妊娠をしておなかが大きくなると、子供を授かった喜びをひしひしと感じる妊婦さんは多いでしょう。ある日おなかを鏡に映したときに何やら1本の筋が出来ていて、驚いた人はいませんか?今回は正中線にスポットをあててお話していきます。
正中線とは?
正中線とはおなかの真ん中に縦一本に伸びる線で、茶色い人もいれば黒っぽい人もいます。おへその上下にできることが多いのですが、正中線は生まれたときからすべての人が持っています。
これは受精後の細胞分裂の名残を表していて、妊娠前までなかったという人は、正中線が目立たなかっただけなのです。人によって違いますが、この線が目立つようになるのは妊娠20週前後からが多く、早い人では妊娠中期である16週あたりから身に見えて分かるようになる場合もあります。逆に妊娠後期の妊婦さんでも薄っすらとしか分からない場合もあり、個人差が大きいと言えるでしょう。
正中線ができる原因
続いて、正中線ができる原因について掘り下げてみましょう。
メラニン色素の影響
妊娠を機に正中線が目立ちだすことが多いのはなぜなのでしょうか?妊娠によってホルモンバランスが変動します。その影響でメラニン色素が多く分泌され、そばかす・シミが目立ってきたり、乳首も黒ずんできたりします。それと同じように正中線も濃くなってしまい、見たときに分かるようになるのです。
おなかの皮膚が引き伸ばされたため
おなかが大きくなるにつれて、皮膚もひっぱられて薄くなるため、それまで目立たなかった正中線がくっきりと分かるようになります。
正中線の消し方
このまま正中線がずっと残っているのはどうしても避けたいですよね。では、正中線を消す方法はあるのでしょうか?調べてみると『保湿』や『肌のターンオーバー』がカギでした。
クリームでしっかり保湿
妊娠線用の保湿クリームで正中線の場所をしっかりと保湿しましょう。肌の新陳代謝を促進し、メラニン色素の蓄積を抑えることができます。
睡眠をしっかりと取る
人によって違いはあるものの、肌は28日~56日ほどの周期で新しい皮膚に生まれ変わっています。これをターンオーバーというのですが、ターンオーバーが正常に機能するためには睡眠が必要不可欠。睡眠時間はたっぷりと取っておきましょう。
すでに赤ちゃんが生まれている人は、赤ちゃんのお世話があるので思ったように睡眠時間が取れませんよね。できることなら、旦那さまや親など周りの人に赤ちゃんを見てもらって睡眠時間を確保すると良いでしょう。正中線のためだけでなく、自身の体調を整える意味でも必要なことなので、周りと話をしてみてくださいね。
適度な運動
適度な運動によりお肌のターンオーバーが正常になります。ただ、妊婦さんの場合には筋トレなどのハードな運動は厳禁。マタニティヨガやウォーキングなどの有酸素運動を心掛けましょう。体調の変化や疲れ、おなかの張りを感じたら横になったり座るなどして休憩を取ってください。無理をして運動を続けないようにしましょう。
バランスのとれた食事
肌のターンオーバーを促進するためには、食事から摂取する栄養も大切です。皮膚の細胞を活性化させる『ビタミンB2・B6』や抗酸化作用や保湿効果も期待できる『ビタミンC』、抗酸化作用が強くお肌の老化を抑制する効果があるとされる『ビタミンE』などを積極的に摂り入れると良いでしょう。それぞれの栄養素を含んだ食材は以下の通りです。
・ビタミンB2:レバー、うなぎ、うずらの卵、納豆など
・ビタミンB6:にんにく、マグロ、カツオ、牛レバーなど
・ビタミンC:赤・黄パプリカ、ブロッコリー、ゆず、レモンなど
・ビタミンE:アーモンド、落花生、うなぎ、はまち、ひまわり・コーン油など
『ビタミンA』は肌の老化を抑える効果が期待できるものの、摂り込んだ分だけ体内に蓄積されていく特性があります。そのため、妊娠期間中は過剰摂取に注意が必要な栄養素なので、たくさん摂取するのは避けておきましょう。ビタミンAを多く含む食材には『うなぎ』『レバー』『卵』『チーズ』『牛乳』などがあるので気を付けておいてください。
ストレス発散も大事
お肌のターンオーバーはちょっとしたことでサイクルが崩れてしまいがちです。ストレスをため込むと、それが影響してターンオーバーが乱れることもあります。おなかの赤ちゃんにも良くないので、ストレスを感じたらその都度吐き出したり気分転換をしてストレスを発散させましょう。ママが楽しいと、赤ちゃんも楽しくなって幸せな気分になりますよ。
自然になくなることも
正中線は産後半年から1年ほどでだんだんと薄くなっていき、最後には元通りになることがほとんどです。人によっては1年以上残ることもありますが、長い時間をかけてどんどん薄くなっていきます。自然と消えるのを待つというのも、一つの手かもしれませんね。
妊娠線とは全く別物!
妊娠をするとおなかや太もも、胸、お尻などにひび割れのような線ができることがあります。これが『妊娠線』です。正中線とは全くの別物で、皮膚が限界まで引き伸ばされて亀裂が入ってしまい、肉割れしてしまった状態です。
妊娠線は出来てしまうと薄くはできても完全に消してしまうのは不可能です。しかし正中線は出産を終えるとメラニン色素の分泌が減るため、次第に目立たなくなっていくのが特徴です。妊娠線とは全く違うので、区別しておきましょう。