産後ママは膀胱炎にかかるリスクが高い!5つの原因と治し方

出産が終わったとほっとしたのもつかの間、排尿時に痛みを感じるようになったと悩んでいませんか。排尿のときに違和感がある場合は膀胱炎にかかっている可能性があります。

産後、膀胱炎になってしまう原因や膀胱炎の症状、治し方などについて確認してみましょう。

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産後膀胱炎の原因と症状

産後は膀胱炎にかかりやすいと言われています。産後膀胱炎の原因や症状をご説明いたします。

膀胱炎とは?

「膀胱炎」とは膀胱の中で細菌が繁殖して、炎症が起こっている状態です。

女性は男性と比較して膀胱炎になりやすい二つの理由があります。一つ目の理由は膣や肛門のすぐ近くに尿道口があることです。トイレにいったときなどに細菌が尿道口から侵入して炎症を起こします。

二つ目の理由は尿道が短いこと。尿道に侵入した細菌が膀胱に逆行することが多く、膀胱炎を引き起こしやすいです。

膀胱炎の原因となる菌はさまざまですが、最も多いのは大腸菌。大便をした時に拭き方が適切でないと、大腸菌が尿道を通って膀胱に侵入し、膀胱炎を引き起こしてしまいます

産後膀胱炎の原因

女性に多い膀胱炎ですが、特に気をつけなければいけない時期が産後。出産の負担などが原因で膀胱炎になってしまう人がたくさんいます。

産後膀胱炎の主な原因を5つご紹介いたします。

原因1.尿が出にくい

産後2~3日間は一時的に膀胱の神経が麻痺することがあります。ひどい場合は尿意を感じられず、尿がまったく出なくなってしまいます。

尿には尿道の殺菌を排出させる働きがあるため、長時間排尿しなければ、尿道に細菌が繁殖しやすくなり、繁殖した細菌が膀胱に侵入して膀胱炎が起こるのです。

原因2.尿を我慢してしまう

子育て中は赤ちゃんから目を離したくないと思うママも多いと思います。トイレに行く時間を惜しみ、尿を我慢すると尿道で細菌が繁殖します。

さらに、長時間にわたってトイレに行かなければ、膀胱の粘膜が持つ感染防御作用が弱まり、尿道に侵入した細菌に感染する危険性が高まります。

また、出産のときにできた傷が原因でおなかに力を入れられなかったり、痛みを感じたりして尿を我慢してしまう場合も膀胱炎になりやすいので、注意が必要です。

産後ママは膀胱炎にかかるリスクが高い!5つの原因と治し方

原因3.デリケートゾーンに細菌が繁殖しやすい

産後のママはデリケートゾーンに細菌が繁殖しやすいです。

出産時の傷は1週間から10日程度治らないので、ケアが十分でなければ細菌が繁殖してしまいます。

さらに、悪露にも注意しなければなりません。

悪露とは産後に子宮や膣などから分泌される血液や粘膜であり、産後3~4日程度でピークを迎えた後も1~2か月は分泌が続きます。悪露のケアが適切でなかった場合も細菌が繁殖して膀胱に侵入し、膀胱炎になってしまいます。

原因4.尿道が緩んでいる

産後は尿道付近の筋肉が緩むことがあります。尿道付近の筋肉が緩むと細菌が逆行しやすくなり、膀胱に入って炎症を起こす可能性が高められます。

原因5.疲れやストレスが溜まっている

出産の疲れや子育てのストレスがたまっている人も膀胱炎になりやすいです。

子育てで疲労やストレスが溜まると自律神経が乱れ、免疫機能が弱まります。免疫とは細菌と闘うための働きであるため、この機能が弱まると細菌に感染しやすくなり、膀胱炎にもつながります。

産後膀胱炎の症状

膀胱炎の主な症状は以下の通りです。

・トイレに行っても、またすぐに排尿したくなる
・残尿感がある
排尿時に痛みがある
・尿が濁ったり、血尿が出たりする

これらの症状を放っておいた場合、腎臓にまで細菌が侵入し、腎盂炎の症状がでます。腎盂炎になると発熱や背中、腰の痛みが現れることがあるので、早めに対処することが大切です。

産後ママは膀胱炎にかかるリスクが高い!5つの原因と治し方

産後膀胱炎の治し方

症状が軽い場合、膀胱炎は自然に治ります。意識的に水分を摂り、何回もトイレにいくことを心がければ細菌が排出されて症状が治まります。

その一方で、症状が重くなったら、育児に支障をきたすこともあるので、早めに診察を受けるのがおすすめです。市販薬は授乳に悪影響を及ぼすこともあるので、お産をした産婦人科に相談をしてみて下さい。

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産後膀胱炎を予防する方法

産後膀胱炎の予防法をご紹介いたします。

長時間尿を溜めない

産後の膀胱炎を予防するためには長時間、尿を溜めないように頻繁にトイレに足を運ぶことがポイントです。尿が出にくい場合は水分の摂取量を増やし、下腹部に手を当てると良いでしょう。

デリケートゾーンを清潔に保つ

常にデリケートゾーンを清潔な状態に保つことも大切です。悪露のケアや傷の消毒も忘れないようにしてください。シャワートイレは便利ですが、デリケートゾーンのケアには不十分です。トイレのあとは忘れずに消毒しましょう。

尿道周辺の筋肉を鍛える

尿道の周りの筋肉が緩んでしまっている時は簡単なトレーニングもおすすめです。おなかに力を入れて尿道口を締めるようにする動作を1日20回×4セット程度継続すると徐々に筋力が戻ってくるでしょう。

ストレスを溜めない

子育ては大変なことも多いですが、家族や友達などに相談してできるだけストレスを溜めないようにしましょう。ストレスを溜めすぎると膀胱炎だけでなく、さまざまな体の不調を引き起こします。

産後ママは膀胱炎にかかるリスクが高い!5つの原因と治し方

産後は膀胱炎に注意しよう

産後は体もダメージを受けています。疲れが取れず、膀胱炎にもかかりやすいのでできる範囲で予防法を実践しましょう。

意識してトイレに行ったり、こまめにデリケートゾーンのケアをしたりすると細菌の繁殖を抑えられて膀胱炎の心配も減らせますよ。

もし、膀胱炎にかかってしまっても赤ちゃんに悪影響を及ぼさない薬で治療できるので、気になることがあれば早めに医師の診察を受けてくださいね。