妊娠してからも、子供が生まれる前に夫婦二人で過ごす貴重な時間の思い出として、旅行をされる方も多いです。旅行でなくても、仕事を続けられている方は飛行機を利用される機会もあるはずです。
妊娠してすぐの初期段階での飛行機の利用はOKなのでしょうか?母体や胎児に与える影響や、飛行機に乗るときの注意点などについても併せてご紹介いたします。妊娠がわかった方で不安を感じられている方もいらっしゃいます。是非参考になさってください。
妊娠初期に飛行機は乗れる?
妊娠初期といえば安定期に入るまでは、できるだけ心も体も安静に過ごすことが良いのはわかっていますよね。でも飛行機に乗らないといけない機会もあるでしょう。そこで心配になるのが乗れるのかどうかということです。
基本的に妊娠していても飛行機には乗れます。ただし妊娠超初期である2ヶ月頃まではあまりおすすめできません。この時期はまだママの体も安定していません。急な腹痛や出血など、ちょっとしたことで体調が変化しやすい時期でもあります。
また流産の確率がとても高い時期なので、できるだけ妊娠初期段階での飛行機の利用は控えることをおすすめします。ですが、仕事や急な用事でどうしても遠出しないといけない場合は飛行機ではなく、電車や車、バスなどの交通機関を利用していく方法を検討してみてください。
どうしても飛行機を利用する場合は、事前にかかりつけの産婦人科医に相談しておくとよいです。
母体や胎児に悪影響はない?
妊娠初期で飛行機を利用する場合、母体や胎児への影響の有無が心配になります。母体と胎児への影響で考えられることをそれぞれ詳しくご紹介いたします。
母体への影響
一番の心配がつわり症状の悪化です。ニオイや揺れなどにとても過敏になる時期なので、つわりの症状が悪化する恐れがあります。吐き気や嘔吐以外にも頭痛などがひどくなる方もいらっしゃいます。
また、初期の時期は母体も安定していないため、ちょっとした変化で出血しやすくなっています。空の上で出血してしまった場合にすぐに対応できないことも多いです。流産しやすい時期でもあるので、この時期の長時間の空の旅はなるべく控えてください。
そして一番怖いのが「エコノミークラス症候群」です。今の機内は乗る飛行機にもよりますが、エコノミーでもかなり広くなっています。とはいえ、同じ態勢を長時間続けることになるので、当然血流が悪化して血栓ができやすい状態となってしまいます。
胎児への影響
先に何度も書いていますが、妊娠初期の段階では流産の確率が高くなっています。飛行機に乗るということは、少なからず母体に疲れが生じます。それは胎児にとってもあまり良いことではありませんよね。
また、搭乗時のX線検査を気にする方も多いです。ですがこれは荷物検査をする為の物ですので、胎児に直接影響を与えるということはありません。胎児への影響は低くても流産の可能性はありますので、十分に注意することが必要です。
少なからず胎児への影響は考えられますので、もし飛行機を避けられるようであれば、避けた方が良いかと思います。
飛行機に乗る時の注意点
つわり対策
快適な空の旅をする為のつわり対策は必須です。いつもとは違う環境におかれることになるので、どんな症状が出るかわかりません。エチケット袋は必須です。乗務員に妊娠初期であることを伝えて、少し多めにもらっておくようにしてください。
食べづわりの方は常に口の中に何かを入れておくことで、つわり症状を緩和させることができます。お好みのガムやアメ、飲料などを多めに手元に置いておくようにしましょう。
飛行機に乗ることが事前にわかっているなら、かかりつけの産婦人科医に相談して症状を緩和させるためにお薬などをもらっておくのもおすすめです。
マスク着用
機内のニオイなどを防ぐためにも有効なので、つわり対策の一つとしても便利ですが、乾燥やウィルスを防ぐ役割も果たしてくれます。マスクは数枚持っておくようにしましょう。
母子手帳や保険証を携帯
飛行機に乗るときは、絶対に忘れずに携帯してください。もし万が一体調が悪化した場合、妊娠週数などを把握する為に必要です。また保険証を持っていないと、一時的にすべての医療費が自己負担となってしまうので注意してください。
母子手帳は飛行機でなくても、持ち歩くようにしておいたほうが良いでしょう。
ゆったりとした服装
気圧の関係で、体が少し膨張するのを感じることがありますよね。全体的にゆったりとした服装をしておくようにしてください。また、つわりがひどい方で炭酸飲料を飲まれる方がいますが、空の上では体内で膨張し子宮を圧迫してしまうことがあるので避けてください。
エコノミークラス症候群予防
同じ態勢を長く続けてしまうと、血栓ができやすくなります。できるだけ1時間に1回程度は席を立ち身体を動かしてください。また、機内では脂っこい物や炭酸飲料、カフェイン摂取は控えてください。
座席は通路側を
窓の外を見ていれば、つわりの症状も気にならないなんてことを思う方がいますが、座席は通路側を希望することをおすすめします。トイレにも立ちやすいですし、体を動かすために席を立ったりするので、他の方に気を使わなくてすみます。
マタニティーサービスを上手に利用しよう!
航空会社によりますが、妊娠している方の為に様々なマタニティーサービスを用意してくれています。
・優先搭乗サービス
・自薦座席指定
・マタニティマークタグの配布
・機内での荷物の収納のお手伝い
といったサービスがあるほか、搭乗手続きをする際に妊娠をしていることを告げて、クッションやひざ掛けを事前に席に用意してもらうことも可能です。エチケット袋を多めに準備してもらうことも伝えておきましょう。
その他にも、ちょっとした要望にもできるだけこたえて、妊婦さんでも快適で安心して空の旅を楽しめるようサポートしてくれます。
各航空会社のマタニティサービスについての情報は、ネットで検索をするとたくさんでてきますので、一度ご覧になってみてくださいね。
妊娠初期の飛行機の利用はあまりおすすめできません。ですが、どうしても利用しないといけない場合は、しっかりと準備をして、必ずかかりつけの産婦人科の医師にも報告、相談しておいてくださいね。