赤ちゃんの指しゃぶりは、赤ちゃんらしい仕草で微笑ましいものですが、指しゃぶりをすると歯並びが悪くなる、指しゃぶりは情緒不安定から来るもの、など色々な話を聞いて不安になっているお母さんもいるのではないでしょうか。赤ちゃんが指しゃぶりをする理由と、いつまでなら指しゃぶりをしてもかまわないのか、また止めさせる時にはどうするべきか、その方法について詳しくご紹介します。
赤ちゃんが指しゃぶりをする理由
赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時に指しゃぶりをする子もおり、個人差がありますが生後2ヶ月から4ヶ月ぐらいから始めることが多いとされています。そこからいつまで指しゃぶりをするかも、個人差がありますが、年齢と共に指しゃぶりは減っていきます。遅くとも4歳から5歳までには終わることがほとんどです。
赤ちゃんが指しゃぶりをする理由には、以下のことがあげられます。
1.赤ちゃんの本能によるもの
生まれた時から、赤ちゃんには吸啜反射があり、口に入ってきたものを強く吸います。指しゃぶりはそれが指だと認識しないまま、反射的に口に入れて動く指の感触を確かめている行動で、赤ちゃんにとっては吸う力を学び、また初めての遊びにつながっています。
2.眠い時
赤ちゃんは眠くなると、安心して眠ることのできる環境を求めて、お母さんのおっぱいを飲んでいる時のように、口の中に指を入れます。そうすることで満足して眠ることができるのです。
3.お腹がすいている
お腹がすいている時、無意識におっぱいを飲む準備として口に指を入れることがあります。指しゃぶりだけでなく、ぐずって泣き出したりもするので、お腹がすいているのだと分かります。
4.不安な時
お母さんがそばに見えなくて不安な時や、赤ちゃんが見たことのないもの、感じたことのないものや音などに不安を感じ、指をしゃぶることで気持ちを落ち着かせようとします。また指を吸って一人遊びをすることで気を紛らわせることもあります。
指しゃぶりをするのは母親の愛情が足りないせいだという話もありますが、指しゃぶりをするからといって、必ず赤ちゃんが愛情不足や寂しい思いをしているというわけではありません。指しゃぶりから自分の手の届く範囲のものを口に入れるなどして、赤ちゃんはだんだんと自分の周りのものを知り、好奇心を持って世界を広げていきます。
成長するにつれ、指しゃぶりの回数が減り、自然にすることはなくなっていきますので、神経質になって止めさせる必要はないといえます。
指しゃぶりをする赤ちゃんに気を付けてあげたいこと
成長と共になくなっていく指しゃぶりですが、いくつかお母さんが注意したい点もあります。
指はきれいにしておく
指しゃぶりをした手で、おもちゃを触ることもあるので、そういったタイミングで菌やウイルスが口に入ってしまうこともあります。さらに指が濡れたままだとホコリやゴミがつきやすくなります。こういったことを防ぐためにも、ウェットティッシュを用意して、小まめに指を拭くようにしましょう。
爪は切る
爪が長いと、口の中を傷つけてしまうことがあります。指をきれいにする際には、爪にも注意して、伸びているようなら切るようにしましょう。
他のことで気を引く
指しゃぶりが習慣になり、指がふやけるほどしゃぶるようなことが続くと心配ですが、無理に止めさせようとするのは、赤ちゃんはなぜ止められるのかが分からず、ストレスにつながります。始めたらお母さんと手遊びをするなどし、他の遊びや興味を引くことに目を向けさせてみましょう。
またタコができるほど指しゃぶりをする場合には、病院で先生に相談してみるのも一つの方法です。
指しゃぶりをしても良い時期・やめさせたほうが良い時期がある
指しゃぶりが始まる生後2ヶ月から、歯が生え始める頃ぐらいまでは、どの赤ちゃんも成長過程で指しゃぶりをしますので、心配はありません。
また弟や妹ができた時に、赤ちゃん返りなどで指しゃぶりが再開することもあります。3歳ぐらいまでは指しゃぶりがあっても、それほど心配はいりませんが、4歳を過ぎても指しゃぶりをしている場合歯並びに影響が出る可能性が出てくるため、止めさせるための指導が必要です。
指しゃぶりをしていると、口呼吸が優先されるようになり、風邪を引きやすくなる、また虫歯ができやすくなるといったことも起こってきます。保育園や幼稚園などで、他の子供と遊ぶ時間が増えれば、だんだんに指しゃぶりがなくなるといったこともありますので、指しゃぶり以外の楽しいことに目を向けるように、お父さんお母さんで協力して見守っていくことが大切です。
指しゃぶりをやめさせる方法
指しゃぶりを止めさせるために、子供とのスキンシップをとるようにする、また他のことに気をそらせるといった方法もありますが、グッズも合わせて活用してみましょう。
絆創膏やテーピングを使う
口に入れると違和感があるので、指しゃぶりの回数が減ります。
指人形を使う
お友達代わりに指人形を指にはめて、お母さんと遊びます。遊びが済んだ後も指にはめておき、「しゃぶられると濡れて困っちゃうよ」と言い聞かせてみましょう。
手袋をする
寝ている時に無意識に口に指がいってしまうこともあるので、手袋をつけて生活してみましょう。
からしを塗る
昔ながらの方法ですが、なめた時にびっくりしてやめることにつながります。ただし不意打ちにするのは止めて、「指をしゃぶるのはそろそろ止めようね、指が辛くなっちゃうよ」と事前に説明しておきましょう。
指しゃぶりがなかなか卒業できないのは、色々な原因が絡み合っていることもあります。子供の普段の様子を見て、なぜ指しゃぶりが止まらないのか、その原因を把握するようにしましょう。