赤ちゃんに歯が生えてくると、成長が嬉しい反面、虫歯が心配になりますよね。でも、赤ちゃんの虫歯はどうすれば予防してあげられるのか。不安に感じている方も多いと思います。
今回は赤ちゃんの虫歯の原因や予防法について解説いたします。歯が生え始めたら虫歯対策をして健康的な歯を維持しましょう。
赤ちゃんの虫歯の原因とメカニズム
そもそも虫歯とは、歯に何が起こっている状態なのか、赤ちゃんの虫歯の原因やメカニズムを確認してみましょう。
虫歯の原因
虫歯の原因は、虫歯菌としても知られる「ミュータンス菌」。歯の表面に住むミュータンス菌が酸を生みだし、歯を溶かすことで虫歯になります。
虫歯のメカニズム
生まれたばかりの赤ちゃんの口内にはミュータンス菌はいません。大人から感染することでミュータンス菌が住みつき、虫歯につながるのです。
赤ちゃんが虫歯になる具体的なメカニズムは以下の通りです。
1.ミュータンス菌が口内に侵入する
2.母乳や食べかすに含まれる糖をエネルギー源として酸を作りだす
3.酸が歯の表面を溶かし、初期の虫歯になる
4.溶かされ続けると虫歯が悪化し、歯に穴が開く
赤ちゃんを虫歯から守りたいときは、ミュータンス菌を侵入させず、食べかすに含まれる糖を口内に留めておかないことが大切です。
歯磨きはいつから始めるべき?
虫歯の原因はミュータンス菌ですが、口内にミュータンス菌が侵入したからといって必ずしも虫歯になるわけではありません。
適切な歯磨きをし、ミュータンス菌のエネルギー源である母乳や食べかすを掃除すれば、虫歯を予防できます。赤ちゃんの歯磨きをはじめるタイミングや歯磨きのポイントを見ていきましょう。
歯磨きは歯が生え始めたらスタート
一般的に赤ちゃんは6か月ごろから下の前歯が生え始めます。歯が生える時期には個人差があり、早い赤ちゃんでは生まれてすぐに歯が生えてくることがあり、遅い赤ちゃんは1歳頃にやっと歯が生え始めることもあります。
月齢にかかわらず、歯が生え始めたら歯磨きをスタートさせましょう。この時期は間食をしたり、糖分を多く含んだ離乳食を食べたりすることも少ないため、糖が口内に残っていることはあまりありません。
しっかりと磨くのではなく、歯磨きの習慣づけをスタートする時期であると考えておきましょう。
赤ちゃんの歯磨きのポイント
赤ちゃんの歯磨きをはじめるときに気を付けておきたいポイントは2つ。力加減と歯磨き嫌いな子どもにならないよう注意することです。それぞれについて詳しく確認してみましょう。
優しい力加減
赤ちゃんの歯磨きは優しい力加減が基本です。鉛筆を持つようにグリップを持ち、できるだけ優しく歯を磨きます。
特に歯磨きをスタートさせる時期は食べかすが残っていることも少ないため、歯ブラシの毛先の弾力で汚れを落としましょう。赤ちゃんの歯はやわらかいため、大人の感覚で力を入れると傷つけてしまうこともあります。
歯磨き嫌いな子どもにしない
赤ちゃんは歯磨きを嫌がることが多いです。この時期に歯磨きは嫌なものだと認識すれば、成長した後に歯磨きを習慣づけることが難しいため、歯磨きを楽しいものだと教えることが大切です。
具体的には以下のように工夫すると良いでしょう。
・毛先がやわらかく、グリップがカラフルでかわいい歯ブラシを使う
・味付きの赤ちゃん用歯磨き粉を使う
・歯磨きをした後は褒めてあげる
・絵本で歯磨きの楽しさや大切さを教える
歯磨きが楽しいものだと認識すれば、赤ちゃんも嫌がらずに歯磨きさせてくれるでしょう。歯磨きは親子のスキンシップの時間だと考えれば、ママやパパも楽しめます。
赤ちゃんの虫歯の予防法
虫歯を予防するためには何をすればよいか、予防法を4つご紹介いたします。
ミュータンス菌に感染させない
歯が生えていない時期は、赤ちゃんの口内に虫歯菌は存在していません。ほとんどの場合、2歳半ごろまでにママやパパから菌が侵入し、虫歯になると考えられています。
そのため、予防においてもっとも大切なのは、この菌に感染させないことです。具体的には大人が使う食器で食事させない、食べかけの物は与えない、歯ブラシは共用しないという点に注意してください。
スキンシップのためにするキスもミュータンス菌が侵入する原因であるため、避けた方が無難です。
食事やおやつに含まれる糖の量を見直す
糖は赤ちゃんにとって大切な栄養素ですが、食べすぎには注意が必要です。甘いお菓子やジュースはなるべく控え、食べた後はきちんと歯磨きをしましょう。
歯磨きを習慣化
歯磨きは習慣化することが大切です。毎日正しく歯磨きをすれば、ミュータンス菌のエネルギー源である糖をしっかりと掃除できるため、虫歯の予防につながります。
歯磨きを習慣化したいときは時間を決める方法が有効です。毎日決まった時間に歯磨きをすれば、歯磨きに慣れてくれるでしょう。
定期的に歯科検診を受ける
初期段階の虫歯はフッ素を塗り、正しい歯磨きをすることで進行を止められます。早期に虫歯を発見するためには歯科検診が重要です。
赤ちゃんが1歳半ごろになったら、3か月から半年に一度程度小児歯科を訪れ、検診を受けましょう。定期的に歯医者にチェックしてもらえれば、磨き残しや歯並びについてアドバイスも受けられます。
1歳半になっていない場合も気になることがあれば早めに診察を受けましょう。0歳児も診察してくれる小児歯科もあります。
継続した対策で虫歯を予防
赤ちゃんの虫歯は歯磨きを習慣化したり、ミュータンス菌の侵入を防いだりすることで予防できます。歯が生えてきたら、虫歯の危険性が出てきたと考えて対策を行いましょう。
毎日継続して予防法を実践すれば健康的な歯を維持できるでしょう。