妊娠中でも、子供の保育園の送り迎えやお買い物など自転車に乗って出かけたいと思う機会は多いですよね。しかし、妊娠中は自転車に乗ることに不安を抱いている人も多いでしょう。
妊娠中は自転車に乗っても良いのでしょうか。ここでは、妊娠中に自転車に乗るリスクや注意点についてご説明いたします。
妊婦は自転車に乗らないほうが良いの?
妊娠中に自転車に乗ることについては、専門家でも意見が分かれています。「妊娠中でも自転車に乗ってよい」という意見と「妊娠中は自転車に乗るべきでない」という意見をそれぞれ確認しましょう。
乗ってもいいという人の意見
妊娠中に自転車に乗っても良いという意見で見られる主張は次のようなものです。
体力や筋力をつけられる
出産には体力や足腰の筋力が必要です。妊娠をしたからと言って、安静にしすぎて運動不足になると、赤ちゃんを産むときに体力や筋力が足りず、苦労します。
しかし、日常的に自転車に乗っている妊婦さんは日々の生活で足腰を鍛えたり、体力をつけたりできます。出産前に体力や筋力をつけておくと出産時に苦労しないでしょう。
徒歩と比べて負担が少ない
徒歩と自転車では、徒歩の方が体のバランスを取りやすいため、安全性が高いと考えられます。しかし、徒歩で遠い数十分かけて外出したり、重い荷物を運んだりすると体に負担がかかります。
自転車は安全に乗れれば、徒歩と比べて外出時間を短縮できて重い荷物を運んでも体にほとんど負担がかかりません。そのため、妊婦さんでも外出には自転車を使うべきだという主張もみられます。
羊水で守られた赤ちゃんに影響はない
自転車に乗っても赤ちゃんに影響はないという意見もあります。これは赤ちゃんが羊水で守られているためです。
おなかに振動は伝わっても、赤ちゃんに影響がなければ、妊婦さんでも自転車に乗ることに問題はないと考えて良いでしょう。
乗らない方が良いという人の意見
妊婦さんが自転車に乗ることに反対をしている人の意見は次のようなものです。
妊娠中は注意力が低下する
妊娠中は妊娠前と比べてホルモンバランスが変化し、注意力が低下すると考えられています。注意力が低下しているときに自転車に乗れば、転倒や交通事故に巻きこまれる可能性も高まるでしょう。
おなかが大きいため転倒のリスクが高まる
赤ちゃんが成長しておなかが大きくなってくると、自転車に乗り慣れている人でも、バランスを取りにくくなります。
普段は問題のない小さな段差や弱い風などでもバランスを崩して転倒する危険性があるため、妊娠中に自転車に乗るのはやめるべきだという主張も存在します。
おなかに力がかかる
自転車に乗るときはおなかに力が入ります。これによって赤ちゃんに負担がかかることもあるでしょう。
妊婦が自転車に乗るリスク
妊娠中に自転車に乗ることにはいくつかのリスクがあります。妊娠中でも自転車に乗りたいと考えている人は後悔しないようにリスクを確認しておきましょう。
切迫早産・切迫流産
妊娠中に自転車に乗って、転倒したり、おなかに振動や力が加えられたりすると、切迫早産や切迫流産をしてしまう可能性があります。
骨盤が歪む
妊娠中は骨盤が歪みやすくなっています。そのため、おなかをかばうような姿勢で自転車に乗っていると、少しずつ骨盤が歪んでくる可能性が高いです。
骨盤が歪むと難産になって赤ちゃんに負担がかかったり、便秘やむくみ、腰痛などの症状が出たりするので、これらが心配な人は自転車に乗るのは避けた方が良いでしょう。
自転車に乗る時に注意したいこと
リスクを把握したうえで、妊娠中も自転車に乗ろうと考えている人は6つのポイントに注意しましょう。
サドルは低くする
自転車に乗るときはサドルを高くしている人が多いです。しかし、サドルが高ければ、バランスを崩したときに足を付いて転倒を予防できません。
普段は自転車のサドルを高くしている人も妊娠中は両足がしっかりと地面に付くまでサドルを下げ、バランスを崩したときに転倒を防げる状態にしておきましょう。
天気を確認して体に負担がかかりにくい日を選ぶ
暑い日や寒い日は自転車に乗ると妊婦さんの体に負担がかかります。また、風が強い日はバランスを崩しやすく、雨や雪の日は注意をしてもスリップしてしまう可能性があります。
妊婦さんはお出かけ前に必ず天気予報を確認し、体に負担が少なく、転倒のリスクが低い日だけ自転車に乗るようにしましょう。
安全な道を選ぶ
凸凹な道や坂道は転倒したり、おなかに力や振動が加わったりする危険性が高いです。また、交通量が多い道は転倒したときに、事故に巻き込まれる可能性もあります。
妊婦さんが自転車に乗るときは多少遠回りになっても、おなかに負担がかかりにくく、交通量が少ない道を選び、安全に配慮しましょう。
スピードは出さない
妊娠中にスピードを出して自転車に乗ると、バランスを崩しやすく、転倒のリスクが高まります。また、速いスピードで自転車に乗ると、妊婦さんの体への負担も心配です。
妊娠中に自転車に乗るときはゆっくりこぐことを意識しましょう。
前傾姿勢に注意する
自転車をこぐときに前傾姿勢になると、おなかの赤ちゃんに負担がかかったり、おなかが張ったりすることがあります。
妊婦さんが自転車に乗るときはできるだけ背筋を伸ばし、おなかに負担を与えないようにしてください。
無理をしない
妊娠中に自転車に乗る場合は無理をしないことも大切です。体調が悪い日や遠い場所に行くときは自転車に乗るのはやめて、タクシーなどを利用しましょう。
妊娠中に自転車に乗るときは十分に注意する
妊娠中に自転車に乗ることを考えている場合、切迫早産や切迫流産のリスクがあることを確認しておきましょう。
リスクを知ったうえで、妊娠中でも自転車に乗ろうと考えている場合は十分に注意して安全に乗ることを心がけてください。