冬限定で鬱っぽくなる「冬季うつ病」を防ぐ5つの対策法

うつ病は社会的な問題となっていますが、ある季節限定でうつの症状が出る方がいます。秋から冬にかけてうつの症状がでることを「冬季うつ病」と呼んでいます。いったいこの冬季うつ病というのはなぜ起こるのでしょうか?

この病気の原因と症状を詳しくご紹介いたします。また、防ぐ為の対策法や、万が一、この病気になってしまった時のセルフケアの方法も併せてご紹介いたします。思い当たる症状でお悩みの方は、是非最後まで読んでみて下さい。

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冬季うつ病の原因と症状

この病気の原因と症状をそれぞれ詳しくご紹介いたします。

原因

この病気の原因は安らぎホルモンと呼ばれている、セロトニンが不足することで起こるということがわかっています。秋から冬にかけては日照時間が極端に短くなります。日照時間が短くなり日照量が不足することで、睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンが、起きた時も多いままとなり、分泌のタイミングに狂いが生じてしまいます。

では、これがどうして冬季うつ病の原因なのでしょうか?

メラトニンは、朝起きてから15時間程度で分泌が開始され、夜中に向かってその量はどんどん増えていきます。2時頃にピークを迎え、朝起床とともに分泌は止まります。そこから、日中の体内のメラトニンの量は減少していき、脳が覚醒してくれます。

冬場のように、日照時間が短くなってしまうと、体の中のメラトニンの減る量が抑えられて、日中もスッキリせず眠気がとれなくなってしまいます。

一方、セロトニンは脳内神経伝達物質の一つであり、これが不足することより不安になったり、イライラやキレやすいといったことが起こりやすくなってしまいます。

セロトニンが不足し、メラトニンの分泌異常が重なって、冬季うつ病が引き起こされることになってしまいます。世界でも、日照時間が短いスウェーデンやフィンランドなどでは、この病気の発症率が、人口に対して約10%近い、又はそれ以上となっています。

症状

この病気の主な症状は、一般的にうつと呼ばれている方の症状とほぼ同じで、

・疲れやすい
・気分が落ち込むことが多い
・何をやっても楽しいと思えない
・日中の眠気が非常に強い
・朝ベッドから出られない
・憂鬱な気分になる
・体を動かすのがおっくうになる
・甘いものを食べたくなることが多い
・ぐったりしてしまう

などがあげられます。

 

冬限定で鬱っぽくなる「冬季うつ病」を防ぐ5つの対策法

冬季うつ病を防ぐ対策法

日照量の不足が原因で起こる病気なので、お日さまの光をしっかりと浴びて、体内のセロトニンを増やすことでこの病気を防ぐことができます。

日中に屋外で過ごす時間を増やす

寒くなると屋内に閉じこもりがちですが、それが良くありません。日中なるべく外で過ごす時間を増やしお日さまの光を少しでもたくさん浴びて下さい。ランチタイムに外にでたり、お天気が良い時は、通勤や通学の時に少し歩いてみるのも一つの方法です。

日光浴

毎日でなくても週末やお休みの時は、家から外に出て、公園などを散歩したり、お弁当を食べたりして、日光浴をするようにしましょう。

お部屋に入る光の量を増やす

部屋にいてもカーテンやブラインドを開けて、外の光がお部屋に入るようにしましょう。なるべく光の当たる所で過ごすようにします。

トリプトファンを摂る

セロトニンの元であるトリプトファンという栄養素を積極的に摂るようにしてください。このトリプトファンが入っている食材は、牛乳お肉になります。

ココアやダークチョコを摂る

ココアやダークチョコなどは、カカオの渋みが効いていますよね。カカオに含まれているテオブロミンがこの渋みの正体です。これが、セロトニンの分泌などをサポートしてくれる効果が期待できます。

適度な運動の習慣化

寒いと外に出るのも億劫になりますが、できるだけ適度な運動を習慣化させることも、この病気の予防になります。運動をすることで、ドーパミンの分泌が促進されます。落ち込みやイライラといった症状改善の効果が期待できます。

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なってしまった時のセルフケア

この病気であると診断を受けた場合、治療が必要になりますが、自分でもできるセルフケアも併用することをおすすめします。先にご紹介した防ぐ方法である、

・日光浴をする
・部屋に入る光の量を増やす
・日中に屋外で過ごす時間を増やす
・トリプトファンを摂る
・適度な運動をする

というものを、治療と一緒に併用することで、症状改善効果をアップさせることができます。さらにセロトニンを増やす為に、タンパク質やビタミン類を積極的に摂取するようにしてください。手軽に摂れる物としては、「バナナ」を常備しておくことをおすすめします。

 

冬限定で鬱っぽくなる「冬季うつ病」を防ぐ5つの対策法

早期治療が大切!

うつ病と同じく、冬季うつ病も少しでも早く気付いて治療することが大切です。症状が進行してしまってからでは、改善にも時間がかかってしまいます。また、一度冬季うつ病になると、寒い季節へと移り変わる時に再発する可能性もあります。

治療をうけて良くなっても、また同じことを繰り返さない為に、ここでご紹介した防ぐ方法を日頃から実践するようにしてください。この病気そのものが、まだメジャーではありません。「季節病」などと勝手に判断して、そのうち治ると過信してはいけません。うつというのは、知らず知らずに症状が進行し、自分ではどうすることもできなくなってからでは、取り返しがつかないことになってしまいます。

今回あげさせていただいた症状に当てはまると思われるなら、なるべく早く専門の診療機関で診察を受けるようにしてください。