妊娠すると摂取が勧められる葉酸ですが、妊娠を考えている夫婦にも葉酸は必須の栄養素だとされています。体に必要な栄養素と分かっていても、実際に葉酸がどんな栄養素で、どんな働きで体に必要とされているのかはよく分からないという人がほとんどではないでしょうか。そこで今回は葉酸が妊活や妊娠に大きな影響を与える理由と、摂取する際の注意点について、詳しくご紹介します。
「葉酸」とはどのような栄養素か
葉酸はビタミンB群の一つで、比較的最近になって発見された栄養素です。9番目に見つかったことからビタミンB9ともいわれていましたが、ほうれん草の葉に含まれていることが分かり、葉酸と呼ばれるようになりました。葉酸には様々な働きがあり、妊娠中でなくても必要なビタミンです。
赤血球の生成を助ける
葉酸は造血のビタミンとも呼ばれ、赤血球を生成する際に必要なビタミンです。また血液は赤血球だけでなく白血球や血小板や血漿すべて必要ですが、これらのうちどれかが不足した際には貧血が起こってしまいます。葉酸には赤血球や白血球の減少を抑える働きがあり、これによって貧血を防ぎます。
DNAに関わる
遺伝子情報を含むDNAの生成や、遺伝子情報の修正にも葉酸が関わっています。妊娠中や授乳中には、赤ちゃんが短い時間でどんどん成長する必要があり、葉酸が大量に必要となります。
細胞の生産や再生に関わる
細胞を作っているタンパク質の原料となるアミノ酸の合成に葉酸は関わっています。細胞分裂が活発におこなわれるため、ターンオーバーを正常にし、肌や髪の毛の再生にも影響を与えます。
この他うつ病の改善、動脈硬化や高血圧の予防などにも葉酸は大きな効果があるとされています。さらに葉酸には粘膜を保護する働きがあることから、口内炎や食中毒の予防、改善にも大きく関わっています。
葉酸が不足するとどうなる?
葉酸は必要な量がそれほど多くないため、通常の食事をしていれば必要な量を摂取することが十分に可能です。ただし野菜をあまり食べないといった生活が続くと、葉酸が不足し、様々な体の不調を引き起こします。
体に起きる不調
正常な赤血球が作られなくなる悪性貧血、口内炎などの口の中の炎症やトラブル、肌荒れや髪の毛のトラブル、食中毒になりやすくなるといったことがあります。さらにうつ病を引き起こしたり、症状を悪化させる原因にもなります。
葉酸を不足させる生活習慣など
葉酸は消費量が増える妊娠中や授乳中の女性に不足しやすいのですが、生理不順などでピルを服用しているとビタミンの働きが阻害されてしまいます。さらにサプリメントでビタミンCを摂取していると、葉酸が排出されやすくなるので注意が必要です。
また痛み止めやホルモン剤など、摂取している薬によっては葉酸が減少するため、葉酸を補う必要があります。
妊活・妊娠中の女性への働き
葉酸は妊娠するとしっかり摂取しなさいといわれますが、妊娠中だけでなく授乳期間、また妊娠を考えている妊活中にも意識して摂取することが必要です。この時期に葉酸が必要となるのは、以下のような理由によるものです。
子宮内膜に影響を与える
葉酸は血行を良くすることで子宮内膜の状態を改善し、しっかりと厚みのある環境に整えます。このことにより、着床しやすく、さらに受精卵を正常に成長させることができます。これは不妊症を改善することにもつながります。
早産や死産のリスクを減らす
妊娠初期に起きることの多い流産の原因として、染色体異常や先天性疾患が挙げられます。脳や脊髄に異常が起きるため、成長できなくなってしまうのです。また脳がなかったり破損したりといったことも葉酸不足が原因で起きると考えられています。
母乳の出を良くする
母乳の原料となるのは血液の中の白血球のみですが、血液を作る際には白血球以外にも赤血球も必要です。つまり血液の循環が悪いと母乳もしっかり作られませんので、血液を作る働きを助ける葉酸を摂取することでお乳の出が良くなることにつながります。
さらに葉酸はつわりを軽減する効果もあり、妊娠中の女性は特に意識して摂取する必要のある栄養素なのです。さらに血行の改善や細胞分裂の促進といった効果は、男性にも必要な効果であり、妊娠を考えている場合、男女共に葉酸を摂ることが必要とされています。
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その他の働きもたくさんある!
葉酸は血行を改善し、基礎代謝をアップさせることから、便秘の解消や生理痛や生理不順といった生理に関する辛い症状をやわらげる効果もあります。自律神経を整えてくれる効果もあり、ストレスなどがたまりがちな人には、意識して摂取していきたい栄養素です。
妊娠や出産で抜け毛やうつになることも多い女性は、その症状を改善する働きもあります。葉酸は体に必要不可欠なビタミンなので、妊娠中だけでなく将来の体のことも考え、きちんと摂取すべきといえます。
摂り過ぎは危険?葉酸を摂り過ぎた時の副作用とは
葉酸は1日に必要な量以外は、体外に排出されるため、摂り過ぎるということはほぼありません。ただしサプリメントで摂取した場合、体内に吸収されやすいため、過剰摂取となってしまうことがあり、注意が必要です。
特に葉酸過敏症はかゆみやじんましんといった症状に加え、吐き気や呼吸障害などを引き起こし、妊娠中の女性の場合はお腹の赤ちゃんにも影響を及ぼします。摂取する際には十分気をつけましょう。