スーパーで買った精米。しばらく置いておいたら虫が湧いていた!!なんていうこと、ありませんか?
たとえ虫が湧いていたとしても食用に問題はないとされていますが、人によってはアレルギー反応が出ることもあります。
アレルギーのない場合でも、米自体の味が著しく落ちていますし、何といっても気分が悪いですよね。
お米に湧く虫の正体や効果がある虫除けアイテム、保管方法から、万が一虫が湧いた時の対処法まで、お米に湧く虫対策をご紹介したいと思います。
お米に沸く虫の種類
一般家庭でお米に湧きやすい虫の代表は、「コクゾウムシ」と「ノシメマダラメイガ」の2種類です。
コクゾウムシ
コクゾウムシは漢字で「穀象虫」と書き、米や小麦、トウモロコシなどイネ科の穀物に湧く甲虫の一種です。
成虫になると体長は2~3mm程度で、濃茶色や黒っぽい色をしており、2対の斑点があることもあります。
その名の通り、ゾウの鼻のように口が長く伸びており、もしかすると極小のカブトムシのようにも見えるかもしれません。
その長い鼻を使って米粒に穴を開けて卵を産みつけるため、精米しても卵や幼虫を除去することができないので、スーパーで買った未開封のお米であっても油断はできません。
あまり目にすることはありませんが、幼虫は白い蛆のような形をしており、卵から孵化するとそのままお米の内側を食べながら育ち、蛹となって、成虫になると外に這い出てきます。
成虫になってからもお米を食べ、またお米の中に卵を産みつけるので、保存状態が悪いと未開封の状態でもどんどん繁殖してしまいます。
気温が20℃以上になると活発に活動・繁殖しますが低温には弱く、15℃以下になると発育することができず、-20℃の環境に1週間ほど置いておけば卵から成虫まで全て死滅してしまいます。
ノシメマダラメイガ
ノシマダラメイガは、私たちの周りのどこにでもいる、体長7~8mm程度の蛾の一種です。
米などの穀類だけでなく、小麦粉やホットケーキミックスのような粉類、チョコレートやクッキー、豆菓子などの菓子類、インスタントラーメン、七味唐辛子、木の実など様々なものを餌としています。
卵が産みつけられるのはお米の表面にあるヌカ層や胚芽部で、ビニルや紙の米袋くらいは簡単に食い破って侵入し、卵を産みつけていきます。
幼虫は薄い黄白色で、小さくて細長いいもむしのような形をしています。
卵を見つけるのは困難ですが、幼虫は頭が赤いので目につきやすいです。
ヌカなどを食べて成長し、やがて蛹になるのですが、このとき白い糸を吐いて周りの米数十粒をくっつける習性があります。糸でくっついた米粒が見つかれば、ノシマダラメイガの幼虫が湧いていると言っても良いでしょう。
成虫になると米を食べることはありませんが、繁殖できる場所を探してあたりを飛び回り、また米や小麦粉などに200個ほどの卵を産みつけます。
お米の虫除けアイテムと適した保管方法
購入したままの状態ではいつ虫が湧くともしれないお米。
虫除けアイテムを使用したり、虫が湧きにくい保管をすることが重要です。
唐辛子
唐辛子は、身の回りにあり人体にも無害な虫除けアイテムの一つです。
唐辛子を手で千切り、こぼれないように大きめのお茶パックや出汁用パック、茶封筒などに入れて、お米の上に置いておくだけで虫が湧きにくくなるんです。
にんにく
身の回りにある人体にも無害な虫除けアイテム、もう一つは「にんにく」です。
こちらは唐辛子と違い、そのままお米の上に置いておくだけなのでよりお手軽です。
ただ、唐辛子と違い生ものなので、時間の経過とともに萎れたりカビが生えてしまう恐れもあるので、時々状態を確認して、新しいものに取り替える必要があります。
市販の防虫剤
スーパーや薬局で販売されている防虫剤も、もちろん効果があります。
カビを防げるものや効果の長いもの、お米の中に入れておくタイプや米びつに貼り付けるタイプなど、用途や使用方法、そして対応している米びつのサイズが商品によって異なりますので、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
お米の保管方法にも気を使って
害虫はどれも高温多湿が大好きです。お米は風通しのいい冷暗所に保管するようにしましょう。
キッチンに米袋を置いている方も多いかもしれませんが、火や水を扱うキッチンは高温多湿になりがちで、安心してお米を保管しておける場所ではないんです。
また、ノシメマダラメイガ のようにビニール袋を食い破る害虫がいる以上、未開封の状態では「密閉している」とは言えません。
こういった理由から、お米はタッパーなどに入れて、冷蔵庫で保管するのが一番です。
密閉することで虫が湧くことだけでなくお米が酸化してしまうことも防ぐことができます。
場所の都合などでどうしても冷蔵庫に入れられない場合は、せめてコンロやシンク、レンジや冷蔵庫から離れていて、直射日光も当たらない場所を選ぶようにしましょう。
ただし、玄米は白米よりも虫が湧きやすいため、冷蔵庫保存を徹底してください。
また、白米は意外と鮮度が落ちやすく、夏は2週間、冬は1ヶ月程度で鮮度が落ちてしまいます。
お米は鮮度が落ちると酸化して粉が吹いたようになってしまうですが、この状態は虫が湧きやすい状態でもあるんです。
冷蔵庫保管ができないなら、特に夏場は鮮度が落ちる前に食べきれる量を購入するようにしましょう。
米びつの掃除も忘れずに
米びつに残ったお米の粉やヌカも、害虫にとってはご馳走です。
外からの侵入の可能性があるだけでなく、既に粉の中に虫の卵があるかもしれません、また、いつまでも古くなったお米の粉やヌカがあるとお米の酸化も早くなってしまいます。
特にレバーを下げれば計量されたお米が出てくるようなタイプの米びつは粉やヌカが溜まりやすいので、「乾燥したものを入れているんだから」と油断せず、お米を入れ替える度にキレイに洗ってしっかり乾燥させましょう。
もしも虫が沸いた場合は…
唐辛子やにんにく、市販の防虫剤も、全て「防虫」をするものであり、既に発生している虫を駆除する効果はありません。また、購入した時点で既に卵が産みつけられている恐れもありますので、どんなに対策をしていても、残念ながら虫が湧いてしまう可能性はゼロにはなりません。
もし虫が湧いてしまった場合は、新聞紙などにお米を広げて日光に当ててください。30分~1時間程度で虫が出て行きます。
ただ、お米も直射日光は苦手です。
水分が抜けて風味が損なわれてしまうので、虫がいなくなったら早めに密閉保存するようにしてください。
気がつくと白いお米の中でうぞうぞとうごめいている虫。本当に気持ち悪いですよね。
米びつの設置場所を工夫するとともに中には唐辛子やにんにく、市販の防虫剤を入れるなどして虫が入るのを防ぎ、お米がなくなったら米びつをキレイに洗って乾燥させることで、虫が湧く可能性を大幅に抑えることができます。
タッパーなどの密閉容器に入れて冷蔵庫保存すればより安心!
今まで袋のまま置いていたり、米びつを洗う習慣のなかった人にはちょっと面倒かもしれませんが、いつでもおいしいお米を食べられるように、今日から一つずつ取り組んでいきましょう。