10人に1人の子供が「夜型」!夜型幼児に潜むリスクと改善法

早起きが苦手で、夜になると活発に活動する夜型幼児が増えてきています。
世界でも日本の子供は睡眠不足だといわれています。共働きの家庭が増えていることもあり、10人に1人の子供が夜型と考えられています。
夜型幼児の健康に及ぼすリスクと、夜型を改善するために家庭でするべきことをご紹介します。

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「夜型幼児」とは?

夜型幼児とは、夜就寝する時間が21時以降であり、また早起きが苦手な幼児のことをいいます。
夜更かしをするため、朝起きることができないだけでなく、日中居眠りをしたり、あくびばかりしているといったことが多くなります。
小中高と学年が上がるごとに、睡眠時間が短くなり、夜型が多くなる傾向にありましたが、最近では幼稚園や保育園に通う幼児にも夜型が増え、10人に1人の割合で夜型の幼児がいると考えられています。

10人に1人の子供が「夜型」!夜型幼児に潜むリスクと改善法

「夜型幼児」になる原因

夜型幼児になる原因として、以下のことが考えられます。

共働きなどで両親の帰りが遅く、夕飯や入浴が遅くなる
子供が寝る頃に父親が帰宅し、目が覚めてしまう
○子供が起きるまで起こさない
15時以降に昼寝をするため、夜眠くならない
○テレビを遅くまで見ているため、子供が寝ない

このような原因には、親の生活習慣が大きく影響していると考えられます。
現代ではレストランやコンビニ、ショッピングセンターが夜遅くまで開いており、親が子供を連れてお出掛けすることも少なくありません。
また親がテレビを見たり、ゲームをしていると子供はそれに付き合おうとして寝なくなってしまいます。
その結果朝起きられず、夕方などに昼寝をしてしまい、夜起きてしまう悪循環が生まれるのです。
そのほか、アレルギー体質で喘息や咳、かゆみなどが起き、熟睡できないため睡眠不足となっていることもあります。

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夜型幼児に潜むリスク

しかし夜型の生活が身についてしまうと、幼児には以下のようなリスクが伴います。

○成長ホルモンの分泌が妨げられる

まだ成長する過程にある幼児にとって、成長ホルモンは大変重要です。この成長ホルモンは睡眠によって大量に分泌されます。この成長ホルモンによって、体の骨、筋肉などの組織が作られ、脳が発育するのです。
しかし寝不足になってしまうと、成長ホルモンが十分な量分泌されません。そのため身長が伸びないといったことが起こり、子供の成長が妨げられてしまうことになります。
成長ホルモンは、22時から2時の間に大量に分泌されます。そのため、この時間には熟睡していないと信号が届かず、分泌が妨げられてしまいます。

○肥満になる

睡眠不足は食欲を抑制するホルモンの分泌を減らします。また朝起きて朝食を食べないことで、基礎代謝が低下するため、エネルギーを上手く消費できない体質になってしまいます。

○免疫力が低下する

成長ホルモンが睡眠時間にしっかり分泌されないことで体のバランスが崩れ、免疫力が低下します。
また睡眠不足が続くと体の疲れが改善されないままになります。そのため日中に昼寝をしてしまい夜眠れなくなってしまいます。

○不機嫌、イライラが続く

人間の体には、さまざまな信号を脳に伝えるために必要な神経伝達物質があります。
そのなかで睡眠を導く仕事をするメラトニンというホルモンがあり、これはセロトニンという物質が変化したものです。
セロトニンは、トリプトファンという成分からできます。トリプトファンとは、主に食品のたんぱく質に多く含まれているアミノ酸です。できたセロトニンは、血管を通り脳や消化管、血小板など体のあちこちに届きます。
脳に入ったセロトニンは、松果体でメラトニンになります。そこでメラトニンは睡眠を導き、体内リズムを調整するのです。
しかし睡眠不足になると、脳が活性化しないので、届くはずのセロトニンが少なくなり不足してしまいます。セロトニンが不足してしまうとメラトニンができません。そのため眠りがなかなか訪れないなど、体の中にあるリズムが狂うのです。
またセロトニンが不足すると、不安が抑えられなくなり、やる気が出ないといったうつ状態になります。いわゆるキレやすい状態になってしまうのです。

○生活習慣の乱れ

幼児の間に夜型になってしまうと、幼稚園や保育園で話が聞けない、集中力がないじっとしていられないといった問題行動が増える可能性があります。
また日中ぼーっとしていることが多いことから、怪我や事故につながりかねません。

10人に1人の子供が「夜型」!夜型幼児に潜むリスクと改善法

幼児の夜型状態を改善する方法

幼児の夜型を改善するためには、まず早寝早起きができるよう習慣づけていくことが大切です。あわせて両親の生活習慣についても、改善していかなければなりません。

環境の改善

・寝る部屋は暗くする→遮光カーテンなどを使う
・テレビやパソコンは就寝1時間前に切っておく
・朝起こすときはカーテンを開け、日光を浴びるようにする

親と一緒に改善する

同じ時間に起きる、同じ時間に寝る習慣を身につける→朝は7か8時、夜は20時か遅くても21時までには寝る
・朝の日課を作る→新聞を取りにいく、花の水やり、朝食の手伝いなど
・朝ご飯は家族そろって食べるようにする
・夜ご飯が遅くなり、入浴も遅くなりそうなときは、食事の前に入浴するなど工夫する
・寝る前に絵本を読む、子守歌を歌うなど、寝るためのパターンを作る

昼間はしっかり遊ぶことで夜眠気が起きるようにする、昼寝は15時までで切り上げるといった生活習慣も大切です。
生活リズムができれば、親の助けがなくても一人で早寝早起きができるようになります。
慢性的な寝不足は、体の成長だけでなく、学習意欲の低下など、後から影響が出ることも少なくありません。
子供の成長と健康のためにも、夜型は早めに改善するようにしたいですね。