慣れない子育ての中で大変なことはいろいろとありますが、子どもが癇癪を起した時、どうしたらいいのか本当に困りますよね。
家の中ならまだしも、外出中や、スーパーの中、公共機関の中なんかで癇癪を起されたらたまったものじゃありません。こっちまでパニックになって、どう対処したらいいのかわからなくなってしまいますよね。
今回は、子どもが癇癪を起した時にはどうしたらいいのかご紹介していきます。
そもそも「癇癪(かんしゃく)」って何?
癇癪とは、声をあげて激しく泣いたり、大きな声でさけびまくったりするような状態を指します。癇癪を起した子どもは、床にひっくりかえって泣いたり、物を叩いたり投げつけたり、人を蹴ったり叩いたりといった行動をします。時には、自分の頭を壁にぶつけるなど、自分自身を傷つける行動に走ることもあります。
多くの場合は、2歳ごろから癇癪を起こし始め、4歳ごろまで続きます。5歳を過ぎると、癇癪がおさまってくる場合が多いですが、子どもによってはもっと長い期間癇癪を起こし続けることもあり、子どもによってさまざまといえます。
子供が癇癪を起こす理由って何?
言いたいことが伝わらない
子どもは、大人のように自分の気持ちを言葉でうまく表すことができません。言いたいこと、伝えたいことがあるのに、どうしても自分の気持ちが伝わらない場合、どうしたらいいのかわからなくなって、癇癪を起こしてしまうということがあります。
大人だって、自分の気持ちがうまく相手に伝わらないと悲しい気持ちになりますよね。いくら言葉をつくして説明しても全然わかってもらえないと、自暴自棄な気持ちになったり、乱暴な気持ちになったりしますが、子どもだってそれと同じです。
豊富なボキャブラリーを持ち合わせていない子どもは、大人以上に理解されないと感じる場面がたくさんあります。理解してもらえないと感じると、悲しみが膨れ上がって癇癪を起してしまうのです。
思い通りにならない
思い通りにならない時、子どもは癇癪を起こすことがあります。例えば、もっと遊びたいのにダメと言われた場合。どうしても欲しいものがあるのに買ったらいけませんと言われた場合。やりたいことがあるのにやったらいけませんと言われ場合。このような場合に、子どもは、自分の怒りを表す手段として癇癪を使います。
やりたいことを中断させられたり、あきらめなければならないのは、大人だって辛いはず。子どもだって辛いんです。大人以上に辛い思いをしているかもしれません。そんな辛い気持ちが癇癪となるのです。
癇癪を起こすといいことがある
例えば、癇癪を起こした時に、子どもをなだめようと思ってキャンディーをあげた場合。癇癪を起こせば、またキャンディーをもらえるのかもしれないと思って、わざとひっくりかえって泣いてみたり、わめいてみたりして癇癪を起こしてみることがあります。つまり、癇癪を起こしたらいいことがあるって学習してしまうのですね。
母親は母親で、キャンディーをあげたら癇癪がやむと思い、癇癪が起こるたびにキャンディーをやることになります。そうすると子どもは、してやったりという気持ちでまた癇癪を起こすわけです。
弟や妹ができてかまってもらえなくなった場合にも、両親の注意をひくために癇癪を起こすこともあります。
空腹や疲れなど
お腹がすいた時や、遊び過ぎてグッタリ疲れた時にも、癇癪を起こすことがあります。大人でも空腹の時や疲れた時には機嫌が悪くなりますよね。あれと同じです。
子供が癇癪を起した時の正しい対処法
子どもの言葉を理解し、気持ちに寄り添う努力をしよう
一番大切なことは、子どもが癇癪を起こした時にパニックにならないことです。忙しい時や、外出先などで子どもが癇癪を起こしたら、こっちもイライラしたり、腹が立ったり、怒鳴りつけてやりたくなりますが、それは絶対にいけません。まずは、自分が落ち着くことが大切です。そうして、冷静に子どもと向き合いましょう。
まずは、子どもを落ち着かせることです。子どもが落ち着くまで待ちましょう。子どもが少し落ち着いて来たら、「なにが嫌だったの?」「どうして怒っていたの?」と、聞いてみましょう。
この時大切なのは、子どもの言葉に真剣に耳を傾けること。あなたが真剣に、話を聞いているかいないかを子どもは敏感に察知します。子どもは、話しを聞いてもらえるだけで落ち着くこともあります。
子どもの思い通りにさせてあげられない時には、「もっと遊びたいね。楽しかったもんね」といったように、まずは子どもの気持ちに寄り添ってあげましょう。それから、「今日は、もう暗くなるから、おうちに帰ろう。明日また遊ぼうね」と、帰らなければならない理由をわかりやすく説明してあげましょう。落ち着いて話してもらうことで、子どもも納得しやすくなります。
癇癪をやめたらいいことがある
癇癪を起こしたらいいことがあると思いこんでいる場合もあります。癇癪を起こすたんびにキャンディーをもらっていた場合。「癇癪を起こしたら、キャンディーがもらえる」と思いこんで、わざと癇癪を起こしてみせるということもあります。
癇癪を起こしたらいいことがあると思いこませてはいけません。こういう場合には、徹底的に知らん顔しておきましょう。そして、癇癪をやめて静かになったら、とてもほめてあげましょう。癇癪をやめたらいいことがある、と思わせることが大切です。
その他の対処方法
兄弟ができてかまってもらえなくなった場合にも、親に注目してほしくて癇癪を起こすことがあります。こういう場合には、たっぷり抱きしめてあげましょう。
空腹や疲れている時の癇癪はあまり叱らないでください。お腹がいっぱいになったり、落ち着いて休むことができれば、コロッと機嫌はなおりますから、早めに休ませてあげましょう。
まとめ
子どもは癇癪を起こすものです。もちろん人によって違いますが、癇癪を起こす子が悪い子ということはありません。子どもが癇癪を起こしていても、落ち着いて対処にあたること。子どもを理解してあげようとすることが大切ですよ。