妊娠初期に起こる下痢。下痢をすると流産につながるというような噂もあって、気になるところですね。下痢が起こると外出するのにも影響が出ますし、中には下痢と便秘が交互にやってくるという方もいるようです。どうして妊娠初期には下痢が起こってしまうのか、その原因と対策をご紹介いたします。
妊娠初期の下痢はなぜ起こる?
妊娠初期には下痢だけでなく便秘など、お腹のトラブルが起こりやすくなります。こういったお腹のトラブルが続くと、赤ちゃんへの影響も気になってきますね。妊娠初期に下痢などのお腹のトラブルが起こる原因は、自律神経の乱れや食生活の変化、薬の影響が考えられます。
自律神経の乱れ
妊娠すると様々ホルモンが分泌されます。それにより急激にホルモンのバランスが変化し、自律神経に影響を与えます。自律神経が乱れると、胃腸の不調や冷えなどが起こりやすくなります。また妊娠のストレスから自律神経に影響を与え、消化機能も低下してしまいます。
食生活の変化
妊娠初期はつわりなどにより食生活に変化が起こりやすい時期です。ニオイに敏感になったり、これまで食べていたものが急に食べられなくなったり、冷たいものを好んで食べるなどによって、栄養バランスも乱れがちです。また人によっては、食欲が増して妊娠前よりも食事の量が増えることがあります。食べ過ぎも消化不良を起こして、下痢をする原因のひとつです。
薬の影響
妊娠初期、貧血が気になる方も増えます。血液検査をして貧血が確認できると鉄剤を処方されます。鉄剤のフェロミアは消化器官に影響を与え、下痢や便秘を起こしやすいです。
妊娠初期の下痢で流産になる確率
妊娠初期の下痢は、流産の可能性があると聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?下痢が続くと心配になってしまいますが、下痢によって流産が起こることはありません。妊娠初期は流産しやすく、下痢に関係なく10%~15%の確率で流産が起こるといわれています。
妊娠初期の下痢は赤ちゃんに影響はありませんが、下痢による脱水になってしまうと赤ちゃんへの影響が出てきますので注意が必要です。
妊娠初期の下痢対策は?
一般的に妊娠初期の下痢は、妊娠4週ごろから12週ごろまで続きます。ただし個人差があり、数日で下痢が治まることもあれば、安定期に入るまで下痢が続くこともあるようです。
消化の良い食事を意識する
自律神経の乱れや食生活の変化などによって引き起こされる妊娠初期の下痢。できるだけ消化の良い食事を意識することが大切です。つわりがあると冷たいものを食べたくなりますが、できるだけ体を温める効果のあるものを食べましょう。
また食中毒のリスクを下げるために、妊娠中は生ものはできるだけ控えましょう。
他にも1度にたくさん食べずに量を減らして、その分食事の回数を増やしたり、よく噛んで消化しやすいようにするなど工夫しましょう。
ストレスをためない
自律神経が乱れるとストレスもたまりやすくなります。ストレスがたまると、消化機能が低下して、下痢や便秘を引き起こしてしまうので、できるだけストレスをためないようにしましょう。妊娠初期はいろいろな変化に対応しきれずにストレスがたまりやすくなりますが、友達と話したり、ショッピングに出かけるなどして上手にストレスを発散しましょう。
水分補給をする
下痢をすると水分を控えがちですが、それは逆効果です。下痢をすると脱水を起こしやすくなり、赤ちゃんにとっても悪影響になります。しっかり水分を補給して脱水を防ぎましょう。
下痢をしてしまったら…?
妊娠初期の下痢は流産など気になることもありますが、基本的には食事や水分補給を意識するだけで問題ありません。下痢だからといって流産についてはそれほど過度に心配する必要しなくても大丈夫です。
ですが、下痢に伴って吐き気や嘔吐、激しい腹痛を伴う場合は注意が必要です。下痢にこういった症状が伴う場合は、感染性胃腸炎の可能性があります。感染性胃腸炎とはウイルス性の腸炎で、赤ちゃんに影響することがあります。つわりとの見分けがつきにくいですが、腹痛や発熱を伴う場合は、受診しましょう。
受診のタイミングは、腹痛や発熱を伴う場合だけでなく、1日に何度も下痢を繰り返す場合です。あまりにもひどい下痢は、子宮収縮を引き起すことがありますので、早めに受診しましょう。
単なる下痢の場合は妊娠初期によくある症状なので、体を休めて冷やさないような対策をしましょう。
下痢が続くからといって、自己判断で市販の薬を飲むことは避けましょう。妊娠初期は赤ちゃんが著しく成長する大切な時期です。市販の薬の中には、妊娠中に好ましくない成分が含まれているものもあるので、自己判断で飲むのは避けるべきです。下痢が続いて日常生活に影響があるなら、医師に相談して妊娠中でも問題のない薬を処方してもらいましょう。