妊娠したい、と考えていても実際には妊娠は考えるほど容易ではありません。結婚して1年ぐらいしたら子供が欲しいかな、と考えても計画通りにいかないことがほとんどです。また近年は晩婚化が進み、妊娠を望む夫婦の年齢も上がったこともあり、妊娠ができないと悩む人も増えてきています。そこで今回は、妊娠を望む時に2人がするべきことについて、詳しくご紹介します。
なかなか妊娠できないのはなぜ?
まず妊娠について、きちんとその仕組みを知りましょう。妊娠とは、卵巣から排卵された卵子と膣内へ入ってきた男性の精子とが受精し、子宮内膜に着床してはじめてそう呼ばれます。
卵子は排卵後24時間の寿命しかなく、一方の精子は72時間の寿命とされていますが、これには個人差があり、短い場合も、また長く1週間ほど生きるものもあります。つまり卵子と精子そのもの、また女性の卵巣や子宮、男性の陰嚢や睾丸に何らかの問題があると、受精できなかったり着床できず、これが妊娠ができないという状態になるのです。
さらに妊娠がなかなかできない理由については、いくつかのことが考えられます。
排卵日が把握できていない
性交は排卵日に合わせて行わないと、卵子と精子が受精することはできません。しかしこの排卵日は女性の体調や精神状態でも多少前後するため、基礎体温を付けたり、おりものの状態を自分で確認するなどして、把握する必要があります。
妊娠を妨げるような生活をしている
睡眠不足やストレス、不規則な生活は自律神経を乱し、新陳代謝を低下させ、血行を悪くします。これによって引き起こされるのが、むくみや冷えといった症状で、その結果生殖機能を低下させてしまいます。他にも飲酒や喫煙も、体の血行を悪くする原因です。
女性特有の病気によるもの
子宮や卵巣に病気や変形があると、妊娠しにくい体になってしまいます。子宮内膜症・子宮筋腫といった女性特有の病気以外にも、卵巣機能不全や着床障害が原因の場合も。
さらに性感染症も、卵管に炎症を起こし、管がふさがることで卵子や精子が通れなくなってしまい、妊娠できなくなってしまいます。
男性特有の病気によるもの
妊娠できない原因は、男性にもあります。特に多いのが、精子の質や量、また精子の運動量の低さや、勃起ができないといった勃起不全、また精子を作る精巣に何らかの問題がある場合もあります。
加齢によるもの
射精ができれば、また生理があれば妊娠ができると考えていないでしょうか。実は加齢と妊娠率には大きな関係があります。加齢と共に精子と卵子の質は低下していき、また女性の卵子の数には限りがあるため、35歳を過ぎると妊娠の確率は一気に低下してしまいます。
妊娠したい時に女性がすべきこと
妊娠したいと考えているなら、すぐに様々な方法で妊娠しやすい体と妊娠しやすい環境を作ることが必要です。
基礎体温を付ける
基礎体温を測り、記録することは、正確な排卵日を把握することはもちろん、排卵障害や病気の可能性などの手掛かりにもなります。最低でも3ヶ月は記録し、病院を受診する際には持参しましょう。
食生活を改善する
女性の体で特に大切なのは、ホルモンのバランスです。ホルモンが正常に分泌されないと、排卵ができないだけでなく生理痛などがひどくなります。栄養バランスの取れた食事を3食きちんと取り、極端なダイエットや食事制限は控えましょう。
冷えを改善する
血行が悪くなると、生命維持に関係のない生殖器は十分な血液が行き届かなくなり、結果的にその機能が低下してしまいます。さらに血行の悪化は冷えを招き、さらに生殖器の活動を低下させる悪循環につながってしまいます。衣類で体を温めるのと同時に、食事や飲み物でも体を温めましょう。
体重管理をする
極端に痩せている、また逆に太りすぎていてもホルモンのバランスが崩れてしまい、妊娠しにくい体になります。また生理が不順になるなど弊害も多くあるため、適正体重を把握することも大切です。
パートナーである男性にもすべきことがある
女性と同時に、男性も妊娠しやすいよう日常生活から気を付ける必要があります。
飲酒や喫煙を控える
女性だけでなく、男性も飲酒や喫煙は控えるようにしましょう。飲酒や喫煙は勃起不全や精子異常の原因ともなります。
通気性の良い下着を身につける
卵巣の温度が高くなると、精子に様々な影響を与えます。精巣を締め付けず、通気性の良いトランクスをはくのがおすすめです。また素材にも注意し、熱や汗が籠もることのないようにしましょう。
精巣や睾丸を温める行為は控える
膝上でノートパソコンを長時間操作したり、サウナの利用、自転車やバイクのサドルで長時間精巣が圧迫されるといった環境も、精子に大きなダメージを与えます。
精子をためない
精子は70時間かけて作られますが、古い精子が精巣に残ったままだと劣化してしまいます。2日から3日おきに射精し、精子を新しく作ることが必要です。
また排卵日に合わせて性交しなければ、というプレッシャーから勃起不全が起きることがあります。日頃から2人でのスキンシップを大切にし、義務感で性交を行わないようにすることが大切です。
妊娠したいなら予防接種や検査も受けよう
妊娠してからかかると、胎児や母体に大きな影響を与える感染症がいくつかあります。また妊娠を妨げる性感染症などは、早期に治療することも必要なので、妊娠を考えているなら予防接種や検査を受けておくようにしましょう。
妊娠前に受けておくべき予防接種
・風疹
・水ぼうそう
・麻しん(はしか)
妊娠を考えているなら治療が必要な性感染症
・クラミジア
・カンジダ膣炎
・梅毒
性感染症は女性だけでなく男性も検査が必要です。またどちらかに菌が発見された場合でも、治療は2人そろって行う必要がありますので、早めに検査を受けるようにしましょう。
妊娠を考えていて、なかなか妊娠できない場合は病院に行って検査を受ける必要もありますが、原因が分からないことも少なくありません。まずは妊娠する体へと変えることが大切ですよ。