子供を授かるということはとても幸せなことですが、楽しいだけが妊娠生活ではありません。お腹の中で一人の人間を育てることになるのですから、当然さまざまな変化をともないます。
そのひとつが“つわり”です。大体の方がイメージしているのは、突然吐きそうになって洗面所に駆け込むという吐き気の症状でしょう。しかし何も吐くだけがつわりの症状ではないのです。
今回はつわりについて詳しく解説していくとともに、具体的な症状や対処法を紹介していきます。
つわりの原因
ではさっそくその原因についてみていきます。ただ、つわりの原因は完全に判明しているわけではないので、あくまでも参考としてお考えください。
1.吐きつわり
原因はホルモンの状態が変化することと考えられています。子供がお腹にいるというだけでもかなりのプレッシャーですが、それに加えて普段通りの生活ができないことによるストレスも症状に影響を及ぼします。
2.食べつわり
この種類については、赤ちゃんのために母体が得るはずのエネルギーが足りなくなり、体が異常に栄養を求めることが関係しているといえます。また、多くの場合、低血糖から起こることが多く、食事の内容を見直す必要もあるでしょう。
3.眠りつわり
妊娠すると増加するホルモンが影響しています。
4.よだれつわり
妊娠中は唾液の分泌がおさえられるといいますが、体の防衛反応や神経のバランスが崩れることで過剰に分泌されることも。
5.臭いつわり
女性特有のホルモンの量が変化することで臭いに鈍感になったり、敏感になったりします。もともと動物は妊娠中敵から身を守るために、臭いやさまざまなことに敏感になるようにできています。人類もそれと同じように母親が赤ちゃんを守るために起きる作用であると考えられるでしょう。
種類別の症状は?
続いては、症状について確認していきます。
気持ち悪くて仕方ない吐きつわり
最も多い種類で、一日に何度も吐き気をもよおしてしまうこともあります。たとえるなら二日酔いの気持ち悪さが延々と続く状態です。
とにかく食べたい食べつわり
普通では考えられないような量の食事を摂ってしまう食べつわり。お腹がすくと気持ち悪くなるので、食べていないと辛いという症状が出てしまうことも多いです。生理前に食欲が旺盛になることはありますが、それ以上の症状だと考えて下さい。
眠気が覚めない眠りつわり
眠いと倦怠感がつきまとい、何もしたくなくなる状態に陥ってしまいますね。吐き気や食欲が止まらないことも辛いですが、ずっと寝不足のように体が起きてくれないと、精神的にも辛いものとなります。
唾液が過剰に分泌するよだれつわり
唾液が分泌しすぎることで、飲み込むことも辛い、飲み込もうとすると吐きそうになるなどの症状があらわれます。
臭いが気になる臭いつわり
今までは何も感じていなかったはずの臭いにまで体は反応してしまいます。普通なら良い香りと感じるものでも、この時は例外だと思ってください。今まで大好きだったアロマの香りも、妊娠中は大嫌いになることもあります。
関連記事:つわりの症状が現れるメカニズム
種類別の対処法
辛い症状をともなうつわりを上手に対処していくためには、何が効果的なのでしょうか。種類によって方法は異なってきます。
吐き気が辛い場合
気持ち悪くてたまらないときは、食べたいと思える時にお菓子でもなんでもかまわないので食べることです。特に水分を摂れるスープなどがおすすめ。(amazonで「スープ」を探す)
噛まなくて良いので比較的摂取しやすいといえるでしょう。また、葉酸やビタミン類が不足すると吐き気が悪化することもあるため、栄養補給のためにもサプリなどでうまく調整していく必要があります。
関連記事:妊娠前後におすすめの葉酸サプリ
食欲が止まらない場合
アメやグミ、何でも良いのでサッと食べられるものを用意しておきましょう。外出先やお家の中でも、作っている間に吐き気をもよおしてしまうことがあるため、手軽に口にできるものが必要です。余裕がある日に小さめのおにぎりを作っておき、冷蔵庫に保管しておくなど工夫も必要です。
眠くて仕方ない場合
眠れるのであれば、症状が回復するまで睡眠に没頭しましょう。眠り過ぎてパートナーに迷惑をかけることになっても、あなたの体が落ち着くことが最優先であることは分かってもらうべきです。
家事をこなしたいという気持ちがあるのなら、できるときにできることをまとめてしておくなど、毎日の負担を減らす努力も必要です。
唾液が出続ける場合
とにかく唾を吐き出すことが大切。飲み込むと吐いてしまうパターンが多いため、ティッシュやキッチンペーパーなどを持ち歩くようにしましょう。
また、メンソールの飴をなめることもおすすめ。少しでも口内を清涼に保つことで気持ち悪さを軽減できます。
臭いが気になって仕方ない場合
普段の生活の中での臭いが気になるようであれば、お家の中でもマスクをするなど、臭いを感じないようにしましょう。洗剤なども可能であれば無香料のものに変え、嗅いでも不快でない香りを見つけることも大切。
香りの好みが変わったのであれば、それを楽しむこともおすすめ。今までは気に入らなかった香りでも、良い匂いと感じるのであれば、これからのお気に入りにしてみるのもよいですね。
関連記事:今日からできるつわり対策