妊娠検査薬を使えば妊娠しているかどうかはわかります。ですが、それを使う前に自覚できる「妊娠の前兆」があるのをご存知ですか?妊活をされている方は、前兆にも敏感になっていますが、そうでない方も知識の一つとして知っておいてはいかがでしょか。
妊娠が成立するまでのメカニズムや、前兆はいつ頃から現れるのかなどをご紹介いたします。また、どんな症状が出るのかなども併せてご紹介いたします。
妊娠が成立するまでのメカニズム
妊娠は、膣内に射精された精子が卵管で卵子に受精し受精卵となって、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。順を追ってご説明いたします。
射精
性交によって膣内に射精される精子の数は、1回で約数億個にもなります。想像しただけですごい数ですが、このたくさんの精子の寿命は、たった3~5日程度なのです。さらにこのたくさんの精子の中で卵管まで辿りつけるのは、200個以下となります。それだけ過酷な道のりだということなのです。
排卵
生理が始まる頃、約20個の卵胞が卵巣の中にできます。ですが、卵巣の中から飛び出せるのは、たった一つの卵胞です。飛び出した卵胞は、卵管の方に入っていきます。
受精
卵管に入った卵子は、数多くの精子に囲まれます。その中のたった一つの精子によって卵子の膜が破られた瞬間に他の精子が入ってこれないよう、卵子にはバリア(受精膜)が張られます。細胞分裂をしながら、子宮へと移動していきます。
着床
細胞分裂を幾度となく繰り返し、10日程度の間に、子宮に到着して子宮内膜にもぐりこみ着床します。着床が確認できれば、妊娠が成立します。
妊娠の前兆はいつ頃から?
妊娠検査薬を使って検査できるのは、生理開始予定日の約1週間後からとなっています。この段階で妊娠が判明すると、すでに妊娠2ヶ月程度になっている方がほとんどですので、妊娠初期となります。
ですがそれよりも前「妊娠0~4週」を妊娠超初期としています。妊娠超初期症状は、妊娠した時(着床した時)から始まります。
妊娠超初期症状は、初期の症状とよく似ています。ただそれに気づく方は非常に少ないです。生理前の症状がハッキリと自覚できている方は、この超初期に体の変化を感じることができます。
妊娠の前兆は、早い方では妊娠3週目頃から、着床痛や、下腹部の痛み、生理痛のような感じなど、様々な体の異変を感じるようになります。ただ、超初期に前兆を感じる方は、かなり稀な方です。または、妊活中で常に体調の変化を気にかけている方です。
多くの女性は、妊娠の前兆を感じる時期は、妊娠検査薬が使える頃か、それより少し前になります。
妊娠の前兆で現れる症状
着床出血
生理開始予定日の頃よりも数日前に、ほんの少しの出血がある方がいます。これは着床の際にあるもので、出血の色も人それぞれです。少し茶色のおりものだったり、薄ピンク色だったり、人によっては鮮血だったり、本当に個人差があります。また、着床出血が無い方もたくさんいます。出血期間も2~3日程度とかなり短くなっています。
腹痛や張り
これも着床時に起こる症状の一つです、下腹部辺りに痛みを感じたり、お腹の張りを感じる方もいます。
バストの張りと痛み
妊娠の前兆は生理前の症状に良く似ています。妊娠すると女性ホルモンが体内で急激に増えます。さらに母乳を出すための乳管が発達するため、バストの張りや痛みを生じることがあります。
吐き気
着床した頃から、吐き気を感じる方がいます。性交をしてから1週間から10日程度から始まる吐き気で、その後も続くという場合は、つわりの可能性があります。
腰痛
女性ホルモンの一つの「リラキシン」というホルモンの影響で、関節が緩められます。妊娠すると子宮が成長し、出産に向けて骨盤やじん帯も緩められます。リラキシンと、体型の変化に伴って腰痛が引き起こされてしまいます。
頭痛
妊娠すると、黄体ホルモンが増えます。この黄体ホルモンには、血管拡張作用があり、頭痛が引き起こされやすくなってしまいます。頭痛の度合いは個人差が大きく、ひどい方は、吐き気などを伴うケースがあります。
眠気
生理前になると眠くなる方が多いです。あの症状と同じです。ただ、妊娠に伴う眠気は、生理前の物よりも重く、何をするのもやる気が起きず、体がだるくてとにかくずっと寝ていたいといった感じになります。
情緒不安定
妊娠をすると、体だけでなく精神的にもかなり不安定な状態になりやすくなります。妊娠の前兆として、普段テレビを見て泣いたりすることなんてないのに、涙がとまらなくなったりすることがあります。また、なんだか心が落ち着かないといった感じになります。
肌荒れ
妊娠に伴って、ホルモンバランスが乱れます。吹き出物やニキビなどの肌荒れを起こしやすくなってしまいます。また、乾燥がひどくなったり、痒みがでるといった事もあります。
前兆は感じなくても大丈夫!
妊娠の前兆は、全ての人が同じように感じるのではありません。妊活をしている人や、日頃から生理前の体調に特徴的な症状がある方は、比較的早い段階で、妊娠の前兆を感じる傾向があります。
妊娠週数が進むにつれて、個人差はありますが、みなさんそれぞれ妊娠の兆候を感じるようになっていきます。どんな症状があるかは、人によって違いますので、ここで紹介した症状ないからといって不安になる必要はありません。
ただ、妊娠の前兆を感じたのなら、その日からお腹の赤ちゃんのことを考えて、飲酒や喫煙は控えるようにしましょう。妊娠初期は、穏やかに過ごすことが大切です。ストレスをためず、リラックスして過ごすようにしてくださいね。