妊娠10ヵ月は、もうすぐ赤ちゃんに会える嬉しさと、出産に対する不安が入り混じっている時期です。精神的にも不安定になりやすいといわれています。この頃は9ヵ月のころよりもよりお腹の張りを感じることが増えてきます。お腹が張るたびに陣痛かも?と不安を感じることもありますね。今回は10ヵ月ごろのお腹の張りについて解説します。
妊娠10ヶ月の母体と赤ちゃんの様子
あと少しで出産という時期に入りました。
妊娠10ヵ月は「臨月」とも言われますね。
10ヵ月に入るとこれまで感じていた妊娠の様々な症状が少し緩和してきます。
この月ならではの注意点もありますから、しっかり認識して出産に臨んでくださいね。
赤ちゃんは出産に向け、位置が下がってくるので、これまで圧迫されていた肺や胃腸がその圧迫から解放され、動悸や息切れ、胃腸の不調が解消されます。
胃腸の不調が解消されればついつい食べ過ぎてしまうところですが、食べ過ぎて体重が増えすぎてしまうと、赤ちゃんが巨大児になってしまったり、難産のリスクが高まります。
もうすぐ出産といえどまだまだ体重管理は必要ですから、気を付けてくださいね。
肺や胃腸への負担が減る一方で、膀胱は逆にこれまでより圧迫されます。
そのためこれまで以上の頻尿や尿漏れに悩まされる方も出てきます。
赤ちゃんが出産準備をしてくれている証拠ですから、ストレスに思わずに尿漏れパッドなどを活用して対策を取っていきましょう。
精神面では出産に対する不安が大きく膨れ上がる時期でもあります。
そんな不安から夫婦げんかが増えてしまうカップルも少なくないようです。
ストレスは母体にとっても赤ちゃんにとっても良くありません。
出産まで里帰りするのもストレスから解放されるひとつの方法です。
一方赤ちゃんは、9ヵ月のときよりもいつでも外に出られるよう、出産準備を進めています。
この頃の赤ちゃんは2,500gを超え、脳と消化器官以外の器官すべてが整っています。
いつ生まれても生きていける体制は整っています。
頭を下にし、子宮の下の方へ下がり、頭が骨盤の中に固定されます。
逆子だった赤ちゃんも10ヵ月ころには正常に戻っていることも多いです。
妊娠10ヶ月のお腹の張りの原因は?
妊娠10ヵ月では、今まで以上にお腹の張りを感じます。
出産ももう目前ということもあって、「陣痛かも」と不安も感じてしまいます。
お腹の張りの原因は主に3つです。
前駆陣痛
前駆陣痛の特徴は痛みが不規則で、安静にするとだんだん治まります。
陣痛であれば痛みはだんだん規則的で強くなるため、前駆陣痛と陣痛は区別がしやすいです。
前駆陣痛は個人差があり、痛みをほとんど感じない方もいれば強い痛みを感じる方もいます。
生理痛に似た痛みに例えられる場合が多いです。
便秘
普段から便秘に悩んでいる女性は多いですが、妊娠中は腸の圧迫により以前にも増して便秘気味に悩まされます。
この頃は子宮がかなり大きくなっているため、今まで以上に便秘になりやすいのです。
また出産が近づいてきたことでのストレスからも便秘になりやすい状態です。
その便秘が原因でお腹に張りが起こることがあります。
便秘が原因であれば便秘が解消されればお腹の張りも治まります。
胎動
ゆとりのなくなった子宮の中でも赤ちゃんは体を動かします。
子宮にゆとりがないため胎動は減るものの、赤ちゃんが動くときにお腹の張りを感じます。
胎動が原因の場合には、不規則で強さも都度違います。
あまりに胎動が激しいとそのままの勢いで破水しそうな不安がありますが、胎動で破水することはありませんから安心してください。
胎動は回数が減っても出産まで続きます。
1日に1度も胎動を感じないのは、赤ちゃんにトラブルが起こっている可能性がありますから、すぐに病院へ連絡してください。
陣痛との見分け方
陣痛とお腹の張りの見分け方はただひとつです。
安静にしていて治まるかどうかです。
お腹が張ってもしばらく安静にしていて治まる場合はまず心配いりませんが、痛みが規則的になって痛みの間隔が短くなったり、痛みが強くなったりすれば痛みの来る間隔をはかり、10~15分間隔になれば病院へ連絡してください。
またお腹の張りだけではなく、水っぽいものが出てきたり出血があれば破水やおしるしであることも。
すぐ出産を控えているというサインなので、焦らずに入院の準備をして病院へ連絡してください。
安産のために体を動かそう!
お腹の張りを感じやすいこの頃はつい横になりがちです。
もちろんお腹が張っていたり体調がすぐれないときには横になって安静にしていることが大切です。
ですが体調が良いときに大きくなったお腹で動くことは大変だからといってじっとしているのは良くありません。
安産のためにも、体重を増やさないためにも、できるだけ体を動かすことが大切です。
出産は長時間かかりますし、非常に体力を消耗します。
出産前に運動することで出産のために必要な体力もつきますし、子宮口も開きやすくなるといわれています。
運動といってもハードなものではなく、よく歩く、エレベーターなどを使わずに階段を使うといったことで十分です。
しっかり体を動かして、新しい家族を迎えてあげましょう。