の肥立ちが悪くなってしまう要因としてはいくつか挙げられるのですが、主な要因は次の通りです。

・初めての出産ではなく、2人目以降の出産の場合は子育てのため産後ゆっくりすることが出来ない

高齢出産や帝王切開、難産は出産における体への負担が大きく肥立ちにも影響

・家族や周りのサポートが受けられず、産後も休む暇がない

このようにいくつか肥立ちが悪くなる要因はあるのですが、肥立ちが悪くなることで体に生じてしまう症状は次の通りです。

・乳腺炎

乳首の先がつまり母乳が上手く排出されなかったり、母乳が乳腺に詰まったりすることで炎症が起きて、結果的に40度近い高熱がでたり、おっぱいが痛くなります。

・産後うつ

子育てに対する不安を感じたり、眠れなくなったりといった精神不安定な状態に陥ってしまいます。またその状態は長期間続くため産後うつになると医師による治療が不可欠となります。

・発熱

産褥熱ともいわれるもので、子宮などからの細菌による感染で発熱します。発熱といっても微熱ではなく40度近い高熱なので日常生活に支障をきたしてしまいます。

・子宮復古不全

妊娠のために大きくなった子宮が時間が経過しても収縮せず、悪露も止まらない状態を意味します。

どれも疲れきっている状況で発症してしまうと辛いものばかりですよね。

ただ子育てをしないといけない状況でこれらの症状がでてしまったからといって休めないのが母親なので肥立ちが悪いと様々な悪影響をもたらすことになってしまうのです。

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産後の肥立ちを良くする方法

1.食生活を見直す

食事は生きていく中で睡眠と並んで重要な要素ですが、産後の食事は極めて重要なものとなります。なぜならば授乳する必要があるため、食生活が乱れてしまうとおっぱいが詰まってしまうということもあるのです。

おっぱいがつまってしまうと結果的に乳腺炎につながることも少なくありません。また食生活を見直す上でおすすめとなるのが、和食を基本とした食生活です。

加えて産後は妊娠中と同じように鉄分が不足しがちになるので鉄分をなるべく摂取することを心がけることも大切になってきます。同時に水分もこまめに摂取することが重要です。

2.なるべくゆっくりと過ごす

家庭の事情によって難しい場合もあるのですが、産後どれだけゆっくり過ごして体を回復させることができるかということが重要です。

それゆえ、兄弟がいるご家庭などは特にせめて産後の2ヶ月ほどは周りにサポートしてもらったり、実家に里帰りをしたりなどして体をなるべく休めるように心がけてください。

3.入浴はせずにシャワーだけで済ませる

入浴も実は意外に体力を使います。よって肥立ちのときはできる限り入浴は避け、シャワーで済ませてください。肥立ちの影響で悪露が出ている場合などは特に細菌感染することもあるので注意が必要です。

産後の肥立ちが悪い時の原因。体調を良くするにはこうしよう

 

産後の肥立ちが与える将来的な影響とは?

産後の肥立ちが悪く、思うように体を休めることができなかった場合、発熱や産後うつといった症状にもつながるということはご説明させていただいたのですが、肥立ちが与える影響は産後だけでなく、年齢を重ねて更年期を迎えるときにまで影響を及ぼすのです。

更年期の症状はただでさえ辛いものなので、なるべく軽くしたいですよね。

産後無理をしてしまうことで血流が悪くなったり、ホルモンバランスが崩れたりすることが結果として更年期の症状を悪くしてしまうことにつながってしまうため、しっかりと休息することを心がけましょう。

このように産後の肥立ちは私たちが想像している以上に大切な時期となっています。それゆえ、これから出産される方などは産後はしっかりと体を休めて、のんびりと元の体や元の生活に戻るようにしてください。産後の体は体を休める休息こそが一番必要なのです。