痒くて辛そうなアトピー性皮膚炎。自身や家族がアトピー性皮膚炎の方、またアトピー性皮膚炎の症状を見たことがある方もいらっしゃると思います。もし我が子がアトピー性皮膚炎となってしまったら・・・と考えると、この先病院通いや薬、日頃の生活で注意しなければならないこともありますし、何より赤ちゃん本人の辛さを考えるといたたまれなくなります。
こんなに毎日薬を塗って、それをずっとやっていかなくてはならないのかと思うと、薬には抵抗感が出てしまいますよね。
今回はそんなアトピー性皮膚炎について、薬を使わずに改善させていく方法をお話していきたいと思います。
赤ちゃんのアトピーとは?
アトピーとは?
皮膚のバリア機能が弱く、何らかのアレルギーをもっている人の多くが発症し、慢性的に皮膚に強いかゆみと湿疹を繰り返すものです。
湿疹と強いかゆみを繰り返し、この状態が6か月(乳児だと2か月)以上続くと概ね診断されます。多くは、小児期が多く、大人になるにつれ軽快されていきますが、大人になって再発したり酷くなることもあります。
赤ちゃんのアトピーとは?
赤ちゃんの頃のアトピーは、いろいろな説があります。今までお母さんのお腹にいた赤ちゃんがこの世に誕生し、今までにはない様々な物質に触れていきます。そういったものに触れることで皮膚が荒れてしまうのです。それは身体にとって不要なものを排出させようとする反応なのです。
また昔よりアトピーは増えているのが事実で、食生活が野菜や粗食が多かった昔に比べて今は添加物・加工食品・インスタント食品などを食べる人が増えてきたことによる影響や、化学物質が影響しているのではないかとされています。これらが身体の中に毒素となって蓄積されていき、それがやがてお母さんの母体から赤ちゃんにも影響を受けるとも考えられているのです。この考えから、お産は女性にとってデトックスと言われることもあります。
アトピーの原因
アトピーにはこれといった原因がまだ分かっていません。遺伝、ダニ、カビ、食べ物、水、化学物質、空気などが影響しているのではないかと考えられています。
乳児湿疹とアトピーは何が違うの?
赤ちゃんに湿疹が出来るともしかしてアトピー?って心配になりますよね。どちらも医師ですら判断が難しく、出始めも乳児期の1歳未満からになります。出る場所もさまざまで、気になって皮膚科を受診したとします。そこで、まずは「乳児湿疹」と診断される場合と早くも「アトピー性皮膚炎」と診断されてしまうこともあります。
特徴の傾向としては、乳児湿疹は顔に出来ることが多く、アトピーは膝や肘関節に湿疹が出やすくなります。乳児湿疹は多くの赤ちゃんに見られ、皮脂分泌の多い生後2週間位から出ることが多く、1歳位にはいつの間にか出なくなってきます。
アトピーの症状と、症状が出始める時期
アトピーの症状
強いかゆみと赤みのある湿疹が良くなったり悪化したりを繰り返します。痒みや湿疹が出やすい場所は、顔、首、頭部、胸、肘(内側)、膝(裏側)、耳たぶ(裏)などです。特に耳たぶの付け根が切れてしまう「耳切れ」や膝(裏側)や肘(内側)が切れるのも特徴の1つです。ジュクジュクした汁が出て湿り気のある湿疹が出ます。全身が乾燥しがちでカサカサし、搔くことでポロポロと皮膚が剥がれ落ちてきます。また、赤ちゃんに多いのが、「貨幣状湿疹」といって身体に円形の湿疹が見られます。
症状が出始める時期
アトピーの症状が出始めるのは早い時期だと生後4か月頃からです。中には、生後2週間くらいで湿疹が出来始めたため、小児科や皮膚科に行ったらアトピーと診断されてしまったという方もいます。
赤ちゃんのアトピーを改善する方法
アトピーになってしまうと、一生治らなかったらどうしようと悲嘆してしまうかもしれません。実際に、赤ちゃんの頃にアトピー性皮膚炎と診断されたものの、大人になるにつれ症状が軽くなるケースも多いです。生後4か月でアトピー性皮膚炎と診断された赤ちゃんの約7割が1歳半までに治り、1歳半でアトピー症状があった子の約5割は、3歳で良くなったというケースもあります。
アトピーにならないようにする方法はなく、なってしまったらいかに症状を軽くするか、肌を回復させるかに力を入れます。
入浴の仕方
何か合わないものに反応して湿疹が出ているのではと、頻繁にお風呂に入れてしまったり、洗浄力の強い石鹸、タオルなどの摩擦などで肌に負担をかけていませんか?アトピーの場合は、肌のバリア機能が弱いです。これらの方法で皮膚を守る皮脂を取りすぎてしまうことは、バリア機能が働きにくくなり肌の回復が遅れてしまいます。
身体を洗う時にはお湯だけで洗うとか、あまりゴシゴシ洗わないようにしましょう。
保湿しすぎない
保湿をたくさんして肌を守ろう、乾燥こそ敵だと、保湿を必要以上にたくさん行うことは、皮膚が自ら皮脂を出して潤わそうとする力をさまたげてしまいます。なので、保湿するなら最低限にしておきましょう。
ストレスを溜めさせない
まだ赤ちゃんのうちは、お母さんに叱られるというストレスはないですが、赤ちゃんがアトピーによる肌の痒さで痒がっているところを、お母さんが絶対に搔かせまいと阻止するのは、赤ちゃんにとってはとてもストレスになります。確かに赤ちゃんは手加減なく搔いてしまいます。大人は傷だらけになるまで搔くことは少ないですが、小さな柔らかい爪でも柔らかい皮膚を搔けばすぐ傷がついてしまいます。顔に傷がついてしまうのは親としては辛いものですよね。つい「ダメッ!」と止めさせたくなります。搔いたとしても、赤ちゃんの傷は回復が早いのであまり神経質にならないようにしましょう。
お母さんも健康的な食事を
特に母乳で育てている場合は、お母さんが食べた物が母乳となって出ていきます。そしてそれを赤ちゃんが飲んで育つわけです。母乳を与えている間は、野菜がたくさん使われた食事や和食を心がけ、加工食品やインスタント食品、甘いお菓子や脂っこいものなども避けましょう。
肌に負担のかからないスキンケアを
今はたくさんの低刺激用のスキンケアやアトピー肌の子でも使えそうなスキンケアもあります。ですが、実際につけてみると肌に合わなかった、なんていうのもありますよね。
わりとどんな肌にでも合いやすいのがワセリンです。あとは、最近注目されているエクストラバージンココナッツオイルです。特に、ココナッツオイルは高保湿力で副作用がなく、天然の殺菌や抗菌効果があります。
こんな小さな赤ちゃんのうちからアトピーが出ては、ずっと薬漬けなのかなと心配になりますよね。アトピーの治療にはステロイド剤が使われます。そして、このステロイド剤も長期間使うことで肌への副作用が心配される声もあります。
先程挙げた方法は、多少アトピーの症状の緩和には有効です。日頃のお手入れの方法を見直してみましょう。