妊娠2ヶ月は最後の生理が始まった日から数え、妊娠4週目から7週目になります。生理がなく、「妊娠したかも?」と考え始めたり、生理が不順なことが多いと妊娠に気がつかないままのこともあります。とはいえ妊娠2ヶ月は赤ちゃんが急激に成長する時期でもあります。そこで今回は2ヶ月目の胎児の様子や、お母さんの体に変化について詳しくご紹介します。
妊娠2ヶ月の赤ちゃんの成長の様子
妊娠2ヶ月に入ったばかりの赤ちゃんは、胚盤胞というかたまりの状態であり、大きさはわずか1mmほどしかありません。エラや尻尾があり、オタマジャクシによく似た形です。このエラと尻尾は、妊娠6週目にはなくなります。
中枢神経や脳、そして心臓といった体の中でも生命維持を司る期間は、妊娠2ヶ月のあいだに作られます。頭と尻尾が伸びてあごといったくびれができ、妊娠5週目に入ると胎芽となり、6週目には心臓が動き始めます。妊娠2ヶ月の終わり頃である7週目には、胴体がわかれて二頭身となり、その大きさは12mm程度にまで成長します。
お腹の張りは感じる?
妊娠2ヶ月はまだお腹も大きくはなく、見た目には妊婦とは分かりませんが、体の中では様々な変化が起きています。その一つがお腹の張りです。
お腹の張りが起きる原因
子宮が大きくなっている
大きくなった子宮が、周りの臓器などを圧迫することで起きます。普段は感じることのない張りなので、変化は小さくても敏感に感じてしまうことがあります。
子宮のけいれん
下腹部がつったように痛む場合は、子宮を支えているじん帯が、大きくなる子宮にあわせて伸びようとしてけいれんを起こしていることがあります。
ストレスによるもの
妊娠初期は精神的にも不安定なことが多く、つわりなどの体調不良も重なってストレスが重なり、お腹の張りを起こすことがあります。
流産の可能性
流産や切迫流産の兆候として、お腹の張りを感じることがあります。流産や切迫流産の場合は、お腹の張りだけでなく、腰の痛みやだるさ、不正出血といった症状も伴いますので、早めに病院に連絡をしましょう。
子宮の病気などによるもの
子宮内膜症など、子宮の病気や感染症にかかっているときにも、お腹の張りを感じることがあります。不正出血やおりものの状態や臭い、また排尿時に痛みを感じるといった症状が起きますので、病院で診察を受けることが必要です。
お腹の張りを感じた時の対処法
通常はお腹の張りは妊娠すると起きることなので、それほど深刻に考える必要はありませんが、安定していない時期なので無理をしないことが大切です。
横になる
自宅など横になれる環境であれば、安静にしましょう。それが難しくても椅子に座ってリラックスすることが必要です。
車の運転は長時間しない
同じ姿勢のままでいることの多い車の運転中は、振動などがお腹に響くため、お腹の張りをいつもより感じやすくなります。車の運転はしないか、必要であっても最小限にとどめ、張りを感じたら車を止めて休むようにしましょう。
その他の体調の変化は?
妊娠2ヶ月は体調の変化もめまぐるしい時期です。体の内側では、妊娠を継続させるために様々なことが起きています。
絶対過敏期
薬の影響を受けやすい時期のことを絶対過敏期といい、飲む薬や注射によっては胎児に影響を及ぼすことがあります。常用している薬がある場合には注意が必要です。ただし妊娠が分からないまま飲んでしまった場合は、病院で医師に相談するといいでしょう。また薬を飲む必要がある場合には、妊婦用のものを処方してもらうようにします。
つわり
早い人では、妊娠2ヶ月からつわりの症状が出ることがあります。ホルモンの分泌のバランスが変わることで、胃や腸の働きが低下することも一因ですが、自分のよだれや特定のものの臭いに反応して吐いてしまうこともあります。つわりの時期は脱水症状を起こしやすいため、十分な水分補給と共に、口にできるものは少しでも食べるようにしましょう。
体のだるさや眠気
体調の変化から体がだるく動けない、また日中でも睡魔に襲われるといったことが増えてきます。微熱が続くこともあるので、この場合は無理をせず横になる、休むといったことを心掛けましょう。
頻尿になる
子宮から膀胱に圧がかかり、頻尿になることも。我慢すると膀胱炎などの感染症にもつながりますので、我慢しないことが大切です。
さらに妊娠2ヶ月では便秘や下痢になることも増えてきます。体調が安定せず、辛い時期ではありますが、少しでも体を動かすように心掛けましょう。
妊娠2ヶ月で注意すべきことは?
偏った食事にならないように注意する
つわりなども始まるため、体のことを考えて栄養のある食事をしようとするのは難しいこともあります。ただ食べたいものだけを食べる、食べたいときに食べるといったことを繰り返していると、今後の妊娠生活で体調を崩してしまいかねません。工夫をして3食をきちんと食べるようにしましょう。
マタニティーブルーを解消する
体の変化が起きる妊娠2ヶ月は、心も不安定になり、いわゆるマタニティーブルーになりがちです。情緒不安定になるのは仕方のない面もありますが、自分一人で抱え込まないようにし、悩みは周りの家族などに相談するようにしましょう。
無理なダイエットはしない
太りすぎると出産が大変だから、という理由で妊娠中にダイエットをするのはおすすめできません。ある程度は体重が増えますので、ダイエット目的で食事を減らしたり、無理な運動はしないようにしましょう。
禁煙をする
妊娠中はストレスも溜まりやすいため、喫煙が復活してしまう人や、なかなかやめられない人もいます。しかし喫煙は流産や早産のリスクを高めてしまいますので、早急に禁煙するようにしましょう。
妊娠初期には診察の回数も多くなりますが、赤ちゃんの成長もめざましい時期です。妊娠が安定する安定期までは、流産の可能性も高いため、体調の変化などには十分に注意しましょう。